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日々是々

金神21巻の感想 ゴールデンカムイ

表紙の谷垣+チカパシは予想通り。リュウが来なかったー

にしても、アットゥシの目の描込みスゴイ……

目次。

第201話『あばよロシア』

扉のチビキャラ達カワイイ、んだけど、右眼のある尾形の絵は切ない……
連載時と比べて、谷垣・鯉登・尾形の得物が描き足されてる。

お婆ちゃんの口噛み団子、
うーむ、美味しいのか……どうやら中毒性があるようだ……
唾液で澱粉を糖化させるのかな。糖類の貴重な地域では、甘味は得難いだろうな。

鯉登の疑念。

第159話のカラー扉で、鯉登に「崇拝」って語句が当てられてるのがずっと気になってて。*1
「崇拝」とは、「自分に足りないものを相手に見いだして憧れる感情」だという。
鯉登は、鶴見の中の何に憧れてるのだろう?

尾形は、忠誠に値しない人物を崇拝してる鯉登を嘲ってるようでもあるんだけど、
鯉登に、拉致事件の真相、というか鶴見の正体を教えたかったのだろうか? 鶴見が忠誠に値しない人物だと。

今回が鯉登の忠誠の終わりの始まりで、その切掛が尾形の言葉なのだとしたら、ひどく象徴的だ。
鯉登が鶴見に心酔する一端も、拉致事件にあって、それも尾形が直に関わってるんだから。
尾形、メインストーリーの金塊探しだの革命だのにはちっとも関心示さないくせに、他のキャラ達の心に深い傷を与えてドラマを引っかき回す、トリックスターだ。

静香の街。

……杉元、味噌のこと「出た」とか言わない!
これあくまで、杉元が妄想するアシリパさんの言葉だからね?

突然狙撃される一行。
鯉登、戦場経験ない割にすごく冷静だ。
基本的な戦術は一通り知ってる模様。
指揮官らしく振る舞ってる。
この旅の間に確実に成長してる。

やっぱり手鏡持ち歩くのは男子の嗜み。

「尾形がもう戻ってきた」
谷垣も月島も杉元も、尾形に撃たれてるので、狙撃手尾形に対しては本能的な恐怖があるのだろう。

相互安全保障って考え。
通常、人は、見知らぬ他人にいきなり暴力を振われないことを大前提にして日常を暮らしてる。
「私はあなたを害するつもりはないので、あなたも私を害しないで下さい」という無言の契約がお互いにあって、それが社会を成り立たせてる。*2
その暗黙の了解事項を一方的に破られてしまうと、人間社会そのものへの不信と不安が募って、実際の被害の大小に関わらず、非常な恐怖を伴い、PTSDをも引き起こす。
体験記を読むと、戦場でも、ゲリラ戦など、敵の姿が見えないところでいきなり襲われると、目の前の敵と対峙したときとは別の恐怖があるという。
だから長距離狙撃手なんて、怖れられるし嫌われるわけで。

だけど、今回ばかりは尾形、濡れ衣。

おおお、ヴァシリ!*3

ヴァシリの初登場が2018年6月7日発売号の第161話「カムイ レンカイネ」だったのですよ。
単行本では16巻。2018年12月19日発売だったので1年3ヶ月ぶり。

ヴァシリ、国境の向こうからずっと一行を追って来たとは思えない。
それならもっと以前に襲撃するチャンスあった。
なにか別の目的があってヴァシリは静香にいて、たまたま、白石やアシリパさんを見掛けたので襲撃したようだ。

第202話『狙撃手の悪夢』

狙撃手が、でなくて、狙撃手にとって、悪夢なのね。
ちなみにほぼ1年前・40話前の第162話は、「狙撃手の条件」ってタイトルでした。

襲撃に膠着状態の一行。
杉元、襲撃のこと気付いたのか。
鯉登「尾形が杉元を見落とすなんて」って、このへん、ちゃんと尾形の力量を把握してるあたり、将校らしい。

白石、基本、動物に好かれるようだ。
からしょっちゅう囓られるし。
脱獄のときも動物を利用したりする。

月島と杉元、お互い、言葉も交してないのに、連携作戦。
ああこういうことってあるよねー
相手の力量信頼し合ってると、意思の疎通がなくても連携組めるものなんだよねー*4

強敵の乱入を察知した、ヴァシリ。
スナイパーだけあって感覚が鋭い。

ヴァシリと杉元の白兵戦!
ヴァシリが、むちゃくちゃカワイイ!
ヴァシリ、尾形と狙撃手対決なんてしてたときは30代にも思えたのに、再登場したら、20代どころか10代にも見える……たぶんおデコ隠したせい。

美少年が必死の形相で逃げ回ってる絵とか、私のツボにクリティカルヒットですわよ。
このへん、冷静さが足りないあたり、尾形に負けたんだろうけど。

で、尾形の似顔絵とか……

ヴァシリ、遠くからしか尾形見てないのに、ヒゲや傷痕まではっきりと描いてる……観察力すごい。まるで画家だ。
ああ、尾形、「個性的な美形」*5だから、印象に残ってたのか……

尾形に比べると、ヴァシリってフツーの人だ。根に持ってるし恐怖を感じてるし。
ヴァシリの凡庸さを見ると、やっぱ、尾形って怪物なんだ、って思っちゃう。
実は杉元も、尾形に匹敵するくらいの怪物で、少なくとも杉元本人はそう思ってしまっているから、尾形を同族嫌悪してる。
杉元「尾形…俺の手でカタを付けてやる!!」 て、執着するのは、自分の中の怪物を尾形に投影して、それを殺せば、戦場から日常へ帰って来られるって無意識に信じてるんだよね。
殺し合いという性行為*6を最も体現するのが尾形と杉元なのだとしたら、この二人の殺し合いは自慰行為――文字通り自分を慰める行為じゃん。

ただでさえ恋愛や性愛の要素の薄い、ゴールデンカムイってマンガだけど、とりわけ尾形に関しては愛に類する感情もドラマもいっさいないのが、心地良いくらいで。
尾形頂点として、彼を殺したがってる二人が三角関係の修羅場とか……ナニコレ。
殺伐系尾形ファンとしてはこういうドラマにこそ燃えるのですよ!*7

谷垣「尾形なら狙いはアシリパだ」
……ってのも、実はよく分らない。
何故に尾形はアシリパさんを殺したがってるのか、あるいは、なぜ谷垣はそう思ってるのか?

もしかすると、尾形の真の目的は、誰にも金塊を渡さないことなのかも知れない。
特に鶴見。
だから、そのキーとなるアシリパさんも殺そうとする、或はキーワードを奪おうとした。

もしかすると、金塊を奪い合う・あるいはそれを手に入れた後の内戦や武装蜂起の殺し合いをひそかに憂いはじめてるアシリパさんと、同じ結論なのではなかろか?
金塊自体を闇に葬りたい。*8

もし、そこで、尾形とアシリパさんの意志が共通してるのだとしたら、杉元、どーするよ?
アシリパさんを死なさないで金塊も葬るには、刺青人皮を出来るだけ手に入れて、焼却するなりすることになるんだけど。
その場合にしても、アシリパさんの願いを叶えようとするなら、自分も金塊を諦めなければいけなくなる。もし見つかってしまえば、隠しておくことは出来ない。

誰も死なせたくないアシリパさんと、誰にでも殺意を向ける尾形は対になってる。主人公である杉元を挟んで。
ただし尾形の殺意は、憎しみとは別のところから沸いてる気がする。

金塊探しのストーリーよりももうちょっとメタなレベルで、尾形の目的は、常に、皆の希望を砕くことなのかも知れない。
勇作さん、花沢中将、ウイルク、アシリパさん。尾形は、皆が夢や希望を託そうとする人々を殺す/殺そうとする。
それに金塊。
彼は、アナーキストであり、偶像破壊者だ。鶴見がいったように自身が軍神の息子としての偶像となることも拒否する。*9
大きな物語の悪役というに相応しい。すると主人公杉元にとってのラスボスは尾形ってことになる。

って、今回の主役は尾形だった。
本人は全く登場しないのに!

