day * day

日々是々

見てきた。

ゴールデンカムイアイヌ文化展』
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来場者プレゼントのクリアファイルと付箋。

規模は大きくないけど、やっぱり、本物の民具が見られるのはうれしーい。
以下、展示物の雑感。

弓矢。
弓ってイチイに桜の樹皮巻いた短弓だ。長さ1mくらい。
イチイ人気だ。*1
矢が、消耗品なのに複雑な作りなんだよな。鏃-矢骨(鹿の骨)-胴(竹)-矢羽……
鏃が竹で出来てるのが意外。
鉄か黒曜石だと思ってた。(アイヌの鏃、黒曜石のも出土はしてるらしい)

マキリやタシロ。
木製の鞘や柄に浮彫がキレイ。
ブレードを見てみたかった。
アイヌ、製鉄はなくて和人からの輸入だと思ったけど、完成したブレードを輸入してたのか、それとも玉鋼とかを輸入して鍛造してたのかちょっと気になる。
現代の作らしく綺麗だ。アシリパさんのように使い込んでたら、血や獣脂でもっとイイ色になってそう。
あああメノコマキリ、一本欲しいよう。

五弦の竪琴のトンコリ。作中で見るよりももっと繊細な工芸品だ。
作中のは樺太産てことになってるけど、意匠なんかで北海道と違いがあるのかな?
展示品はアザラシ(?)の毛皮が使われてた。
ムックリ、口にくわえる弦楽器、リードの部分が魚やカエルの皮ってのがちょっと面白かった。

ゴールデンカムイ』のデジタル原画。
フルデジタルで描いてるってのは聞いてたけど。どうやらデジタルで描いたのを紙に出力して台詞の写植貼って印刷に回してる模様。
レーザープリンタの高解像度の出力と思わしき原稿にセリフ貼り込んであるの見ると、なんだか、アナログなんだかデジタルなんだか。
扉のサブタイトルが写植の紙をきれーに文字の形に合わせて縁取って切り抜いてあったりする。編集さんの職人芸かしら……
電子版もどうやらこの紙原稿から作ってるのか……うーん。
どうせならe-inkのディスプレイで製作過程を逐次見られるようにならんかな……

あと、単行本も置いてあって閲覧できるようになってたんだけど、本体表紙の服飾図鑑が見られないのは何故なんだぜ?
あれ、デジタル版には収録されてなくて、紙本版の購入特典みたいなもんなのに。
デジタル原画の展示、まずはあれを展示して欲しかったかもー。

*1:百年戦争でもイギリスのイチイで作られたロングボウが最終兵器とまで言われてて、フランスはイギリスの射手捕まえると弓を引けないように人差し指と中指を切り落とした。それで、イギリス兵は対峙したときに二本の指を突き立てて見せて挑発したという。それがVサインの起源である、という説。