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日々是々

金神25巻の感想 下 ゴールデンカムイ

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本文続き。

第246話 アイヌの偶像

ナニゲに、房太郎、牛山と同じかそれ以上に背が高いのか……
でもあっさり投げられちゃう。
水棲動物だから陸上では分が悪そう。
牛山に対して「さん」付なのがちょっと意外。
テーブルぶち抜くほどの衝撃受けてもピンピンしてる牛山スゲエけど。

尾形の名前を耳にして正気に返る杉元もだけど。

ヴァシリが可愛すぎる……!
尾形の存在に気付いて慌てふためくとか、どう見ても、獲物を狙うハンターというよりは、推しのアイドル前にしたティーンエイジャー。前回の牛山に再会したアシリパさんよりも興奮してる。
北海道来てからハードな体験の連続で、すっかり忘れてたのか。
頬まで染めてるし!
2年前の、戦友も囮にする冷徹な狙撃手はどこ行ったんだ。
こうやってクールになりきれないのが、国境でヴァシリが尾形に負けた由縁。

そのひたすら冷酷な尾形……こいつの目的はホントーにわからんっ。
尾形「これ…やったら」
そういうこと言わない! この性悪猫*1
大混乱になったあとのこと、考えてないだろ……『ゴールデンカムイ』って作品自体、終わっちゃう!
マジで引っ掻き回して、面白がってるだけなんでは。
(連載的に)撃たないでヨカッタ、と思う一方で、撃ちたくなる尾形の心情も、ワカルー
ついやってみたくなるよねっ

撃ちたくてたまらないけど、口に出してみることで客観的になってみせる。
その背後に立つ長靴……これは勇作さんしかアリエナイ。
幽霊とかって超自然現象ではなく、あくまで、尾形の脳が自身に見せてるんだろうな。

17巻の感想でこんなこと書いた。

だけど今後、穢れた勇作さんを見ることはない。 勇作さんは、清い姿だけを尾形の記憶に遺して死んだ。 彼の脳内に、良心として取り憑いてしまった。

金神17巻の感想 上 ゴールデンカムイ - day * day

こういうことじゃないのかなあ、と。
良心と言えるのかは謎だけども、それまでの彼になかったなにかが生じたのだろう。
それを、宇佐美も「モヤモヤしてる」って評してる。(→243話)

杉元を庇って銃口の前に立つアシリパさんも剛胆だ。杉元たちに殺し合いをさせないために、自分の無垢な魂を殺す覚悟を決めちゃった。
土方は土方で、戦士としては意に介さない小娘でも、政治家として対等に交渉相するあたり、真摯だ。
少なくとも、彼女幽閉しようとした鶴見よりよほど信頼に値する。

土方「女子供の兵士は必要ない」
このへんは、新撰組なんて武士集団率いてた土方らしい。
一方でウイルクは、ソフィアも同志だったから、女性戦士に抵抗がない。
非正規とはいえ幕府公認の新撰組隊士と、ゲリラ戦士の違いかもね?
土方「北海道の森林資源はこのままでは枯渇する」
アシリパさんより、土方のほうが、経済も社会の仕組みも知ってる。
アイヌなどの少数民族が、伝統的な生活を続けられるのは、少数民族だから、ではある。
狩漁採収+交易主体では、近代以降の肥大した人口を支えられない。*2
地下資源を基幹産業にっていうのは鶴見の構想とも同じだし、というか、近代以降、ロシアもまさにサハリンや北方領土の地下資源開発を進めてるんだし。

アシリパ ホロケウオシコニじゃない…!?
うーん。
ウイルクもアシリパさんも、日本語ネイティブじゃないし、日本語の仮名漢字の読み書き出来たか怪しい。アイヌ語のホケウオコニを表記するなら「horkew oskoni」ってローマ字(ポーランド語)か、あるいはロシア語の表記になるはずなんだよね。
日本語のカナ書きだと8文字だけど、アシリパさんの脳内では5拍の単語なんじゃないのかな。

第247話 決まり事

暗号解読って、この作品の当初からの最大の謎の一つだったけど、こうやって徐々に明かされていくと、もう作品も終盤なのだなあという気がして寂しい。

土方の手元にあった贋物2枚、有古が持ってきたのが5枚、て謎は解けた。

鶴見 本物の刺青人皮を混ぜた
鶴見が見てるのは明らかに画面の手前。
彼もたまーに第四の壁を破ってくる。
「アレ? 数合わなくない?」と疑問に思った読者を見遣ってのしたり顔。

鶴見、やっぱり食えないわwww
贋物の中に本物混ぜとくとか……誰だろうな。
杉元から巻き上げたものは、土方の手にコピーが渡ってる可能性もあるから、最初から鶴見の手にあるものを選ぶだろう。
とすると、津山か鈴川、坂本ということになる。

江渡貝くん、刺青の暗号を知らないで贋物作ったんだから、たまたま、条件満たしてしまったかも知れないんだよな。
「ウ」なんて、日本語でよく使われる音だし。
鶴見は、暗号に依らず、贋物を判別出来るから、それでも構わない。
というか、円弧じゃない曲線がある!?