第203話『似顔絵』

冒頭の馬、乗せすぎぃ。
すごいw

で、ヴァシリ、1年の間になにがあったの……
いや、作中では数ヶ月なんだけど。
名前も詳細も知らない、ただ遠くから見つめ合っただけの相手を想い続けて、ひたすら絵を描きまくるって、なんて一途なんだ、ヴァシリ。夢男子になってるよ……
これはもう恋といっていいんじゃないか。*10

やたら絵の巧いヴァシリに比べて、杉元……杉元、もしかして、目が悪いのかも? だから射撃も下手? 乱視なのかも知れないね?
自分の額の傷見せればいいのに。

唐突な蜘蛛の絵は、もしかして、スパイダーマンコラボ?

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杉元「アシリパさんを見ていると」 杉元も、結局は、アシリパさん本人ではなく、自分の存在理由としてアシリパさんを必要としてる。自分の希望、善心をアシリパさんに投影してる。
ローティーンの少女に縋らないと生きられない、ってのが、杉元の一番の弱さ。
この台詞、連載時より長く、説明的になった。

それを立ち聞きしたアシリパさん、戸惑ってるよね。
相棒が、彼女ではなく自身の幻影を見てるのだと。
杉元が思い描く綺麗な世界を綺麗なままにしておきたいと、アシリパさんもまた苦悩することに。

とはいえ、杉元はアシリパさんのために最善を尽くしたい、全てを捧げてもいいくらいに思ってる。
性愛を抜きにして、アシリパさんは最愛の人なのは確か。
ヴァシリから尾形への一方的な恋心とは対称的だ。

お絵描き遊びに興じる杉元とヴァシリ、幼稚園児か。
一行のあと付いてくるなんて、子犬か。
ゴールデンカムイ、ハイティーンのキャラがいないので、新鮮だ。(少なくとも20代のはずだけど)

橇の上での杉元とアシリパさんの会話、なんだか、読者の疑問とその回答を代弁してるみたいだ。
質問箱出張版のように。

杉元「引っ掻き回して遊んでるだけかもしれねえな」
なんとなくそれは感じる。刹那的な猫男にはそれがいちばんしっくりくる。
尾形には実はなんの行動原理も設定されてなくて、その場その場で皆の希望を砕いて、トリックスターとしてストーリーを面白い――他の登場人物たちにとっては更なる試練になる――ほうに転がしてるだけにも見える。

道を横切る山猫、なんだか尾形の顔に見えるんだが……? 印刷でもデジタルでも潰れててハッキリ見えないんだけど。

……って、やっぱり、今回も登場しないのに尾形が話題の中心になってるっていう。
パーティ組んでたときは、物静かに控えてて仲間と絡むことも少なかったのに、いなくなった途端に皆が気にし出すなんて。
彼がいなくても、他のキャラたちに彼のことを語らせておけば、ファンが満足すると思ってるのかよう。

そうなんだけどさ。

一方。

ソフィアが日本に渡るって、金塊を得るためだよね??
大陸の仲間たちは、アイヌ少数民族ではなくて、革命勢力じゃないのか。

岩息舞治さん再び参上。*11
彼と互角に戦っちゃう、ソフィアさん、スゲエ……
岩息、本気になると瞳孔が縮んで目を見開くのか。
イイ顔しやがるw
そして、声がいちいちオカシイwww

岩息「世界は広い!!」っていう岩息、カメラ目線がイイwwww

スヴェトラーナも、ただの田舎娘でなくて、野心家で血の気が多いんだった。強盗の片割れだし。

ソフィアの語る「希望」ってのは、金塊のことなのか、アシリパさんなのか。
復讐といっても、ウイルクを殺したのはキロランケと尾形で、キロは死んでるし、尾形は行方不明だし。
たぶんキロランケは、ウイルクの死について、真相を話してないだろう。鶴見のせいにしてるんでは。
そしてキロランケを殺したのは、鶴見の部下達なので、ソフィアの復讐の相手は鶴見なんだろう。
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( ゚∀゚)o彡゚

第204話『残したいもの』

そういや鯉登、いちおう、この隊のリーダーなんだ。
豊原の町で自由行動。
エノノカのコタンは大泊の近郊。豊原~大泊、ほぼ直線で40キロ程度の距離なんですね。

アシリパさんって、肉食系女子
野生動物見ると、取敢えず捕えて喰うっていう。
ヒグマやクズリすら襲う、獰猛なイキモノ……

火の儀式、面白い。
和人にも切り火ってあるし。
アシリパさんも、ちゃっかりご都合主義で、火の儀式は大切にするけど、魔除けの入墨とかは嫌うし、そもそも女が狩猟したりするのはアイヌでは御法度なんじゃ?

杉元たちを監視する月島。……と、ヴァシリ。
月島、鯉登の監視はいいのか。鯉登、一人にしといたら、どこでなにしでかすかわからんのでは。
寒いとかいって宿から出ないのか。

杉元たちに近づくナゾの撮影隊。

彼らの目的ってなんだろう。
単なるオリエンタリズム、世界の奇習、異民族を撮影したいだけなのか、文化人類学の方面から「真面目に」学術的に記録したいのか。
人類学て学問も、西洋はじめ「文明国」からの差別意識に由来してる、て、経緯がある。
先住民の墓をあばき、頭蓋骨の計測して、人種のルーツを辿ろうとしたり。(→大学が保管するアイヌ遺骨の返還について:文部科学省
人類学自体は大事な学問だと思うけど、その研究の過程は、今となっては問題があるし、当時はそれが問題視されなかったこと自体が問題でもあるし、科学の黒歴史の一つだねえ。
結局は、分子人類学って遺伝子から人類のルーツを辿るって分野では、人類は全体としては混淆が進んでて、はっきりと区別できる人種なんか存在しないとも。
(このへんの、アカデミーの功罪についても書かれる。)

アイヌ民族否定論に抗する

アイヌ民族否定論に抗する

  • 発売日: 2015/01/27
  • メディア: 単行本

ゴールデンカムイ』って作品全体の流れとして、網走篇までの前半が、黄金って物質的な価値を求める話、樺太篇以降は、精神的な価値を求める話だと思ってるんだけど。ウイルクやキロランケって、チカラに訴えようとした者達の死が、それを象徴してるのではないだろか?
物質的、即物的な価値から、精神的な価値への転換って、宗教改革の典型じゃん。
だからこそ、アシリパさんが、「新しいアイヌの女」なんだ。
彼女は、生活や肉体に関わる伝統は重視しないで合理的に考える。
その一方で民族の精神、文化は残したい。自分たちの存在した証だから。

