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日々是々

金神213「樺太脱出」感想 ゴールデンカムイ

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今回は単行本19巻と同時発売。
(→金神19巻の感想 ゴールデンカムイ - day * day
野田サトル氏と高橋留美子氏の対談の後篇も引き続き。

えーなんかこのまま当分登場しそうにない尾形の代わりに、ヴァシリがレギュラー入りするんですか?
そりゃーヴァシリくん、私の趣味にピッタリの絵に描いたような美形(っぽい)キャラではございますが。*1
ヴァシリ、尾形ほどは重い過去背負ってなさそうだけど。*2
凄腕スナイパーで寡黙どころか喋らないよ……
彼は、ひたすら、尾形に片想いしてるだけなんだろうか。
尾形がアシリパさんを追ってやってくると考えてる?

アシリパさん、鶴見はちっとも信用しないけど、ヴァシリのことは信用したらしい。
二度も襲撃されてるのにね。

ヴァシリは喋れない、書けるのはロシア語だけ。
杉元一行に、ロシア語出来る人いない。
そもそもヴァシリって名前自体、3人とも知らないんじゃないか?
意思の疎通はかれるのっ。

ヴァシリの乗ってる馬の鞍、もしかして、単行本19巻裏表紙(紙本限定)の馬の鞍と同じだろか?
アブミなしで乗ってるんだなあ。

ちゃっかり合流する白石。
けど谷垣は乗れない――物理的にも精神的にも。
谷垣、自分は杉元たちの仲間だと思ってる、でも、一緒にはいられない。

菊田に質問されて、谷垣。
一瞬躊躇した挙句、鶴見の部下の一等卒であることを放棄した。
もう戻れない。
谷垣「マタギの谷垣です」の言葉は重い。
鶴見を裏切ってしまった。
鶴見がそれを絶対に許さないとわかってるのに。
耳鼻削ぎどころか生きたまま皮を剥がれかねないぞ……
インカラマッだってなにをされることか。
すがすがしく、目をキラッキラさせて、覚悟を決めた。

杉元一行、船に乗込んだのはいいけど。
早速、ヴァシリの腕前の披露。

杉元「アシリパさんの人を殺したくない信念が絶対に変わらない」
……とはいうものの。
しかし彼女のために、周囲の人は殺し合うことになる。
187話の尾形の台詞「清い人間なんてこの世にいるはずがない」「お前達のような奴らがいて良いはずがない」はそれも含めてるように思える。
ヴァシリは殺人を気にしないほうの人間だろうし、杉元もアシリパさんのためならいくらでも手を汚すことは出来る、白石だっていざとなれば人も殺せるだろけど、アシリパさんもいつか、その欺瞞、我がままに気付くだろうか。

気になるところで、月島と鯉登の行方はまだお預けらしい。

……しかし、貨客船でどーやって軍艦に立ち向かうのさ……

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高橋留美子氏と野田サトル氏のスペシャル対談の続き。
前半より、創作についてよりツッコんだ会話になってて面白い。
それぞれ明治と大正が舞台で、って言ってるけど、対談にほとんど出てこないw
バーニャ☆とか姉畑とか親姫とか……カメラ目線の入浴グラビアの元ネタは『花の慶次』か。
そうか、野田氏本人は、けっこうマッチョイズムなんだな。
確かにそうなんだけど、それが弱者への暴力になってないんだよね。
マッチョ同士が殺しあってるっていう。
野田氏が、「女の子の裸は恥ずかしくて描けない」って仰るのが印象的で。ああ先生、理知的だ……女性の性的な搾取をしない、て、青年漫画誌では貴重だ……
お銀のヌードもやる気なかったしなあ。ソフィアなら描けるのか……
*3

*1:ヴァシリの元ネタは『スターリングラード』でジュード・ロウ演じる狙撃手ヴァシリー・ザイツェフらしいので、ヴァシリのモデルもジュード・ロウかも知れない。彼がもーそれこそ絵に描いたような、マネキンのような美形ですしね。

*2:パリの美術学校行くはずが、親友に騙されて軍隊放り込まれて、その上陰謀に巻き込まれてサハリンの国境警備隊なんて僻地に飛ばされたんだったりしませんかね。

*3:昭和時代からのオタクとしては、この作品のジェンダー観やその他価値観はすごーく21世紀的だと思うし、逆に、昭和のサブカルがポリティカルにどれだけアカンかったかと、気付かされる。