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日々是々

杉元と梅ちゃん、と寅次

(先日のTweetのまとめ)

唐突に、杉元と梅ちゃんのことが気になってきた。
杉元の金塊探しの目的のはずなのに、アニメで梅ちゃんが影薄くなってる。

梅ちゃん、再婚話出てたしな。
もう、梅ちゃんの中には杉元はいないのかもだ。過去に好きだった人、くらいで。
杉元は彼女のために命懸けになってるつもりだけど、彼女のほうはどうでもいい。
二瓶に「女は恐ろしい」ていわれちゃう。

しかし、杉元だって、復員して来たときにも結局、彼女と言葉交わせなったし、ほんとに彼女のことを思ってるのか謎だ。 何年もほったらかして金塊探ししてるよりか、彼女と結婚して「一生面倒見るから!」て言ったほうがマシだったはずで。
そもそも、杉元が村から逐電するとき、梅ちゃんに、「一緒に逃げて」って言われたのに断ってるんだ。
あの時点で、梅ちゃん、杉元のことは捨てた、というか、捨てられたと思ったのかも。
何年かして杉元が帰郷したときは、梅ちゃんと寅次の結婚式だし、もう杉元のことはどうでもよくなってる。
その後の寅次と梅ちゃんの会話からしても。

実は梅ちゃん、とっくに金持と再婚して手術受けたりして万事解決してたりしないか?
彼女は杉元がなにやってるか全く知らないんだ。 生きてることは知ってるんだろうけど。戦死してたら戦死公報が役場に届くはずで。でも杉元は家族いないから誰も知らせない? 彼女も敢えて調べようとしない?
生きてるのに、村に帰ってこないのは、別の場所で新しい生活してると思ってるのかも知れない。
杉元が梅ちゃんに連絡取ってるとは思えないし。

そもそも、なんで北海道来たかっていったら、寅次に誘われたからなんだよな。
カネ稼ぎたいのも、寅次に「梅ちゃんのこと頼む」て言われたからだし、砂金採りも寅次のアイデア
200円でアメリカ渡る、てのも寅次の試算。
杉元を拘束してるのは、梅ちゃんでなく、寅次だ。
「惚れた女のため」ってよりは、「親友の遺言のため」なんだ。
梅ちゃんの意志は一度も確かめてないし、「カネ持って帰るから待ってろ!」とも言ってない。
彼女からの願いは断って一人で逃げた。

寅次が、「梅子を頼む」て言ったのは、アメリカで手術受けさせてくれ、てことじゃなくて、結婚して面倒見てやってくれてことだよな。
杉元の夢の中で言ってるんだから、杉元も実は気付いてる。

11巻108話で、尾形がわざわざ「その未亡人のことか?」て言ったのは、さっさと黄金探しから降りて故郷帰って彼女と結婚しろ、て、言外に含ませたのかもだ。
……いや尾形がそういう気遣いするようには思えんが。
アシリパさんと引き離すためにそう言ったのかも知れない。尾形は、アシリパさんが杉元に仄かな恋心懐いてること気付いてるんだし(というか杉元以外はみんな気付いてる)

じゃあ、杉元は、梅ちゃんが自分のことをどう思ってると考えてるんだろ?
帰郷のおりに声掛けられなかったのは、変わってしまった自分と会わせたくなかったからだよね。
杉元の中では梅ちゃんは、騎士道の姫的な、純化された存在になってるらしい。

(昔通りの)自分の帰りを彼女が待ってると思ってるのか?
戦場でのケガレ、人殺しのニオイを落とす時間が欲しくて。
だけどまた、平時なのに、金塊探しの過程で人殺し重ねるハメになるという。

しかし、杉元と再婚することが、彼女にとって最善とは限らないんだよな。それこそ、金持に求婚されるかもだし。
「目の悪いコブ付きの女」でもいいってお見合い相手が出て来たようだし。
梅ちゃんの母も、再婚話に乗り気だし。

結局、杉元は、梅ちゃんに合わせる顔がなくて、でも彼女のことを想ってると取り繕うために金塊探ししてるだけにも思える。
寅次の言葉にしがみついて。

200円て金額、微妙だな。現在で200万てされてるっけ。ヤバイ仕事すれば1年くらいで稼げる……か?
当時だと経済の格差大きいからヤバさの度合いが今よりも大きいだろか。
ああ、そこで、「不死身の杉元ハラキリショー」か。
実際、戦場の勇者が、戦後、興行に出てたりするんだよな。戦場を再現したライブショーとかでさ。
……帰還直後に一度そういうの出てみて、興行主に騙されたりしてないか、杉元。

杉元て、臆病なんだよな。とりわけ人間関係において。物理的には勇猛に振る舞ってるのは、その怯懦を隠したいのかもだ。
だから、10~12巻までの、アシリパさん・杉元・尾形・白石のパーティが、オズの魔法使いのドロシー一行のようで、杉元は勇気の欲しいライオンに見えるんだ。