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日々是々

黄金神威94話 感想

今回は変態鶴見隊のエピソード。
鶴見が出てくるとどうしても彼が主役だ。ほかにどんな奇人変人が出てこようとも。

faomao.hateblo.jp

二階堂……(つw丶

作者氏のツイートによると。

浩平、チンパンジー扱い。

そういや、82話で土方がトドメささなかったのは、時間的な問題で脱出を優先したから?
あの時点では相手の戦闘不能が目的であって殺害じゃなかったし?
土方が敵に情けをかけるとは思えないので、ちょっとしたナゾではある。

追記:9巻で追補されていた。二階堂、必死に逃げ回ってたのだね。

鶴見が花束……!
これラベンダー?? ……と思ったけど、この時期、まだ日本でラベンダーの本格栽培って始まってないのか。
ネジバナムスカリリナリアかもしんない。
(あーきっと花言葉に鶴見の真意があるんだろうなー)

月島、気苦労多そう;

有坂中将の登場……! (名前変えてあるけど)
またキャラ濃いな! 吹き出しまでテンプレでなくていちいち描いてるし!
なぜそこで跳ぶ。
鶴見と気が合う時点で変人なのは確か。
闇鍋にケシや満州まで投入とか……どんどんキナ臭くなって参りました――政治的な意味で。

中将なのに制服着てないのずるいー。
中将って師団長クラスなのに(第七師団長と同格のはず。つまり、すごくエライ)
従卒も連れずに一人で大八車牽いてきたのかしら。
月島が驚くのも無理はない。鶴見はせいぜい中尉さんなのに。

三八式、1905年(明治38年)に開発、06年に制式採用だから、本作中のリアルタイムはやっぱり06年でいいようだ。 で、この銃が、第二次大戦終結まで使われてたんだから、40年間、日本兵のメインウェポンだったというのはスゴイ。
それだけ先進的だったのか、それとも有坂・南部の後継者がいなかったんか?

ところで、尾形は三八式とも相性合うのかしら。

飛行機の話題がちょろっと出てくるけど。
ライト兄弟の初フライトがせいぜい03年なんで、この時点で有坂が将来性を見越してたならさすが。
だってリンドバーグの大西洋横断は13年なんすから。
飛行機の開発史、当時としては驚異的なスピードじゃね?
(念のため。当時、欧米では、各所で同時多発的にエンジン付の飛行機械の開発が進んでた中、ライト兄弟が先陣を切ったというだけで、彼らがオンリーワンだったわけじゃなく、ナンバーワンだったに過ぎないんだけども。
エンジンのないグライダーならもう少し前にドイツのリリエンタールが発明してたし)
日露戦争までの騎兵隊が、やがて、航空隊に置き換わっていくのかな。

有坂が自分の仕事を後悔しようとするのを、鶴見は許さない……;
鶴見はメフィストフェレスなのだ。人々が理性や常識や良心で抑え込んでる、本音や欲望や情欲を引きずり出して本人の目に晒し、その上で肯定する。それが救いになると同時に破滅に導くことになるかも知れないけど。
そしてまた、半神半人な鶴見の人の部分は、やっぱ教養人だし、自分の美学を持ってるんだよな。
死神の美学ではあるけど。破壊や絶望や破滅に憧憬し陶酔する。
しかし、この鶴見の凄惨な美学に、共感できないこともなかったりする私がいる。
戦場を歩く鶴見が、ケガ負う前であることに気付いた。あの性格は負傷で人格変化したわけでなくて、元からなのかも知んない。

月島、ツッコミ役が板に付いてきた。

二階堂、ヒグマを美しいと評するような、そんな詩的なイキモノだとは思えないんだが。鶴見の方便って気がしないでもない。
浩平って。杉元、谷垣、尾形、鶴見、土方、それぞれから負傷させられてるのだよな。作中一番の噛ませ犬……でもこういうキャラが案外、最後の方まで生き残ったりするんだぜ。
(自身が直接傷つけられた相手ではなく、洋平殺した杉元を一番に恨んでるのが同胞愛だなあ)

謎のおっさん……誰よ? ホクロとか白塗りとか、バリーリンドン思いだした……

追記:Twitterで知ったのだが、作者氏のデビュー作に登場したキャラらしい。

仕込み銃はヒールの浪漫!
みんなでニッコリとか、なにやってんだ、この軍人ども(笑)
しかし、この仕込み銃、すげえイヤな予感。イヤな予感はするんだけど、そんなワタシの予感があたるようなチャチな作劇はしないはず! と作者氏を信頼してる。

そしてやっぱり、月島、彼らに付き合わされて、気の毒に……

今週の花束。北海道だしラベンダーだと思ったけどこの時代にあったかどうか。

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