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日々是々

金神145「ミスター制御不能」 ゴールデンカムイ

金神15巻の感想 ゴールデンカムイ - day * day

なんだこの回……

ロシアで格闘技つーたらどーしても、「STREET FIGHTER」シリーズのザンギエフが真っ先に浮かんでしまうゲーム脳……てザンギエフはプロレスラーだけど。

と思うとなんだかマジに格ゲーっぽい展開になってる。

4on4 からの 4対1。
岩息、ボコられてゲージ溜め。
そこからPPPでダブルラリアット発動!*1

……つええええ……

杉元、ゲージ振り切っちゃった!
殺意の波動かよ!
かと思うと、 杉元「俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺」ジョジョかよ! 俺俺ラッシュかよ!

乱闘こそがスチェンカだと感動に胸震わせるジジィ。
そんな場合じゃないって。

杉元の様子がオカシイ。
ああああ脳汁が。

鎌を手にする杉元……
え、この杉元の立ち絵の得物はどー見ても、あの鎌と鎚。*2
☭ ってunicode にあるの知らなかったよ!
起て地に伏す者かよ!*3
聞け万国の労働者かよ!*4

さらっとこんなシンボルが紛れ込んじゃうあたり、ツボる。

先生、自由だ……(笑)
政治的思想的なメッセージはないよね。(たぶん)
あらゆる思想や信仰や政治や道徳律をチラ見して、でも何処にも拠らないのが、金神の自由なところ。
プロレタリアートも格ゲーもジョジョもぜんぶ鍋の具材。

忘れそうになるけどゴールデンカムイって、1905年に血の日曜日事件戦艦ポチョムキン事件があったすぐ後、1917年のロシア革命までもうちょっとの時代なんだよなあ。
ボコられ過ぎてバーサークって、そういや革命の原理かもしんない。
杉元 REVOLUTION ですよ。
当分は恐怖(テロール)が続くやね。戦乱(アレス)敗走(ポボス)恐慌(ディモス)の父なのだ。

月島「「殴られ過ぎ」ですッ」……の台詞がちょっとシックリこない。
パンチドランカーとか、それに類することを言いたいんだろか。
杉元、脳の器質障害と殴られた衝撃で、錯乱してる模様。
凶器を手にしてるので手がつけられない。

「Это не по правилам!!(これはスチェンカじゃないッ)」
Google先生の直訳によると、「それはルールではない」だそうで。

岩息「最初から私の刺青が目当てか?」
ってまるで悪い男に騙されたみたいな。
岩息、なんて純真なんだ……
そうだよ、どうせ、アンタの刺青(カラダ)が目当てだったのさ……

岩息みたいな、「拳でしか語れない」ようなキャラを、ここまで純真無垢に描けるのってスゴい。
暴力の世界しか知らないけど、彼にはその中で確固たる居場所があるのだ。

先に挙げた「自由さ」もそうだけど、ゴールデンカムイの爽快さの一つは作者があらゆる価値観をウエメセで裁定しないところなんだよな。
「こんな非道いヤツは報いを受けて然るべき」なんて断罪したり、或いは「こいつは可哀想だから救われなければ」なんて、オヤクソクの展開に進まない。ただ皆が皆、自分の宇宙で必死に生きている。*5

岩息追っかける3人。

ふたたびクズリ、こえええよ。
これって最初に鯉登襲ってたヤツじゃないのよね。
鯉登にしろ岩息にしろ、腕に覚えのある猛者でも、クズリにはかなわない模様。
やっぱり野生の猛獣は強いよなあ。
(特にイタチ科は食肉類の中でも凶暴っつーから)

鯉登「銃は持ってるのか!?」
この状況で、なぜにその問いが出て来る(笑)
鯉登に、すっかりドラえもん扱いされてる月島。

あ、いつの間にか、鯉登と月島の顔スタンプが作られてる。

そして逃げ込んだ先が……サウナって。
出来すぎ。

ヤングジャンプなんて青年漫画誌の大メジャーなのに、男性ヌードで読者サービスとか、も、もう、驚かないぞ……
(感動に打ち震えながら)

そういや伝説の露天風呂から半年ちょいでした。
やっぱりカメラ目線だ。

ストファイだのジョジョだのプロレタリア革命だのときて最後は全裸なんて、
なにこの闇鍋(カオス)

*1:ザンギ連続技 ダブラリ3段4段 - YouTube ……っても私は格ゲーはちっともやらないので、実はSFのシステムはよく知らない。

*2:鎌と槌 - Wikipedia

*3:インターナショナル (歌) - Wikipedia

*4:メーデー歌 - Wikipedia ……なんだけどこのメロディ自体は明治末の軍歌に由来するってのが面白いやね。小学校の応援歌に使われてたなあ。

*5:それを考えると、尾形ですら、救済されるべき憐れな咎人には思えないのだ。彼はウエメセの救済や祝福こそ最も嫌うのではなかろか?