day * day

日々是々

金神動画22感想 #ゴールデンカムイ アニメ

新月の夜に

原作の125話から130話までに相当する回。

フチの歌う歌は本誌連載125話の扉に掲載されてたけど単行本ではなぜかカット。
107話の作中にも出て来た。アニメで稲妻・蝮篇がカットされてしまったので、あの歌のシーンもなくなってたけど。*1
【出典「アイヌ民族誌」久保寺逸彦訳】とある。
今回、音声付で歌になって聴くことが出来て嬉しい。

あ、赤ん坊、特徴的な眉! 稲妻とお銀の息子だ。

そういや、ウイルク、アシリパさんにアイヌのことや狩猟のことは教えたのに、民族運動や政治、言語についてはちっとも教えてないんだ。
ほんとに民族運動のリーダーに育てる気があったのか、どうか。
これから教えるつもりだったのか。

なぜかチタタプで興奮する杉元。
カワイイというか、ウザいというか。

尾形の「チタタプ」の下り、これ、はしゃいでるアシリパさんよそに、杉元・谷垣・牛山三人の尾形への思い遣りが萌えるの。
アニメだとそのへんの繊細な心情はどっか行ってしまったけど。

原作について書いた分。こういうことだよね?、と。

はしゃいでるアシリパさん。
声の小ささに表れた尾形のプライドをおもんばかって静かに見守る杉元、谷垣、牛山が優しい。
杉元も谷垣も牛山も、尾形のプライドが山のように高いこと知ってるし。
このプライドって、尾形が見せる希有な「人間らしさ」の1つではあるんですが。
たかが「チタタプ」の一言、そこにコダわっちゃうなんてプライドというにもアホくさいんだけど、そういうケチなプライドみたいな、漢心の機微は、小娘にはわからんのですよ。
で、3人が、アシリパさんにそういうこと説明しないのも、また漢心ってものでしょう。
アシリパさんは、小娘ゆえなのか「神の子」ゆえなのか、そういう、ちょっとした機微を無邪気に踏みにじることが、しばし、あるんですよね。きっと彼女の中には、そういう曇った感情はないんでしょう。(杉元の女性関係に関しては別)

このへんの、「女子供にわかってたまるか」みたいなヒネくれたドラマって痛切。そしてそこに漂う漢らしさのダメな部分に萌~

杉元、チタタプで夏太郎や谷垣にはウエメセになってる、なのに、尾形には思い遣ってる。
もしここでアシリパさんがいなかったら、杉元たちが「お、尾形、やっと言えるようになったな」などと上から目線になって、尾形がまたヘソ曲げるだろうし。
小娘のアシリパさんだからこそ許されるわけで。
2コマもかけて、一人ではしゃぐアシリパさんと無言の男達を対比させてるのが、巧妙。尾形のプライドと、それを守ろうとするおっさん達の絆。
金神13巻の感想 ゴールデンカムイ - day * day

なんだかんだでアシリパさんには忠実なんだよな、尾形。
アシリパさんに対して、けして、誠実だったり親密だったりするわけではないけど、なにか、目標というか、道標として見做すかのように振る舞う。
闇の中の灯明というか。

鶴見がインカラマッに言ったのは、「5年前の事件はキロランケ一味の仕業でウイルクは被害者」「のっぺら坊はウイルクではない」ということらしい。
何故そんなことをいったのか、結局は謎のまま。
鶴見は、ウイルク=のっぺら坊=アシリパ父だと知ってるし、しかもアシリパさんが生れる前、彼らが日本に来る前からウイルクやキロランケのことを知ってる。

鶴見のいうことは一切信用できない、常に嘘を吐く、ということで片付けてしまってよいものやら。

そして、終盤、いよいよ真打ち登場!の鶴見。
この盛り上がりかたがすごい。
鶴見のモーション多い。

あ、鯉登パパこと鯉登平二海軍少将役は、大川透氏、鹿児島出身なのですね。
薩摩弁ネイティブが聞けるのですよ。

標準日本語以外に、アイヌ語・秋田弁・薩摩弁・新潟弁・ロシア語・ウイルタ語が出てくるゴールデンカムイという漫画。一部フランス語と英語も出てくる。
やたら多言語、多文化。

エンディングなしで、鶴見隊の侵攻作戦から次回予告へ。
残り2回なので、どこで来週終るかったら、……まああのシーンしかないかな……
結局、山猫が最後に全部持ってくことになるんだ……

*1:歌もさることながら尾形の寝顔ががががが。