アシリパ「尾形か…怪しいな」
信用ない尾形……😿
いや確かに信用出来ないけどさwww
でも、尾形が、あの時点で贋物を用意できたかどうかは怪しい。
事前に用意した贋物だとしたら、尾形は、鶴見が江渡貝くんに出会って贋物製作思いつく以前に、贋物を用意できる立場にあったことになる。大きなバック――それこそ中央みたいな――があると想定しないといけなくなるんじゃ?
茨戸の人皮の由来は、親分から房太郎が聞いてるのだけど。

土方「それも私は本物だと考えてる」
と土方はいうけど。
油問屋にあったのは、月島が持ち込んだ贋物のはず。
稲妻をおびき出すための釣りエサだとは土方は気付いてない、或は気付いててアシリパさんにはワザとこう言ったのかも知れないが。

「油問屋」の、「個コ」の文字入ってるよな。単純に「ホロケウオシコニ」の音の漢字というわけでもないのか。

宴会シーン。
そういや、「最後の晩餐」は2016年6月30日発売号の第81話「隠滅」だったっけ。
2017年7月27日発売号の第127話「本当のチタタプ」では鮭パーティ。*3
尾形やキロランケ、谷垣、インカラマッ、家永、チカパシはもういない。
房太郎や門倉、都丹、有古、キラウシは新たに加わった。
メンバーの変遷が泣かせる。
今回のメンバーだと、どーにも修学旅行っぽいのは何故だ。
杉元の枕投げと、有古の詰め襟のせい?
共通して参加してるのは、杉元・アシリパさん・白石、ナニゲに牛山もだな。
土方と永倉は、引率の先生なので、ここにいないっぽい。

アシリパさんと有古、それにキラウシも、アイヌだけで話してるときも、日本語で話してる??
(キロランケがアシリパさんに言った最後の言葉も、日本語らしい。月島が聞取ってるから)
和人たちに不審がられないよう、あえてアイヌ語でなくて日本語使ってるのかも知れない。
土方に禁止されたかもね。

有古「俺は…民族のことなんて深く考えずに」
この台詞も単行本での変更。
有古というキャラクタの造形が深くなった。
ノンポリだった青年が、少女に感化されて自分を顧みる。

有古は、父親を信じ切ることが出来ないでいる。
有古が、父親の蜂起の話を聞いたのは、鶴見経由のはずなので、もしかするとだいぶ、脚色されてるかもね?

札幌では精子探偵が捜査中……とうとう菊田さん付き合うのやめちゃった。

石川「「ぢっと手を見る」か」
あの歌のフレーズにそんな由来が!
やめなさいってそういうのwww
啄木自体、かなりアレな人だけど。*4

第248話 教会

私娼窟での聞き込み。

牛山「今夜だけは道に立たずに家にいろよ 殺されるぜ」
牛山と娼婦の会話。
牛山先生はひたすら優しい。この下りも単行本の追加分。
牛山「俺が犯人を踏み潰してやる!!」
あれーこんなとこでそんなこというなんて。
こんな予言めいたこと。

ようやく、「ジャック・ザ・リッパー」の背中の刺青や顔が出てきた。
23巻225話「貧民窟」から続いてるので、今までにない長期戦。
作中では2ヶ月だけど。
「グリーンスリーブス」の歌や容貌からしてイギリス人であるらしい。
なぜに彼が、ロンドンの事件を模倣してるのか、ロンドンの事件の真犯人と同一人物なのかどうか。
全裸にナイフ持ってるとか、こういうセンス大好きだwwww
男性器が凶器で代替されて描かれるのはオヤクソク。

ロンドンと札幌、まあ、共通点は、川と教会があるってことだけだ。
ロンドンは少なくとも2000年の歴史のある街。札幌は物語の時点で40年しか経ってないごく真新しい街。
都市の違いは地図にも現れてて、ロンドンはいかにも歴史の紆余曲折を経た複雑な街路をしてるし、札幌は新開地らしく真っ直ぐな碁盤の目のような地図。*5

「5件目」がサッポロビール工場とか……
この見開きは実際には1909年頃の写真が元らしい。→1906年 大日本麦酒株式会社の設立 | 歴史・沿革 | サッポロビール