人間の生身や日常は、どんどん変化してく。成長や老化もするし、あるいは、便利な道具を使うようになったり、異文化と交流したりして。
だから、文化は徐々に変遷してくもの。
その一方で、メディアに記録されたものは変化しない。
ジレルが記録したアイヌの動画*12や、ピウスツキ*13が録音した言葉は、記録された本人たちも、その言葉を母語とする人々が死んでも、メディアの中に残る。
「抗する」で語られてる、ピウスツキの蝋管を「死者の声」と呼んだアイヌの古老は、本質を突いてる。


養老孟司が「情報の本質は不変であること」て書いてて、目からウロコだった。物質はいくらカタチが変わっても同じ。だけど情報は、少しでも変化したら、それは別の情報になってしまう。
「弔いの文化史」*14ん中で、ある地方の、死んだ子供の人形や絵馬を作って寺に納める風習が紹介されてたけど、写真ではダメだと。絵や人形の子供は死後もあの世で成長していずれ結婚したりするけど、写真は永遠にそのまま、て考えがあるそうで。*15 写真があまりに本人の姿そのままだから、てことなんだろう。絵や人形は本人にそっくりではなくて、ただ遺族が死児を思い出すきっかけでしかない、だんだん記憶も薄れてくし、その課程で子供があの世で成長して老いていずれ死んでゆく、てことを想像出来る。
手塚治虫がロボットと人間の最大の違いとして、ロボットは成長しないって挙げたのと通じる。アトムは、トビオの似姿をロボットにコピーしただけで、トビオの肉体ではないから、本物のトビオのように成長したりしない。それが天馬博士には耐えられなかった。アトムはトビオの遺影でしかない。
それが、生者の脳に残された記憶と、メディアに固定された記録との違い。

キロランケが、少数民族の文化が帝国に呑まれてしまうって危惧してるのは、政治の話だけではなくて*16、変遷していく文化の話。
少数民族て言っても、マッチや銃使ったり、キロやウイルクも若い時は洋服着てるし、日常の便利さ、生活を無視してまで、伝統に固執するのは難しい。
和人だって、明治時代の生活そのままの人はほとんどいない。どころか50年前だって怪しい。

民俗学博物館のアイヌ展のパンフ*17あるけど。写真にある、何十年も前の古びた物は物質の変化てものを考えさせられる。
アシリパさんたちが使ってたころは、もっと新品だったはずなのに。
カタチある物は経年劣化を免れない。
だからこそ、アシリパさんは、メディアに残そうと思い立つ。

そのほか参考。

第205話『シネマトグラフ』

冒頭、月島と杉元がやたら説明っぽいのは、これ、読者に向けて、目下彼らがどう考えてるか、って説明に思える。
それが客観的真実かどうかは別として。どうせこの作品、神の視点で全てを俯瞰してる存在はいないし。

というか。
キロランケ、アシリパさんへの末期の台詞、日本語で言ったの……アイヌ語でなくて……月島、もしかするとアイヌ語わかるのかもだけどっ?

杉元「鶴見中尉にはまだ会ったことは無いはずだが」
もしかすると会ってるのかもよ?
ウイルク、北海道に来てから、鶴見と会ってる可能性がないとも言えず。
幼いアシリパさんも一緒に。
当時はまだ鶴見の負傷前だから、長谷川さん=鶴見と気づいたかもよ?
ウイルクが何故、やってもいないアイヌ殺しの罪を被って収監されたのか、顔を失った経緯はなにか? この辺も未だに大きな謎。

杉元「あんな男に」……て、月島、言い返さないのかw
鶴見が「あんな男」だとわかりきってるけど、月島はついていくことにしたから。

謎の撮影隊、稲葉勝太郎ジュレール君というらしい。
史実では、稲畑勝太郎とコンスタン・ジレル。*18……ジレルなのかジュレールなのか、フランス語の発音どっちが近いのかよくわかんない。

ここで引用されてるのは、まさに、ジレルの撮影した映像。


Auguste & Louis Lumière: Les Aïnos à Yeso - I (1897)

アシリパ「声は写真と一緒に残せないのか…」
トーキーの発明はもっと後……
ピウスツキの録音した蝋管も残ってるし、知里真志保のように書き言葉で残すって手もあるんだけど。

アシリパ「言葉が違うひとたちにも伝わるはずだ!!」
少数民族であるがゆえの艱難というか。
一方で、アシリパさんは、父の暗号って、ごく限られた相手にだけメッセージを伝えようとするメディアも解読しなくちゃいけない。
映像→言語→暗号って順に、メディアの符号化の度合いが進んでく。

そして何故か、アシリパ坐の結成www
黒澤明かな……
帽子に黒眼鏡にディレクターズチェアって、どこから持って来たのよ!?*19 口角泡を飛ばすアシリパさん。

ヤケにノリノリな、杉元&鯉登。
冷めてる月島。
杉元、帽子はそのままでいいのか。
鯉登はなぜ女役にこだわる。

ところで、当時、フィルム、かなり高価だったんでは。
スポンサーは鯉登なのかなあ。
主役にしてやるって言えば、嬉々としてカネ出しそうだ。

(たゆんたゆんにはツッコまないぞ……!)

ヴァシリがシラッと参加してるし!
しかも美術さん。
この松前城、どーにもどっかでみたような。

ja.wikipedia.org

ヴァシリ、手にしてるその写真どこで手に入れたのよ!?
金神の時代は、まだ、昔の天守閣が残ってたようだ。現在の資料館は、昔の天守閣の外見だけ、忠実に再現したものらしい。

「チンポ」の語の登場回数、今回が最多記録じゃないだろか。

「パナンペ・ペナンペ物語はほぼすべて下ネタである」
そうだったのかー!
このキャプションは単行本追加。

なんでアシリパさん、わざわざその下ネタばかり選んだの?

ジレルの(現存の)映像のように、アイヌたちの躍りを映像記録として残すのではなくて、脚本書いて監督してアイヌではない彼らに演技させて、って、映画作品として記録しようとしてる。
それが創作であることを大前提にしてるわけ。

アシリパさんがその名前を知らないとしても、念頭にあったのはメリエスのような映画かも知れない。(→ジョルジュ・メリエス - Wikipedia
エイゼンシュテインやグリフィスよりは前……映画がまだ舞台の芝居や奇術の延長だった時代。

「斑文鳥の身の上話」、ちょうど、チカパシの身上と一致してるんだ。
チンポネタ二連荘の後に、こういう話持ってくるのずるいー

末っ子が主人公っていうのは、末子相続の風習*20の名残なんだろか。
アイヌも末子相続が主だそうで。

第206話『二人の距離』

当時はサイレントでモノクロなんだよなあ、とつくづく。
ズームとかクローズアップとかの技法があったのかどうか。

アシリパさんの母、初登場!
アシリパさんも成長するとこんな容姿になるのか。
よく見ると、口の周りに入墨してる。
彼女のチョーカーはアシリパさんが継いでる。

ウイルクがのっぺら坊として逮捕収監されたのは日露戦争前なので、彼は出征してない。
というか、ウイルクは、のっぺら坊に殺されたことになってるんだっけ。

フィルムの火事。
ここは Nuovo Cinema Paradiso ?*21
私が中学生のころ。体育館で映画の上映会がありまして。当時は、学校行事の一環で、体育館なんかで映画を上映したのですよ。途中で、画面が突然止まったかと思うと、真ん中に黒い点が現れて、それが徐々に広がって、って……
すぐに消されて火事にもならなかったけど、フィルムって燃えるんだー、と思った次第。
映画の内容なんかどうでもよくなった。

アシリパ「私はもう無関係ではいられない」
杉元「戦うのはアシリパさんじゃ無くたっていいはずだ」
民族主義に目覚めちゃったアシリパさん。
対して杉元はあくまで彼女の魂を守ろうとする。
もし、彼女が武力闘争に走ろうとするなら、なんのために、杉元はあれほど憎んだ尾形の命を助けたのか、ってことになるしね?

