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日々是々

金神200「月寒あんぱんのひと」感想 ゴールデンカムイ

祝200話!

第100話「大雪山」は、杉尾リパ白の4人組が、鯉登や第七師団から逃げる話だったんだっけ。
1年前の2018年5月31日(木)発売号は第160話「国境」、狙撃手対決の開始だった。
思えば遠くへ来たもんだ。
今回までが20巻分ということになる。

なんだかんだいって今回の主役は尾形!
尾形と鯉登の因縁というか。
そして、殺伐系杉尾の民、大歓喜

案の定、音之進の拉致監禁事件は鶴見の謀略……って、あれ、明言されてないな?
でもこの流れ、確定でいいよね?
単なるロシア工作員による誘拐事件じゃ面白くないしね!

実行犯、結局、白帽子が尾形なんだ。顔に鼻血着いてるし? 監禁中、妙に鯉登に優しく振る舞ってたのが意外なんだけど。……いや、あんぱんが古いこと知っててワザと食べさせようとしたのか……?
音之進に拳銃突付ける図は3回も繰返されてる。
そして旭川で士官候補生の鯉登とすれ違ったときの尾形。
4コマとも全く同じ角度。

しかし、すれ違ってガン飛ばし合ってる尾形と鯉登……尾形、なんでこんなに鯉登を憎んでるのだ。監禁中の鯉登に白帽子がヤケに親切なのが気になる。むしろそれは月島の役割だろうと。
鯉登も、この時点で尾形のことはあまりよく知らないはずなのに、睨みつけてるし、尾形の目付きが気に入らないのか。
第99話の飛行船での遣り取りからして、尾形は余裕かまして鯉登を見下してて、鯉登がムキになって反発してるようにも見えて、尾形そんなに鯉登を憎んでる思ってるようには思えなかったんだけどね。
ただ「ボンボン」って生まれが良いことだけを妬んでるのか? 尾形、そんなにケツの穴の小せえヤツだった?

やっぱり、孤高のオレ様な尾形には、こんな上から目線のポーズが真っ先に思い浮かぶし、よく似合う。*1
第109話で谷垣と再会したとき、とかさ。
第137話でウイルク達狙撃したとき。
第82話でモブ兵士に組み敷かれてたときでさえ、ウエメセだったし。

黒帽子、左手で銃持ってるじゃん、これ菊田なのかな?
てことは(わざと)落馬した鳥打ち帽が月島??
あー、菊田もこの時点で鶴見の陰謀一味なんだ。
ということは宇佐美のほうが新参者なのか。

彼らの聯隊番号も階級も暈かされてる。
この事件、1902年ごろだよね、とすると80-81年生らしき尾形は、まだ一等卒? それとも一選抜で一年目で上等兵になってるのか。もしかすると20歳未満で志願してとっくに上等兵になってるのかもね?

鯉登親子は鶴見の手の上で、すっかり道化役。
ペチンってなによ!? チクビフェチなの?! 先生はっ。
大団円で和んでる3人、その背後の3人。

音之進が真実を知ることはあるんだろうか。
そもそもなにが真実なのだろう。

前回、音之進が抵抗したのは、あんぱんで、鶴見の言葉を思い出したせいか。
「兄の代わりではない」と。
実は鯉登パパだって、ちゃんと音之進のこと大事に思ってる。

鶴見をみつめる音之進、目がキラッキラしてやがるwwww
鯉登も瞳がベタ塗キャラなんだけど、このシーンだけ瞳に星が入ってる,゜.:。+゜🌟

尾形の御開陳とか微妙なファンサービス挟んで現在に。*2

なに、この「長いお別れ」みたいな流れ。
尾形、最初は完全にモブだったのに、5巻で強烈な再登場して6巻で存在感増して、8巻第75話あたりからずっと主人公パーティになって、200話のうちちょうど半分の100話分に登場してて総選挙で2位になるくらい主役の1人で、このままずっと最後までメインストーリーに絡んで行くんだと思ってた。
マジで尾形、ここでしばし退場なの? すぐ戻ってくるの?
この去り方はアザトイ……
尾形、ソフィア達と合流してロシアの革命に参加したりする? しかし革命に黄金は必要ないんだよね。史実として革命は達成されてるんだから。
ゴールデンカムイ」の物語が結末迎えてからならともかく、このまま満州浪人になって消息不明てのはイヤだ。
どんな姿で・形で・場面で、戻ってくるんだろう。