第249話 それぞれの夢

扉、白石かよ……

なんで房太郎、いちいち無意味にセクシーポーズなんだろ。
文中では一言も、美形だとか二枚目だとかフィジカルビューティ高いとか書かれてないのに、何故かいちいち美形アピール。*6

房太郎はこの世を謳歌してる、だから不死に憧れる。王国を作ったり、血筋を残したい、或はコインに自分の顔を刻みたいと。

房太郎「子供をたくさん作って俺の家族の国を作るんだ」 というのは不死願望の一種なわけで。 「血」を通して自分の一部を子々孫々、残したいと彼は言ってる。

金神236話「王様」感想 ゴールデンカムイ - day * day

アシリパさんは、あくまで、アイヌの未来を守りたいという。
自分自身の幸せのことは考えてない。
アシリパさんも真面目すぎる――のは、キロランケに感化されたせい?
アイヌの未来、といったところで、20世紀以降、人間の流動化が進んで、世界中どこでも、伝統文化を守るのは難しい。
和人だって生活様式も文化も大きく変わったし、むしろ積極的に変えてきた。便利・安全・快適を求めて、不都合な伝統は捨て去って、新たな文明・文物を甘受した。
ゴールデンカムイ』の時代は20世紀初頭だけど、その50年前はまだ江戸時代で、洋服を着てカレーを食べてる人はほとんどまずいなかった。50年なんて意外と短くて、土方や永倉、門倉、牛山はもちろん、鶴見ですら、江戸時代の生まれなんだ。彼らは時代の急激な変化を直に見て生身で感じてる。
アイヌのような少数民族は、隣接する大国からの外圧で変わらざるを得なくて、それはなかなか納得しづらいだろうけども。
伝統を守るってことは一方で過去に固執することでもある。

房太郎は、今生きてる自分自身の未来を希望する。
房太郎は、和人の中のアウトローなので、民族なんかどうでもいい。自分の父祖もいないし。

ウイルクは、民族運動よりも娘の幸せに思い至って、転向したのかもね? それがキロランケと袂を分かった原因かもよ?
*7

ジャック・ザ・リッパー、え、マイケル・オストログ説なんだっ!?
ちょっと意外。
あくまで「偽名」(かも)ってことだけど。
それも、フォロワーとかでなくて、ロンドンの事件の真犯人、本人だと。
現実のオストログ、1833年生れなので、土方(1835年生)と同じ世代なんだよなー
札幌のジャック・ザ・リッパーの歳はコスミンスキー(最有力容疑者、1865年生)のほうが近いんだけどね。*8

今回描かれた、ジャック・ザ・リッパー=オストログ説は、現実の事件への作者氏の仮説ではなく、あくまでフィクション、勝手なツクリバナシって宣言なのかなーっ

彼は10年ほど前に横浜で事件を起こして収監・死刑判決受けたんだっけ。
1894年に不平等条約領事裁判権が改正されて、外国人でも裁けるようになった……ってそもそも、このオストログ、国籍不明だったわ。

領事裁判権日米和親条約では認められていなかったが(第四条で米国人も「公正な法」に従うとされていた)、安政4年5月26日(1857年6月17日)の日米追加条約で認められ、そのまま安政五カ国条約に引き継がれたものである。江戸初期には外国人にも日本の法律が適用されており、平戸のオランダ商館員が死罪になった例もあるが[9]、その後はオランダ人が犯罪を犯した場合は、その処罰はオランダ商館長に委ねられるようになった[10]。したがって、領事裁判権は幕府にとってはむしろ都合が良かった。開国後に外国人の犯罪を領事裁判で裁いた例としては、モース事件[11]やアイヌ人骨盗掘事件[12]がある。
―― 安政五カ国条約 - Wikipedia

啄木は、オストログの犯行動機を、聖地の再現と見る。
現代でもロンドンでジャック・ザ・リッパーの所縁の地点を巡るダークツアーってあるし。
(本来の宗教行事ではない)「聖地巡り」って、なにも近年の日本ではなくて、昔っからロンドンなんかであった商売だし。*9

ジャック・ザ・リッパーにも彼の夢がある。

そして聖地といえば、宇佐美wwwwww
おお、軍装姿って久々じゃん。
門倉さん逃げて――!