杉元とアシリパさんの「ふたりの距離」。

2人の意見の相違は最初からずっと出てくる。

杉元「捕まってもっと酷い目にあって殺されるかもしれない」
アシリパ「私がお荷物だと言いたいんだろう」
(3巻20話「喰い違い」)

杉元は精神的にはアシリパさんに頼りながら、同時に、彼女をか弱い存在としてずーっと措いてる。
で、どっちもどっちの意見に合わせようとしない。二人ともに主人公として独立してる。

アシリパ「熊や鹿を追いかけてヒンナヒンナして暮らせと
いうのか?」

杉元「アシリパさんには山で鹿を獲って ヒンナヒンナしていて欲しいんだよ」
(136話「最後の侍」)
尾形「故郷の山で鹿を獲って自由に生きていけばいい」
(185話「再会」)

3人揃って同じこといってる。
アシリパさんの台詞は、尾形の台詞を繰返したのかも知れない。
尾形とアシリパさんは、この作品全体で最も理性的なキャラの双璧として描かれてる。
尾形は利己的な合理主義、アシリパさんは倫理、って、理性の二面性をそれぞれ象徴してる。
それは、主人公である杉元の頭の中の二面性。

ウイルクも、キロランケも、革命や民族運動って大義に懸命すぎて、アシリパさん本人の自由意志を認めてなかった。
彼らにとっては、小娘の意志を思いやるなんてことは、大義のためには「間違った情けや優しさ」であり、弱さだった。
ウイルクは、アシリパさんそっくりのキラキラお目々に騙されそうになるけど中身は鶴見に近いマキャベリストだし、キロランケは彼のフォロワーだし。
アシリパさんと、アチャ=ウイルクとの間にも、「ふたりの距離」

ただし、キロランケが末期*22に言った、「俺たちのために」の「俺たち」がちょーっと気になってる。
キロランケは、のっぺら坊=ウイルクと確認してから殺させた。ウイルクがのっぺら坊でなかったとしたら、ウイルクは5年前にのっぺら坊に殺されてたことになる。どのみち、キロランケにとって、ウイルクは死ななければいけなかった。
「俺たち」の指す範囲が、キロランケとウイルクでは違ってきて、それがふたりの距離を生んだ。
キロのウイルクへの感情は、もしかすると鯉登から鶴見への崇拝に近いのかも知れない。自分に足りない冷徹さを理想と見てウイルクを崇拝してたのだろうし、なにか決定的な出来事でその理想が崩れて離叛したのかもね。解釈違いってやつ。

アシリパさんと杉元、アシリパさんとウイルク、ウイルクとキロランケ、って、親しいはずの間には決定的な乖離があるのに、杉元と尾形って仇敵同士の意見が一致しちゃってる、って皮肉。

そして、前々から気になってた点。

杉元「それはアシリパさんじゃなくたっていいじゃないか」

杉元「でもそれはあの子じゃなくたっていいだろう?」
(136話「最後の侍」)
尾形「お前がそんな重荷を背負うことはない」
(185話「再会」)

この件でも、杉元と尾形、同じ事いう。
尾形は単に暗号の鍵を訊き出したくて言いくるめようとしてるんだけど。
杉元もまた、正直じゃない。……と思うと。

アシリパさんをこの金塊争奪戦から解放するんだ
……って、それ、あくまで杉元の願望よね?
アシリパさん自身の意志は確かめてない。
どころか嘘吐いてまで、アシリパさんを、可憐な少数民族の少女のままでいさせようとしてる。
金神192「契約更新」感想 ゴールデンカムイ - day * day

アシリパ「杉元お前は自分を救いたいんじゃないのか?」
杉元からヴァシリへの言葉、と言ってもヴァシリは日本語わからないだろうから、つまりは杉元の独白だけど、アシリパさんにしっかり聞かれてた。

杉元「確かにそれもある」
これ言えるのスゴいな、杉元。
杉元も、アシリパさんに希望を背負わせてたと認めちゃった。
杉元には大義なんてどうでもいい、あくまで個人的な希望でしかない。
以前、杉元がのっぺら坊の最後の言葉をアシリパさんに伝えられなかったのは、新約聖書にある「ペテロの否認」を思い出させて、杉元の弱さを象徴してるように思ったのだけど、
その弱さを自ら認めた杉元は、強い。

杉元「俺はアシリパさんにこの金塊争奪戦から下りてほしい」
杉元「知ってからではもう遅いから」

地獄に堕ちるから人を殺したくない、と彼女はいうけど、この地獄って、死後のことだけじゃなくて、現実で人々が殺し合うこと、それが人々に与える精神的負担を指すわけで。
金神196「モス」感想 ゴールデンカムイ - day * day

アシリパさん、映像記録でもダメだと絶望して、やっぱり武力で、て考え出しちゃう、危うさ。

杉元「「戦って守るしかないのだ」という選択肢へ追い込んでしまった」
ウイルクもキロランケもマルチリンガルで、ウイルクは暗号に漢字使ってるくらいだからたぶん日本語の読み書きも出来た、なのに、アシリパさんには教えようとしなかった。
それって、武力闘争に選択肢しか与えないためなのか?

でも、文化を出来るだけ多くの人・遠くの時代に伝えようとするなら、言葉、特に、文字による書き言葉こそが最善の方法だと、気付けばいいんだけどなあ。

第207話『塹壕から見えた月』

鶴見が有古に見せてる刺青人皮は贋物だ。少なくとも「母」と書いてある1枚は。
江渡貝くんの作った贋作は6枚、うち2枚は土方の元にある。
鶴見が持つ江渡貝作のは4枚、有古が盗み出したのは6枚なので、少なくとも2枚は本物なの?
だけど「刃」も「罪」も、既出の本物・贋物どちらにも見当たらない。

鶴見「一枚でも欠けたら」……いや、それも充分に予測して、冗長性たっぷり持たせてるはずだと思うけど。
夕張とか、後藤とか、危なかった……岩息だって樺太行っちゃったし。

ちなみに、鶴見が持ってる本物は、コピーも含めて13枚のはず。
(後藤、尾形に殺されたチンピラ、白石C、津山、二瓶、辺見、家永、若山、夕張、鈴川、坂本、姉畑、都丹C……岩息のコピーは杉元が持ってるって言ってたけどどうせ鶴見に回収される)

サブタイトルが。
〝見えた月〟なんだ。「二人で見た月」などでなく。
主体はあくまで月にある。
塹壕の底に見捨てられた二人を、月だけが見下ろしている。
この月は、鶴見を暗示してるのだろう。

