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日々是々

1902年八甲田山遭難事件『遭難始末』

EPUBでUPしましたよ、と。

『遭難始末』EPUB
(底本→遭難始末. 〔本編〕 - 国立国会図書館デジタルコレクション遭難始末. 附録 - 国立国会図書館デジタルコレクション

数多い表をテーブルで再現するのが面倒くさくて、画像ファイルで取り込んだので、テキスト部分だけだとあんまりわからない。
原著は、旧漢字旧カナ・カタカナ、句読点、ルビ無しなので、新漢字旧かな・ひらがな表記にして、適宜、句読点とルビ振りました。 適当なので、間違ってる箇所もあるかもね。
変態的な組版も適当に変更しました(原著、割り注多いけど、電子本で割り注はキツい)

1902年 八甲田山遭難事件*1の、陸軍の公式報告書。
遭難事件そのものよりも、その後、どう捜索救助をしたかが中心。
日露戦争直前って時期の軍の装備、食事給養、防寒装備、仮設の宿営の作り方なんかの具体例の細部が詳細。

本自体、事件から半年後の慰霊祭にあわせて発刊されたもの。
最初に本篇+付録で4セット作られて陸軍大臣などに送られて、その後、付録も合本になったと。
国会図書館の蔵書は付録が別冊になってるので、最初に刷られた4部のうちの一つってことらしい。

読むときの注意として……
陸軍の公式文書だけに、実は信憑性はアヤシイ……w
現代の研究書、丸山泰明*や松木明知の本も参照したほうがいいかも。

例えば、“靖国問題”とか。
『遭難始末』では、事件の死亡者も戦死者として靖国神社に合祀されるとあるけど、丸山の調査では、1906年に合祀されないことが決定した、結局合祀されてないことが判明したと。

『遭難始末』に収録されてるいくつかの写真も、現場でリアルタイムに撮ったものでなく、後で演出されて捏造されたものだと。
人名の入れ替わりも。

そのへん気を付ければ、読み物として面白い。
現場の地図、将校クラスがどこで誰が死んでたか、なんかが書き込んであったり。
遭難者全員の住所氏名身分なんかまで付録に載ってるのが、今だと考えられない。

デカ過ぎてEPUBでは縮小した地図の、もうちょっと大きいの。
https://drive.google.com/open?id=1RUbBVecMHDKx2u0dFQ-3Sa-OD10FHVEm https://drive.google.com/open?id=1VVszM-JmPPdKGDX1fReSPk3IXwQQDNls
国会図書館デジタルアーカイブだと、これの倍の解像度)

映画『八甲田山』がより面白く観られるかも~

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凍える帝国―八甲田山雪中行軍遭難事件の民俗誌 (越境する近代)

凍える帝国―八甲田山雪中行軍遭難事件の民俗誌 (越境する近代)


八甲田山遭難事件についていくつか読んだ本の中では、これが一番面白かった。事件そのものでなく、社会や政治の受け止めかたを研究した、元は論文)