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金神139「樺太へ」感想 ゴールデンカムイ

金神14巻の感想 ゴールデンカムイ - day * day

なんだかんだいって、尾形と杉元、相思相愛なんだな……

4週間ぶりですわよ。
前回でなんとなく「第一部・完」みたいな大きな区切りだったので、今回はその後始末というか補足というか第二部への中継ぎ、現状の確認というか整理みたいな回。
密度高い。
てか文字多っ。

カラー扉、尾形とキロランケが悪役。
尾形がこういう悪役面してると、なんだか、山猫ってより、家猫っぽい可愛らしさが(笑)
ナニゲに尾形、カラーへの登場多いんだよな。58話、79話、今回139話で扉に出てるし、8巻の表紙と、YJ1837号の表紙にも出てる。

本文。

永倉、潜伏中なのか。
土方一味は教誨堂の地下に隠れてる模様。
門倉も都丹もまだ生きてる!

夏太郎、喰われそう(笑)
牛山、家永に感化されてる……
ひかりごけ」かっ*1
……やっぱりこのメンツだと一番美味そうなのは夏太郎くんだ。

犬童のヒミツのコレクション部屋。土方尽くし。
「門倉タヌキ」ってのもポイント。
右端の、「十二號」ってあるので土方の囚人服だ。
土方の肖像まで飾ってるし、犬童、ベタ惚れだったのねえ。ストーカーですよ、まるで。
その土方に、介錯してもらえたんだから、ある意味、本望だったのかしら。
ここにも奇妙なカタチの情愛関係が。

「南へ」って、どこだろう。
土方は、尾形・キロランケとは組んでないのか。

そして樺太
南樺太ってそういや、ポーツマス条約で日本の領土になったばかりでしたっけね。
地元の樺太アイヌ、日本人、ロシア人なんかが住んでたはず。

杉元「あんな狙撃が出来るのは」 杉元、さすがよくわかってる(笑)
杉元「あいつを感じた」て、なにか通じてるっぽいですよ。

5・6巻あたりのやさぐれた野心家っぽい尾形が再び。
カワイイよ野良猫尾形カワイイ。

尾形とキロランケの同盟。
いつからこの二人が組んでるのかわからん。
そもそも尾形の目的がわからんから。*2

尾形、やっぱ三十年式実包装備してるのね、今は。
三八式は市販されてないのかなーまだ。

尾形「怒り狂ってるかもな」
杉元「ぶっ殺してやる」
なんだかなあ、このラブラブっぷり(笑)
相思相愛じゃないですか。
きっと殺し愛。
尾形が他人の感情慮ってるのも滅多にないし、仕留め損なってるかもってむしろ嬉しそう。

杉元の持ってた皮はすべて鶴見に。
え、ちょ、鶴見が着てる「鎬」って、二瓶じゃないのさコレ。杉元から取り上げて早速仕立てて着込んでるとか、鶴見ってば。
「目」は辺見和雄、「皿」は若山輝一郎。……「絽」って誰? 今まで出てきてないよな、この漢字。
尾形に殺されたチンピラか、姉畑かなあ。

コメントで教わりました。姉畑ですねコレ。よーくみると右胸に「絽」の字が。

鶴見は、囚人全員の身元は知ってるはず。
家永もそういや刺青の囚人でした。

インカラマッとキロランケのやり取り。
……あくまでインカラマッの証言だからな、これ。
キロがマキリを回収しなかった理由。
インカラマッ、のっぺら坊=ウイルクだと、確信してるんじゃん。
鶴見に騙されたって気付いた? それとも、谷垣に嘘ついたこと認めた?

鶴見の考えでは、のっぺら坊とキロランケはあくまで、樺太アイヌや大陸の反帝国のパルチザン一派だと。
キロランケが「自分は北海道のアイヌのために」と言ってたのはウソだと、鶴見・インカラマッは考えてるわけだね。

杉元、200円って初志回帰。
アイヌパルチザンなんかどうでもいいんだよね、最初から。途中で網走へ、なんて大きな寄り道してたけど。
金塊が見つかったら……アシリパさんとはどうするんだろう。
「ぶっ殺してやる」の台詞が衝動から発せられたにせよ、キロランケや尾形を殺すってことは、キロ達の独立運動は阻止する、結果的には鶴見の北海道独立作戦に協力することになる。鶴見の目的にはアシリパさんは不要だから、アシリパさんをジャンヌ・ダルクに仕立てたい土方やキロより、鶴見のほうが、杉元には都合がいいのかもだ。

谷垣はすっかりインカラマッに絆されてるけど……
てか、谷垣、いちおうまだ軍人だよな。軍に籍置いたままのはず。

杉元「つまみ食いしただろ」ってわかりにくい。
家永が手術の最中に杉元の脳ミソつまみ食いして、杉元の感情が乗り移って、それで、家永「アシリパさんを絶対に」って執着してる、ってこと?

杉元が持ってる銃……三十年式だな。鶴見に三八式貰わなかったんだ。
この三十年式、尾形が病院から逃げ出したときに持ってたヤツだよなあ。たぶん持ち出したのは二階堂。それから谷垣、三島、前山、その他、第七師団の連中撃ちまくってる、茨戸でも活躍して日泥父も仕留めてる銃だ。

鯉登少将、あの息子の父親にしては、大人物っぽい。

鯉登少尉、やっと下の名前が!
音之進くん。
鯉登少将「いずれ指揮官に」って。陸大行かせるつもりなのかな。
彼は恐らく陸士16期卒、日露戦争に従軍経験のない最初の世代なのですよ。彼から下の、戦場の現実を知らない世代が30年後に昭和陸軍の幹部なわけで、鯉登パパが不安がるのも宜なるかな
なんですかグンニャッって!
正統派の美形なのに、端々に見えるキモ可愛さ。

花沢中将から鯉登少将への手紙、いつ、花沢が書いたの? 尾形が書かせたとは思えないので、鶴見が書かせたのか?
それとももっと前に書いたのか?
花沢中将の肖像、目の周りが尾形ソックリで笑えるくらい。
勇作君の顔も見てみたいよなあ。

鯉登少将が語るこの下り。
鯉登少将はイイ話をしてるんだけど、その切っ掛けは虚構なのだ。
花沢中将は切腹したわけじゃないし、勇作君も戦死したわけじゃない。
どっちも手を下したのは尾形だ。
中将の死は鶴見の謀殺で、この手紙の筆者すら怪しい。鯉登少将は完全に鶴見に騙されてるんだ。
花沢中将「愚かな父の面目を」ってのは中将の本心かも知れないけども。

*1:ひかりごけ - Wikipedia。これの舞台は羅臼だけど。

*2:12巻の追加修正見ると、釧路の時点では既に尾形とキロは密かに組んでるっぽい。尾形は、インカラマッの提示したキロへの疑念を逸らそうとしてる。
土方の戦略なのか、それとは別口でキロはキロでパルチザンとして戦略立ててるのか。どっちにしても尾形が大きな目的の立案者とは思えないんだけどなあ。