菊田にとっては鶴見が中心であるらしい。
月なんて心変わりの代名詞みたいなものなのに、菊田は月を不変という。

この月は新月の直前、旧暦30日、晦日の月。
奉天会戦の最中で旧晦日なら、塹壕のシーンは、1905年3月5日(日)(旧1月30日)(→旧暦カレンダー(1905年3月)| アラクネ)ということになる。*23

晦日新月の前夜の月は、日の出よりちょっと前、早朝に昇る。
だから、「一晩中月を見ていた」のではなく、月が見えたことで、朝が近い、一晩生き延びたことを知った。

奉天(現瀋陽)のデータが見つからないので近い緯度の函館を調べて見ると、
1905年3月5日、月の出は05:31:55、日の出は07:16:14。*24
奉天の現地時間がわからないけど、とにかく、日の出の1時間45分前に月が出ることに。
塹壕の底から見上げたのなら結構、月は高いし、晦日の月だと「真っ暗」と言えるかどうか、微妙。
現代パートでもだいぶ景色は明るくなってるし。
というか、原作の絵だと、月の真横に太陽が来ることになって、夜じゃないよな。
もっと、月の光る部分は下を向いてるはず。*25

月の円弧を弓に喩えるなら、その弓は太陽を狙っている。*26
今まさに昇ろうとする太陽を、射ようと待ち構えている月、なんて、意味深だ。

菊田と都丹のバトルが月齢10日前後(キロランケの死んだのも同じ頃らしい)として、それから20日ばかり経ってるようだ。

風呂といえば恒例オヤクソクの、全裸メールヌード(カメラ目線)。
とうとう鶴見と鯉登パパが脱いだ!

誰得。
――あ、宇佐美が出歯亀してるな。
ウサ得だった。

宇佐美、変態通り越して変質者になってく……
精神的に鶴見に囚われてる鯉登や月島に対して、宇佐美や二階堂は肉欲で執着してるのが可笑しい。

有古の危機。

ほらーやっぱり都丹庵二、生きてるじゃんー*27

有古、都丹の追跡をする前までは、囚人のことも刺青のこともほとんど知らなかったんだから、都丹を回収した後に話を聞かされて、土方につくことにしたようだ。
とすると、アイヌの入れ墨との類似はブラフなのかな?
重要なヒントをわざわざ教えるとも思えないし。

七人のアイヌ殺害事件は、(杉元とアシリパさんの出会いから)5年前とされてるし、とすると1902年、八甲田山事件のあった年、音之進拉致監禁事件も同じ年と推測できる。
有古は当時はまだ軍に入隊してなかった。
父の死に軍人が関わってると考えて、それを探るために軍に入ったのか、あるいは単に徴兵されただけなのか。

菊田「残念だよ」
っていうけどさ。
有古が「なんとしてでも父の殺された真相を知りたい・カタキを討ちたい」と思うのは充分に納得できるので、そのために自分たちを裏切った有古を、菊田が残念がるってのもちょっと不思議。
菊田にしてみれば、父親や一族って血のつながりよりも、生死を共にした戦友や鶴見への忠誠といった軍隊組織の価値観のほうが、重要であるらしい。
菊田も、父や肉親への鬱屈を抱えてて、それを鶴見に衝かれてたらし込まれたのかもね?

基本的に、当時の戦闘は昼間だけ(戦場全体を照らす照明ないし、暗視装置もないから、砲撃の照準もできない)なので、菊田と有古は昼間の砲撃から、晦日の月が昇る夜明直前まで放置されてたことになる。
菊田と有古、菊田が残念がるほど、強い結びつきがあったのか、少なくとも菊田は強く感じてたけど、有古にとっては、父の横死への感情を消すほどには、強い絆ではなかった。
菊田は、鶴見への永遠の忠誠を、有古と共有していたと思っていたのに。
有古にはそんな忠誠心より一族のほうが大事。

この辺から、鶴見が化け物のように描かれる描写が増えてくる。襖の陰から現れる鶴見が怪物じみてて。
宇佐美、なんでそこで噛み付くのよ?? 青筋立てちゃって。
こいつもまた人間離れしてきた。

第208話『限りなく黒に近い灰色』

謎の刺青人皮、関谷だった。
彼の刺青が今まで出てこなかったのは、この流れのための伏線だったのか。

鶴見が有古の一族をみんな把握してたのは、軍では徴兵のときに徹底して身元調査するため。
恐らく部下に有古の実家を監視させてるだろうし、有古はそれを知らなかった。

鶴見「皮であることが本物の証となる」
鶴見「この写しの信用は途端に低くなるはずだ」

うーん、逆に、手持ちの本物を全て紙にコピーしたうえで、オリジナルを焼却したらどうだろう? それから「オリジナルは失われた」という情報を広める。
コピーがあれば本物は不要であるらしい。目に見えるパターン以上に隠された情報はない(不可視インクで描かれた隠しパターンがあるとか、さ?)ようだし。
刺青の脱獄囚は全部で24人、「刺青」のパターンの書かれた紙が100枚くらいあって、うち24枚だけ本物のパターンってなったら、見分け方知らない限り、本物を当てることは出来ない。

おひさしぶりの江渡貝くん。
なんですかその最新ファッションはwwww
鶴見の脳内で江渡貝くんのセンスがオーバーヒートしてるんですか。

鶴見「あいつは偽物の存在すら知らん」 ――ああ、尾形も土方も杉元も皆、偽物の存在を知ってるってこと、鶴見は知らないのか。
虚々実々だ。

前回が、土方組の計略を鶴見が見抜く、今回は鶴見の計略を土方が見抜く、って、シーソーゲーム。
鶴見が用意したトリック、二重スパイと偽人皮は、土方にはまるっとお見通し。
今のところ、頭脳戦では土方の一歩リード。このへんきっと年の功。
土方が偽物を全て手に入れたことを、鶴見も土方も肯定的に考えてる。
狡猾だ……

土方「この5枚と~計算が合う」
合ってない!!
稲妻蝮篇のオトリの1枚はどうしたんだ。

鶴見の命令で有古殴る宇佐美、嬉しそうでw
血に興奮するタイプらしい。*28

鶴見「土方歳三たちは我々を差し置いて暗号を解きかねない」
ってどうせ、14枚は鶴見の手元にあるんだし、解法わかっても解けない。

ところでもしかして、作者氏、村上龍、お好きなんだろうか?「リュウ」って、『限りなく透明に近いブルー*29の主人公の名前でもあるし? 村上龍が好きだと言われても全然、意外でもない。少なくとも、村上春樹よりか村上龍だよね。

第209話『ケソラプ』

登別の鶴見たちのサスペンスが続いたので、チカパシの物語に癒やされるw

うーん、そろそろ長いストーリーの終盤で、キャラの整理整頓かなあ。

ユカラをまんまなぞるような、チカパシの物語。
彼は登場からして、なにか因縁めいてるみたい。
チカパシについて - 野田サトルのブログ
8巻74話から辿ってきたチカパシの物語の、谷垣との分岐点。

作中ではごく短い時間なんだ。台詞も多く、じっくりとドラマ描いてる。
チカパシと谷垣が主役なので、他の人たちが完全にモブになってるし。
アシリパさんですら台詞が一箇所だけっていう。

ソリから落ちたチカパシがエノノカたちを見る、この逡巡に2ページも費やしてる!
P157でチカパシはソリの一行を背にしてエノノカたちを見てるのに、P158の大ゴマ、ここではもうソリの一行を振向いてる。