第250話 打ち上げ花火

サブタイにもなってる花火、やけに存在感大きい。
現代人からすると花火って単なる祭りの余興だけど、彼らには、もっと、神々しい出来事のように捉えられてるようだ。
たった一発なのに、なにか天啓のような。
白石なんか冠り物まで脱いでるし。
複数の場所で様々な人々のドラマが同時進行してて、それが一つの啓示的だったり破滅的だったりする出来事でまとめられる、ってのは、よくある展開だけど。*10

なんで上エ地の回想とか……
実は高級軍人のお坊ちゃまとか、意外な生立ちだ。
だから、上エ地が死刑判決受けた後、父は自殺――自裁だね、せざるを得なかった。
父親との関係は、ちょっと尾形にも似てる……というかチビ圭二が尾形そっくりだ。
しかし尾形のようにエキセントリックすぎる過去よりは、もうちょっとリアルな人間ドラマを書いてるのかな?
上エ地は「がっかり」がキーワードのようで。父に激しく責められたり月島みたいに暴力振るわれたり、或いは尾形みたいに完全に無視されたりするわけでもなく。
強権的、抑圧的ではあっても、そんなにヒドイ父にも思えないのだが。
チビ圭二、どんな問題を起こしたのだ。飼い犬の存在が不穏なんだけどっ!?*11

彼も、父親が神の似姿として書かれてるのだね。
父は神の似姿であり、上エ地本人も、他者に支配的で神の様に振る舞おうとする。
顔面の刺青は、もしかして、現代以上に強い、「身體髪膚。受之父母。不敢毀傷。孝之始也。」な儒教道徳への反発なのかもね?
とすると、いろんなルーツの文様をごちゃ混ぜにしてるのが安っぽいと感じたけど、文化へのリスペクトではなくて単に親への反抗心ってことかな?
なぜに花火に反応してるのだろう?
涙まで浮べて。

一方で杉元、尾形のこと好きすぎだろう……片時たりとも忘れないなんて……
杉元が尾形に向ける敵意は、単純に宿命のライバルという以上に別の感情があるような。アシリパさんを殺人者にしかけたことだろか。杉元にとってアシリパさんは絶対に無垢なアイドルでなければならないから。
しかし、アシリパさんはアイドルでいるよりは杉元と対等な相棒であることを望んでいる。
アシリパさんも杉元も、尾形の家庭の事情なんか知らない。彼がアシリパさんに誰を重ねているのかわからない。なぜに咄嗟に尾形がアシリパさんを否定しようとしたかも。いつもクールでクレバーでコールドブラッドな尾形が、感情的になる理由も。
短絡的に結論を出そうとする杉元に対して、アシリパさんは彼の内面を探ろうとしている。
父の仇敵であり、自分をも殺そうとした尾形を、憎みきれないアシリパさん。

彼らは知らないのだけど、もし尾形の目的がアシリパさんを殺して皆をがっかりさせることだったとしたら、その千載一遇の機会は既に第246話にあった。
そこに現れた勇作さんは、あくまで、尾形の脳内の存在に過ぎない。しかも尾形を責めたり恨んだりするわけじゃない。尾形は勇作さん殺しそのものについて罪悪感がないようだ。
従前、本能的な倫理の希薄な尾形に対して、アシリパさんが外挿的にスーパーエゴというか導き手のようになるんじゃないかって思ってたけど、その役目は勇作さんなのかもね?

しかし尾形の目的は未だにわからんっ。

ところで宇佐美。
宇佐美「こんなに広いと精子が足りないな」
いやここで射精する必要ないでしょ…… まだこの場所では犯行が行われてないんだから……
公道でプレイするのがクセになってしまったのか。
門倉 ジャック・ザ・リッパーよりもヤバいッ
女性切り刻むシリアルキラーよりもヤバイって言われちゃう、宇佐美ん……*12

きゃああああと叫ぶ門倉、そういや網走のニセのっぺら坊と同じ警報システムだ。
男娼とカンチガイされてるし。

宇佐美、門倉が土方と組んでるって、いつ知った?
網走のときは知るチャンスなかったよね。
門倉の態度から即攻撃態勢になる宇佐美すげえ。もしかして、鶴見隊では一番、戦闘力高いのかもね。
銃床の一撃食らっても、宇佐美の胸倉掴む余裕のある牛山もスゲエけど。*13

その他

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参考文献のアイキャッチまで、上等兵sですわよ。

連載時との違い

ページ番号はKindle版準拠。

■ 第241話 消えたカムイ

  • P8 「あれは「ケネ」と」~1頁追加。
  • P10 1頁追加。
  • P18 1コマ目、もとは前の頁の最後だった。
  • P19 「次の世代の~」がアシリパの台詞だったのが杉元の台詞。
  • P20 1頁まるまる追加。杉元がアシリパさんを励ます形に。
  • P21 4コマ目、アシリパさんの顔のアップからバストショットに。
  • P21 最後のコマ、ニリンソウからシカの絵に。
  • P22 2コマ目「教えずに」という具体的な他動詞から、「金塊は見つからないで…」と曖昧な自動詞に。
  • P22 最後のコマ、アシリパさんの台詞の吹き出しが二つにわかれた。間にタメを置いたようだ。