とかいって次回21巻分から尾形の大冒険篇が始まったりしないかな(ちょっと期待)

馬上で尾形の笑み。
彼は賭けに出た。「当てられるものなら当てて見ろ」と。
杉元と、神に対して。
カムイレンカイネを信じたキロみたいに。キロは結局は撃たれなかった。
尾形も撃たれない。杉元は射撃が下手だし、或いは当てる気がないと踏んだのか。杉元が当てる気がないとしたらそれは杉元自身の良心やアシリパさんの願いのせいだし、当てられないのならやっぱり神の御蔭。
尾形は、杉元と、賭けに、勝った。
神も愛も彼には実感出来ないのだけど、なんだかんだで彼は愛や神に助けられてる。
いっつもだ。

なんだか嬉しそうなのは、右眼も銃も装備も失って、むしろ、黄金追う使命や軍人であることからも解放されたゆえだろか。
革命という大義に縛られたキロランケは死んで、尾形はひたすら生き延びる。
彼は自由だ。

笑いながら去っていくなんて、すごく彼らしい。
屈服も贖罪も絶望もしない、救済も求めない。
わざわざ心の平穏のために他者との絆を欲するような、脆弱な人間であるはずがない。
やっぱり彼はこうであるべきなんだ。

ん、杉元、尾形がいずれ戻ってくると思ってる? 尾形、なんの目的があるのかもよくわからない、アシリパさんに自分を殺させようとしたところを見ると、もう、金塊の争奪戦もどうでもよくなってるし、戻る必要はなくなってるのに。
尾形が逃げていって、杉元も、嬉しそう。
杉元は何故、尾形が戻ってくると思ってるんだろう? これ、尾形が戻ると思ってるんじゃなくて、あくまで、戻ってきて欲しい、或は、殺されたくなければ二度と戻るなと、アンビバレンツな望みなんだろか。
ぶっ殺したい、いっぽうで、元気になって欲しいとも思ってる。

杉元はなんだかんだいって尾形を助けたがってるんだ。
杉元から尾形には、憎しみと憧れが同時にあるように思える。
それは、実は尾形から杉元にもあるのかも知れないが。
尾形の自由さ、良心や忠誠心や倫理まで含めてあらゆるしがらみを自分で断ち切ってく彼は、杉元の憧れなのかもだ。
尾形は、杉元というキャラの中の、利己的合理的な自我の部分の分身みたいなものだから、杉元が尾形を憎むのは自己嫌悪の現れでもあるし、一方で彼が生きている以上、杉元自身も自由でいられる、と。
杉元が「アシリパさんを解放する」って決意してる(第192話)のは、実は、アシリパさんでなく自分自身を解放したいんだよね。杉元は、いつも、アシリパさん本人ではなく理想化された偶像として、アシリパさんを見てる。
杉元はあくまで「金塊を見つけて」と言ってる。金塊を見つけて解放されるのは、アシリパさんではなく杉元。
アシリパさんは、自分だけじゃなくって、杉元やその他大勢が、金塊争奪戦やその後の騒乱や独立戦争で殺し合うことを危惧してて、殺し合いというこの世の地獄から「皆を」解放したいと思ってる。

そんな杉元からすると、冷酷で暴戻な尾形は殺し合いの象徴だ。そして尾形は、自分を解放するために、暴力に躊躇しない。

第192話 谷垣「どうして尾形はキロランケと組んでいたのか」
第196話 鯉登「あいつが本当のことを話すなんて」
杉元「尾形には聞くことがある」

繰返される尾形への疑問。
彼らの台詞は、読者やとりわけ尾形のファンの疑問を代弁してる。
このまま尾形がフェードアウトしちゃうとこのへんも謎のままになって消化不良。
作者氏はほんとにその答を持ってるのか??
……ほんと――に、尾形はなにも考えてないんじゃなかろか……?
ただひたすら、刹那的に生存と自由を求めるだけで。
まるで猫の生き方そのものだ。

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……ところでパンツ穿いてる?
やっぱ解放感だよね。(痛そうだけど)

*1:ちなみに私のTwitterアイコンもモロにそんな絵。2年以上前に描いたものだけど。

*2:今まで尾形の男性器が描かれることはなくって、常に凶器で置き換えられていて、いかにも生まれついての殺人者である彼を表現してるように思えた。今回は、そういう属性もどんどん削ぎ落として、生身の彼になっていく、という表現なんだろうか?