チカパシの心はとっくに決まってるんだけど、逡巡するのは、谷垣とインカラマッの“疑似家族”のせいだよね。
結局、彼に決断させるのは、エノノカと谷垣。
谷垣は兄貴分として。

チカパシ、見知らぬ土地に一人取残される……て思ったけど、いや、エノノカたちもチカパシも、同じアイヌでほぼ同じ言葉を話すんだっけ。*30
現代の私からするとサハリンって外国だけど、彼らにとっては広い範囲に住む同じ民族だもんね。

チカパシ「北海道戻っても 俺がいる場所無い…」
ゴールデンカムイ14巻第140話「アイヌの女の子」

銃が男根の暗喩なのはワカリヤスイ。
それでいて、マチズモにコダワラナイのがこの『ゴールデンカムイ』ってマンガ。
チカパシはある意味、二瓶の生まれ変わりみたいなもので。*31
あの村田銃、二瓶の息子→二瓶→谷垣って渡ってきて、そして今度はチカパシに。
リュウも一緒なんだ。
銃が生の肉体の象徴であるなら、リュウはチカパシの魂なのかもね。
最初はオオカミもヒグマもクズリを恐れていたのに、ちゃんと立ち向かうようになる。
そして猟犬と同時にソリ犬のリーダーになるなんて。

キロランケの業火のような情熱や、尾形の暗く冷やかな物語、鶴見の淀んですえた泥沼からすると、谷垣周辺の物語は明朗で爽やか過ぎる。

第210話『甘い嘘』

Лучше горькая правда, чем сладкая ложь.
(甘い嘘より苦い真実)

ってロシアの諺がある。

尾形本人は当分、登場しそうにないのに、なにかと話題になる男……
しかも描下ろしのカットまで込みで。
きっとファンサービスの一環なのね、と思うことにしよう。

「Барчонок」の後に続きがあったなんてっ。

いきなり満鉄が出てくる。
もしかして、鶴見には、環日本海経済圏の構想があるのかも?
樺太-北海道-新潟-朝鮮半島満州まで含めて。
当時、大陸から日本への交通路として、ウラジオストク敦賀が一番人気の径路だったというしね?*32
満鉄というと、甘粕正彦が真先に思い浮かぶんだけど、鶴見の元ネタの一人なんだろか?*33

8巻の冒頭、土方一味の座談会で、ふとこんな事を思ったのです。

もしかすると彼らの一部は満州にでも行くのかなあ、って気がヒソカにしてる。
金神8巻 感想 ゴールデンカムイ - day * day

ラストエンペラー愛新覚羅溥儀1906年生れ。このころは北京の紫禁城でコオロギと遊んでるかも知れない。
今後、世界史では、満州朝鮮半島をめぐって、日本・ロシア・中国が争奪戦を繰り広げることになる。

花沢幸次郎……ん、彼の死んだ時の肩書、結局、なんなんだろう。
って、「元第七師団長」ってなってる。これ本誌掲載時は「第七師団長」、がついてなかった。
日露戦争の時点で、参謀長って台詞の中にあった。*34
しかし103話に出てくるのは旭川の、おそらく師団長官舎。

月島の語ったのが真実とは限らない。
あくまで、月島が鯉登に喋っただけだ。
月島は、自分が知ってるのとは違うことを喋ったのかも知れないし、月島が知ってることが鶴見の本心とも限らないし。

月島「あなたたちは救われたじゃないですか」
といいつつ目が泳いでる月島。
……月島は救われなかったのか。

月島「尾形も満鉄と花沢閣下の関係まで知っていたとは」
むしろ、なんで知らないと思ってたんだろう? 単なる兵卒だから?
尾形もまた鶴見の工作員として暗躍してたんだし、単純に、鶴見は「父親を殺させてやる」だけで尾形を操れるとは考えてなかったろうし。

月島が語る、鶴見による花沢パパの謀殺の動機は満鉄の利権だと。
政権転覆といっても、鶴見は大日本帝国そのものをどうにかしようとは考えてないよね? 日露の間に自治領作りたいんじゃなくて?
……いや、帝政ロシアと組んで日本を占領しようとまで考えてるのかも知れないけど!?
あるいは、ロシアの革命組織や、ソフィアの一味とかね? 日本でも革命起こそうとしてるとか?(だったらキロランケと敵対する必要なかったよな)

月島「そうやって傷をほじくり返して枯れ果てたところに自分の愛情を注ぎ込む」
月島はまるで、暴力的な恋人と別れられないDV被害者みたいだ。
彼は、ごく平均的な良心を持ちながら、機能不全の家庭で育ったために、自己肯定感が低いし、「愛情に飢えてる」。その愛を満たしてくれる相手には隷従してしまう。

月島も鯉登も鶴見を裏切れない。
でも、全く別だ。

鯉登「鶴見中尉スゴ~~イ!!」

この後の本誌の展開ではっきりしたのは。
鯉登は、自尊心も自己肯定感も強い。
自分の正義をしっかりと持ってる。

鯉登「そんなに必要とされていたなんて嬉しいッ」
てはしゃぐ鯉登は、自分のプライドを疑ってもない。あくまで自分中心に解釈してる。
月島「憤るほどの価値など元々有りませんから、私の人生には」
って諦観しちゃう月島と対称的。

一方で、アシリパさんと杉元の会話もスリリング。
本誌掲載時より、杉元の嘘――卑怯さが強調されてる。
「大丈夫だよ」とか言ってみたり。
杉元もまた、無理やり、鶴見を信じてるつもりになって、アシリパさんを安心させようとしてる。
それは、アシリパさんのことを思って、ではあるんだけどそれってやっぱりアシリパさん本人じゃなくって彼女に投影した杉元の中の乙女だよね。

アシリパさんや鯉登にとっては「甘い嘘より苦い真実」。彼らは真実の苦味に耐えるだけの強さがある。

ところで……
月島「新潟の第2師団の人間が」のコマ。
兵士の肩章「2」てあるけど、正しくは「16」だよね?
肩章は連隊番号で、新潟の新発田聯隊は、第2師団16聯隊だし? 第2聯隊は第1師団佐倉聯隊。
ちなみに、15巻のときは、肩章描かれてない。*35
わざわざ描き足したコマなのに。
本誌でこうだったけど、単行本で直されてないのが以外……もしかしてこっちのほうが、実際の軍装に則してるの??

