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日々是々

金神239話「発射」感想 ゴールデンカムイ

まあ青年誌だし。

エロと言えるのかどうかむしろシモかもだけど、今回みたいなエログロナンセンス、ある意味、『ゴールデンカムイ』の真骨頂かもね?

切裂ジャック(Jack the Ripper)、略してJtRったら、猟奇犯罪のレジェンドで、ビクトリア朝ロンドンの時代背景や社会現象への興味もあるし、考察、論文、パロディやパスティーシュなどなど後世への影響は枚挙に暇がなくて、猟奇犯罪者に触れるなら誰もが避けて通れない。*1
様々な殺人者を描いてきた作者氏が、どんな風に、JtRをアレンジするのかと楽しみにしてたんだけど!
期待どおりというか、期待以上というか、助走つけて頭上遥か高く飛んでっちゃったというか。
宇佐美にタメはる変態ってのも新機軸だね☆*2
歴戦の古兵の菊田さんも目が点になっちゃってるじゃないか。

ものすごーく、田中圭一のテイストがする……*3

このバトルシーン、アクションの構図やポーズ、コマ割り、コントラスト、全てがカッコよくて名場面なのに、ネタがアレ。

せいしをかけたバトル*4

パオパオってナニヨ? どこからそんな音がするの!?*5
JtR、連射してるけど、大容量タンク装備なの!?
馬上のあの位置からピンポイントで命中させられるってすごくね?。
飛距離、命中精度、連射能力、謎の擬音、大容量……なにもかもが超人バトル。

しこしこポンピングしてパオパオって、感覚としてはこういう感じか。

ポンプアクションウォーターガン スカイロケット

ポンプアクションウォーターガン スカイロケット

  • 発売日: 2013/04/05
  • メディア: おもちゃ&ホビー

菊田さんのBUKKAKEとか……
目に入っちゃったのかー早く洗い流さないと。

そういや、握るのに、宇佐美は指4本、JtRは5本、て、ちゃんと描き分けてる……これは流派の違いなのか、サイズのせいなのか……*6

あくまでダンディさを失わない菊田さん。
ところで菊田さん、拳銃、何丁持ってるん。

しかし。
男同士でBUKKAKEし合ってて、女性はあっさり殺されるだけ、って、ナニコレ。エロの欠片もない猟奇殺人者だな!
(いやまあ、刃物で突き刺す行為自体が、性暴力の暗喩ではあるんだけどさ?)

JtR、菊田・宇佐美とバトルの後に、二人の女性を殺してる、とか……
射精では満足できなくて、そのあとに殺害してるんだ。
彼には射精よりも、殺害のほうが満足度が高いらしい。
Lustmord、快楽殺人者のタイプかー。
たまたま手頃な獲物として娼婦が狙われただけで、相手は誰でもいいのかもね?

225話ではハッキリしなかったけど、JtRの使ってる刃物、西洋流のフィレナイフかしらね。
医術用の解剖刀とかではなくて。
外科医説じゃないのかな……(現実のJtRも、医学解剖学の知識は不要って説があるし)*7
囚人のプロフは、門倉が全員分、知ってるはずだよなあ。

JtR、今回がダブルイベントってことは、次の事件は、解体ショーになるんだけど?*8
誰が解体されちゃうのっ?

野次馬の中に有古見つけちゃった菊田さん。
宇佐美になぜか言わない。
確かに、有古のガタイで隠密行動って無理。
この二人にも、なにか特別な繋がりがありそうな。塹壕で一晩一緒に過ごした仲って以上に。
以前の尾形の台詞からして、有古もまた鶴見に強い忠誠心があったらしいが。
有古の父が「7人のアイヌ殺し」事件の被害者の一人ゆえに、その犯人を突き止めるとかなんとか、言われてたのかも知れない。

これまでの話を総合するに、「7人のアイヌ殺害事件」「音之進拉致監禁事件」「八甲田山遭難事件」って、全て、1902年に起きてるのだけど。
アイヌ殺害事件と音之進事件は鶴見が関わってる、アイヌ殺害事件と八甲田山事件には有古が。
アイヌ殺害事件、のっぺら坊=ウイルクが中心人物で、鶴見が事件捜査にあたったってことになってるけど、もしかして、事件そのものにも鶴見が関わってる、どころか首謀者じゃないかって気がしないでもない。だとしたら菊田も鶴見の部下として関わってるはず。
有古は、八甲田山事件のときに捜索救助隊として参加した、そのときはまだ軍籍になかったので、アイヌ殺害事件が起きた後、鶴見が言葉巧みに誘ったのだろうなあと。

ラストのページの鶴見の顔、なんか違和感ある。
今までと雰囲気違う。
むしろ最初のほうの鶴見っぽい?

杉元一行も、土方一味も、鶴見隊も、札幌に集結することに。
また網走みたいに札幌が炎上したりするのかな?

JtRなんてローンウルフの猟奇殺人者より、鶴見のほうが、人員も火力もあるだけに、よっぽど怖いよっ。

*1:牧逸馬も昭和初期にすでに取り上げてるしね?→牧逸馬 女肉を料理する男

*2:いや、シリアルキラーって時点で、変質者なんだけどさ。

*3:


気がつくと田中氏本人にRTされてら。

ドクター秩父山 (ぶんか社コミックス)

ドクター秩父山 (ぶんか社コミックス)

  • 作者:田中 圭一
  • 発売日: 2005/10/31
  • メディア: コミック

*4:本家のJtR事件、当時の容疑者たちについて、「精神異常」って記述がよくある。これは「性的異常者」も含まれて、当時では、同性愛者や、過度の自慰行為もその類……パオパオ……

*5:Twitterで、「ジョジョの奇妙な冒険」のツェペリが元ネタではないかって説をいただきましたん。
f:id:faomao:20200501000558j:plain
そういやこれ、岩息の「パウッ」もそうかな? ジョジョ、3部くらいまではリアルタイムで連載読んでたんだけどねーっ。

*6:人差し指や小指は伸ばして、親指・中指・薬指だけ使う描写、たまに(男性作家の作品で)見掛ける。下腹部でなくても、作家さんによって、物体を掴むときの手の描き方に個性があって面白い。特にベテランの作家さんほど個性が強く出る。

*7:マッドドクターといえば家永だけど、実際、家永のモデルになったHHホームズにはJtRの正体って説が。ホームズの子孫が主張してるけどねえ。それよりかはむしろテキサスの「ミッドナイドアサシン」と同一犯って説のほうが尤もらしい気もする。これも牧逸馬の文章に出てくるので、当時はよく知られた説らしい。Pコーンウェルは当時有名な画家のシッカート説に固執してるけど、うーん。

*8:ホワイトチャペル殺人事件 - Wikipedia