第211話 怒りのシライシ

え、211話まで収録、って、ビックリ。
いままでの単行本、概ね、話数末尾が1~0までの10話毎の収録だったのに。*36

白石と杉元の談判。
白石は常に本音イドの人。
白石の言葉って、これ、杉元自身の内心だよね。

月島と鯉登の、汚泥に首まで浸かったような対話と比べて、今回の杉元と白石の遣り取りは痛快だ。
鶴見に付くのが得策だと理解しようとしてても、心の底では信じてない杉元。
それをガンガン暴き立てる白石。
白石は、杉元のイドの部分を受持ってるんだよね。直感的、衝動的な自我。
彼の怒りは、本心を偽っている杉元が自身に向けてる怒り。

杉元「カネカネ 汚えんだよ」
というが、果してそうだろか?
杉元だって、自分を救いたいがために、アシリパさんに依存してるだけだ。

ひたすらカネを求めて、遊んで暮らしたい白石。
「金」が象徴するものは意味深だ。地上での価値、安楽、即物的な富。
その対極にいるのが、神を求めて殺人鬼になった関谷や、宇宙との融合を計った姉畑や、大義を掲げてテロリストになったウイルクやキロランケ。
作中の「凶悪犯」の多くが、信仰心にも似た動機で罪を犯す。彼らは罪悪感を、より高みへ昇るための痛み、情熱パッションにすり替える。
その挙句、凶悪犯として追われる。
大きな存在に対して幸せや救済を求めることは、実は自他ともに破滅をもたらす災厄のように描かれる。(本人は満足するのかも知れないが)
神とかなんとか崇高な目的よりも、浅ましくこの世の美や富を求めるほうがマシだと。*37
「美しいもの、美味しいものは、魂を卑しさから救ってくれる」といい、「時よ止まれ、お前は美しい」ですよ。*38
それは、尾形の勇作殺しにも繋がってるのかも知れない。
求めるべきは、ゴールドなのかカムイなのか。

杉元も、即物的に、金を求めていたうちは「ギラギラした狼」だったのに。
アシリパさんってピュアな小娘に依存して、日和ってしまった。

白石「恋人でも嫁でも娘でもねえのに…」
これだ!
多くの男性向け作品において、ヒロインの存在って、正に、恋人・嫁・娘(更には母も)って役割でしかない。
それって主人公男性の、優しく傷付きやすい乙女心を投影するための依代なんだよね――守りたいのは自分が守って欲しいから。

しかし。
白石「全部覚悟の上で」
と白石はいうけど、その覚悟というのがどれくらい深い沼なのか、杉元は身に染みてる。
杉元は、アシリパさんの意思を尊重したいけど、「覚悟」なんて勇ましい綺麗事で殺し合いをさせたくない。
尾形をも殺せなかったアシリパさんに、覚悟を強いることが出来るのか?
……これさ、大義だの権威だの信じない、守るものも持たないったら、尾形こそその典型なんだよね。
彼は徹底した無神論だし。
カネすら目的じゃあなく、スリルを味わうこと、獲物を仕留めることに至上の快を感じているんじゃないかって感じる。
彼はギラギラした山猫だ。窮地のどん詰まりで笑えるんだ、彼は。
スゲえ傍迷惑だけど!

鶴見との対面のシーン、うええええ……
本誌掲載時から大幅に改稿されてるっ。

鶴見の悪人ぶりが強調された。
谷垣はちっとも鶴見の悪辣さに気付いてないし。

鶴見「聯隊長でさえ把握してない地下室が存在する」
きっと鶴見が工作員として使ってたんだろな……監禁や拷問なんかに。
ちなみに、日露戦争で、将校もだいぶ死んで入れ替ったので、25聯隊の聯隊長もたぶん、戦前とは違う人。*39

P197からの6ページ、ほぼまるまる単行本の追加。

アシリパ「私を金塊探しに関わらせてアイヌのために使われるか
見届けさせるためだ」

え、そうだったん?
あくまでアシリパさんが想像したことだけど。

シラッと嘘を吐く鶴見。
横で宇佐美が白けた顔してるw 宇佐美は鶴見の悪辣さを知り抜いてるし、それに同調できちゃう。

アシリパさん、武力闘争以外の道を探ろうとしてることが明確に。
アシリパ「すべてのアイヌが戦いを望んでいるわけではない!!」

鶴見「お前が遺志を受け継ぐさ」
の台詞が意味深だ。
ウイルク=「狼」だし、アシリパさんが教わった彼のアイヌ名、暗号のキーワードが「horkew oskoni/狼に追いつく」であること踏まえると。
鶴見自身は知らないはずだけど、まるで、啓示のよう。
金塊=ウイルクの遺志だとすると、その金塊は呪われてる。

鶴見が感情を露わにするのは珍しい。月島がいうように。鶴見は「優しくない本心」を誤魔化そうと必死であるらしい。

理詰めで問い詰められてバグるのは、尾形・月島に続いて鶴見もだ。

ああ鶴見、オーバーヒートしちゃった……
冷却液漏れてるぅ。
正気どころか生命まで心配だ。

脳髄液、およそ130mlってあるけど、どう見てもそれ以上漏れてるように見える……(脳脊髄液 - 脳科学辞典

鶴見は、妻子の死について、ウイルクたちを恨んでいるのか。
本誌掲載時、「たしかに同じ目だ」*40って鶴見が言ったのは、古い知り合いの面影を彼女に見出して懐かしく思った、わけではなく、仇敵を思い出していたらしい。
でも、誰も、鶴見とウイルクとの間のことは知らない。

鶴見の人間らしさが強調されるようになった。
今まで、鶴見が得体の知れない化け物のように描かれてたのが、(物理的に)壊れた人間であるように見えてきた。彼の人間性は信用出来ないけど行動原理は、もしかして、すっごくわかりやすくて、妻子の復讐でしかないのかもよ?

鶴見の異変に宇佐美が驚いてるのは、戦後はほとんど顔合わせてなくて、発作のことを知らなかったのだろう。
この部下たちの戸惑いって、鶴見への不信感、王国の崩壊に繋がりそうな。
驚いてる中に月島が入ってないのは、月島は側近だから発作のことを知ってた。
もしかして、尾形も、発作を知ってるから、離叛したのかも。信頼できないと。

矢の毒を事前に削ってあるので、アシリパさん、前から考えてたんだな。
鶴見の為人を見て、この先を決めようと。
その決意を、杉元にも知らせず。
杉元をある意味、信用してない。鶴見と協力したほうがアシリパさんの為だというに決まってる。

杉元「毒矢だッ」
咄嗟に、アシリパさんの意図を見抜いた杉元。
もしかすると頭の片隅で、アシリパさんが鶴見から逃げようと行動することを期待してたのかもね。
彼の本心は、鶴見に協力することじゃない。

杉元「かすっただけでも即死だぞぉ!!」
ももちろんブラフ。
毒矢だとしても矢尻のエッジに毒が付いてるわけじゃないから、掠っただけでは毒が入らないし、死なない。

どさくさ紛れに鶴見を押し倒してるのは宇佐美。さすが機を逃さない。
宇佐美の忠誠心にはどうにも邪心があるwww

二人の連携で、虎口を脱したアシリパさんと杉元。
晴れ晴れとした笑顔で走り去っていく。

今回、211話までの収録になって、ちょうど切れが良いところになった。

連載時からの変更箇所

■ 第201話『あばよロシア』

  • P5 表紙。尾形、谷垣、鯉登にそれぞれ得物追加。
    f:id:faomao:20200321000348j:plain *41
  • P21ヴァシリの帽子の色、銃の細部が変更に。

■ 第202話『狙撃手の悪夢』

■ 第203話『似顔絵』

  • P41 馬橇が馬に。乗りすぎぃ。マトリョーシカか。
  • P46 杉元の台詞が,説明っぽく。
  • P53 岩息が「はあはあ」してるコマ。
  • P55 最終コマの岩息がカメラ目線に! イイ顔しやがる。
  • P56 正面顔の岩息のコマ。

■ 第204話『残したいもの』

  • P62 谷垣とチカパシの会話。インカラマッの現況をちゃんと聞いてる。
  • P69 稲葉さんのコマに杉元追加。ジレル氏、サングラス掛けるように。光源から目を守るためかな?

■ 第205話『シネマトグラフ』

  • P83 アシリパさんが鳥打ち帽被った。
  • P89 「パナンペ~」のキャプション追加。
  • P94 落下した谷垣の姿勢が。大の字だったのが、チカパシ避けるみたいに手足縮めた。

■ 第206話『二人の距離』

  • P95 映写機の細部。
  • P110 3コマ目の杉元の台詞が説明口調に。

■ 第207話『塹壕から見えた月』
■ 第208話『限りなく黒に近い灰色』
■ 第209話『ケソラプ』

■ 第210話『甘い嘘』

  • P171 最後のコマ。花沢中将が「元第七師団長」に。
    f:id:faomao:20200319163826j:plain
  • P175 再下段のアシリパさんと白石のコマそれぞれ追加。ここにあった鯉登と月島のコマは次ページに送られる。
  • P176-183 コマがそれぞれ大きくなって2ページ分増量。
  • P177 2コマ目、「殿」が復活。本誌掲載時、「殿」が消えてるのは、鯉登が鶴見への敬意を失った意味なんだろかと思ってしまったが……ただの誤植?
    f:id:faomao:20200319191610j:plain
  • P179 「私もやられたんです」の月島、下向いてる。

■ 第211話『怒りのシライシ』

アシリパさんと鶴見の対話、ほとんど全面描き換え。後々にも影響して来そうな。鶴見のキャラクターがかなり変わった。

  • P193 宇佐美のコマから3コマ追加。
  • P195-201まで、アシリパさんと鶴見の対話から鶴見の発作まで、全て追加。
  • P206 杉元「かすっただけでも即死だぞぉ!!」の台詞追加。

連載時の記事。

これらを元に書きました。

*1:
f:id:faomao:20190606164132p:plainヤングジャンプVol.1875より
17巻の口絵ではこれらの文字は消されてる。

*2:それを態度で表明するのが礼儀作法、マナーってやつ。

*3:ヴァシリの元ネタは、どうやら『スターリングラード』のジュードロウ演じる狙撃手ヴァシリらしい。作画のモデルもジュードロウなん?? うーん。……先生のデフォルメ巧すぎてよくわからん……

*4:オンラインゲームで難局に陥って、チャットする余裕ないときでもパーティメンバー信頼してると言葉交さなくても互いの行動が理解できるし、的確なパーティプレイで乗り切ったときはかつてない昂揚感を得るもので。それこそがオンラインゲームの醍醐味かもね。

*5:17巻特典DVDパンフの質問箱出張版より。→
f:id:faomao:20190613143030p:plain

*6:

「次はどんな強い変態が登場し阿鼻叫喚の殺し合いという皮をかぶった性行為が展開されるのか、読者の期待に応えてゆきたいと思います」
マンガで表現できる“面白さ”をすべて詰め込んだ歴史冒険活劇 | SUGOI JAPAN Award2017 https://web.archive.org/web/20161228100823/http://sugoi-japan.jp:80/sugoi/07.html

*7:萌え、ではなく。

*8:だけどアシリパさんは、杉元が惚れた女のために金塊を欲しがってることを知って、嫉妬よりも、杉元の希望を叶えたいって気持ちがあって、言い出せない。

*9:偶像や英雄になることも拒否するって点も、尾形と杉元は共通してるかも。杉元は自身が英雄とされるに相応しいとは思ってないからだし、尾形は組織の絆を一切拒否したがるので。

*10:「恋」の語源は「請ふ/コウ」であり、相手を自分のものにしたいという心の動きだという。「恋」は肉体関係にいたる性愛で、「愛」はもっと幅の広い、慈愛や仁愛も含めた愛情のニュアンスだと。ヴァシリがオガタと殺し合いたいと願うのは、とびきりに強烈な恋情だ。

*11:ボクサーで強盗犯のマイケル・ピーターソンが元ネタらしい。「ピーター」という名前はラテン語の「岩(petero)」に由来するし、~ソンは「~の息子」の意味。ピーターソン=「岩の息子」。『ブロンソン』(ブロンソン - Wikipedia)って映画にもなってる。

*12:Auguste & Louis Lumière: Les Aïnos à Yeso - I (1897) - YouTube

*13:ブロニスワフ・ピウスツキ - Wikipedia

*14:

*15:場所によっては、写真でもokてとこもある。その地方その地方それぞれの風習としか。

*16:どうせ金神の10年後には、ロシア帝国なんてなくなるんだし。

*17:f:id:faomao:20190704200148j:plain

*18:稲畑勝太郎 - Wikipedia、→François-Constant Girel — Wikipédia

*19:映画監督といえば→映画監督のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

*20:世界中にある。ペローの「長靴を履いた猫」や「シンデレラ」も、末っ子が富みを得る話。

*21:ニュー・シネマ・パラダイス - Wikipedia

*22:→190話「明日のために」

*23:念為。旧暦は太陰暦なので日付はほぼ月齢。旧1日は朔日ともいって、新月になる。

*24:月の出月の入り(日本地名選択) - 高精度計算サイト日の出日の入り(日本地名選択) - 高精度計算サイト

*25:原作の絵、月齢カレンダーとかの絵をそのまま真似たんじゃないかなあ……

*26:太陽と月の位置関係は、こう。
f:id:faomao:20190802230049j:plain

*27:アニメ第3期も決ったことだし。せっかく水島裕なんて元祖アイドル声優なんだから、もっと活躍して欲しいよねえ。

*28:網走監獄で、家永と辺見が拷問と殺人について熱く語り合ってたら、宇佐美も嬉しそうに混じってそうな。鶴見もこの拷問愛好会に加わりそうだけど、尾形は微妙。

*29:

新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

  • 作者:村上 龍
  • 発売日: 2009/04/15
  • メディア: ペーパーバック

*30:ピウスツキが蝋管に記録したサハリン・アイヌの音声を聞いた菅野茂によると、聞き取れない言葉もあるそうだけど、でも基本は同じアイヌ語の方言だし。→アイヌ民族否定論に抗する

*31:f:id:faomao:20190822183732j:plain

*32:最近、対馬海峡トンネルとか、宗谷海峡トンネルの話題を耳にして。排外主義の強い日本だと反発も大きいけど、しかし、東京からロンドンまで鉄道路で繋がること考えると、歴史的にも経済的にもスゴいと思う。シルクロードの未来版という感じで。

*33:新潟出身なので、北一輝説もある……が、北一輝ってあくまで扇動家で、自分で行動するタイプじゃなさそう。誇大妄想気味なのは石原莞爾を思わせる……ても日本史詳しくないのでよくわからない。

*34:f:id:faomao:20190829170520j:plain

*35:
f:id:faomao:20190829164948j:plain
下辺、裁ち切り

*36:4~8巻までは、偶数巻は11話、奇数巻は10話。

*37:それを実存主義という。

*38:それぞれ、高村薫「レディジョーカー」、ゲーテファウスト」の台詞。→レディ・ジョーカー 上 (新潮文庫)新訳決定版 ファウスト 文庫版 全2巻完結セット (集英社文庫ヘリテージ)

*39:生き残った人も出世して移転してる……と思ったけど、この物語の中では、第七師団は誰も出世してないってことになってるんだっけ。

*40:
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*41:ちなみに、グッズのチャームでは得物を持った絵になってる。
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