■ 第242話 交互に

  • P35 2コマ目。血相を変える杉元に変更。彼のこんな顔、初めてだ。
  • P36 1頁追加。寅次の最期の言葉。
  • P38 1コマ目は元々、P35の2コマ目だったもの。以下、アシリパさんの2コマ追加。
  • P39 コマがそれぞれ拡大して頁合わせ。
  • P45 1コマ目、アシリパさんが全身像に。
  • P46 最後のコマ、房太郎がバストショットから半身像に。

■ 第243話 上等兵たち

ほぼ全面改定。あと、中尉殿、と、全面に「殿」がつくように。

  • P48 扉、尾形の銃剣の装備が微妙に変更。
  • 「ふたりの距離は永遠に縮まることはない」のアオリが消えたのが残念。
  • P49 1コマ目、菊田さんが腕を伸ばすポーズに。
  • P51 4コマ目、菊田さんの顔が隠れる。243話全編、菊田さんの顔が見えづらくなってる。宇佐美もアップが減って引いた絵に。
  • P52 1コマ目、菊田の目の周りが黒く。もしかして菊田、尾形の勇作さん殺しを知ってるのを、知らないフリしてる?
  • P52 4コマ目、旅順を望む絵が追加。
  • P53 前頁の下3コマだったのが1頁分に拡大。
  • P53 菊田さんのコマ追加。勇作さんの殺害は元々は鶴見の計画だったと。
  • P53 「やっぱそうだよな?」追加。以下、尾形の台詞、大幅増量。尾形、結構喋るキャラなんだよね……理屈っぽい。
  • P55 4コマ目「残念ながら」から3コマ追加。尾形、喋る喋る。
  • P56 最初の3コマ追加。前頁と合わせてほぼ1頁分増量。尾形、ドライでクールになった。
  • P57 4コマ目、宇佐美のポーズ変更。
  • P58 1頁まるまる追加。ちょっと!宇佐美!尾形の上に乗ってベッドがギシギシとか、なにやってんだ!
  • P61 「中尉殿」とか「お父上」とか、宇佐美の台詞が敬語に。彼は軍隊の秩序を気にするヤツだった。
  • P62 以下、宇佐美の意識がガラッと変わる。自分も含めて「駒」と言い出す。これが意外だけど、宇佐美が自分を鶴見と同化させてると考えると、理解出来る……気がする。
  • P62~P64、奉天のシーン全て追加。
  • P65 宇佐美の意識の変化に連れて尾形の台詞も変化。「農民出身の」ってなっちゃった。
  • P66 宇佐美、完全にキレた。
  • P68 最後のコマ、宇佐美が正面顔に。なんだかギャグっぽかったのが、マジなドラマになった。
  • P69 尾形の顔に描けアミ追加。

■ 第244話 小樽上陸

  • 全体、ロシア語の台詞にキリル文字がついた。
  • P84 最後のコマの台詞が変更。世界への憎しみが自分自身に向かうように。
  • P85 料理店、忘れられてたヴァシリが追加された。
  • P86 1頁分コマ追加。
  • P87 犬の死体から、上エ地の笑顔に。以下、死んだ犬がいなくなった代わりに、上エ地が直にモンスターとして描かれる。

■ 第245話 再会の街

■ 第246話 アイヌの偶像

  • P126 平太の刺青人皮がより詳細に。
  • P127 皆の刺青に文字が全面追加。

■ 第247話 決まり事

  • P141 アシリパさんが有古をアイヌ名のイポプテと呼ぶように。
  • P142 最後から2コマ目の有古の台詞が変更。有古自身のことを語るように。

■ 第248話 教会

  • P151 2コマ目、杉元の台詞追加。
  • P152 アシリパさん、杉元のコマ追加。
  • P153 最後のコマ、娼婦の話追加。
  • P154 1頁追加。牛山先生、マジ紳士……
  • P155 ジャック・ザ・リッパーの顔が詳細に。

■ 第249話 それぞれの夢

  • P180 オストログが偽名らしいと。彼の正体は不明に。
  • P181 教会のコマ追加。
  • P182 前の頁にあったオストログのコマが1頁に拡大。
  • P183 20年前のオストログ、1頁に拡大。

■ 第250話 打ち上げ花火

連載時に書いた分。

*1:猫が棚の上に乗って、花瓶落とそうか見つめてる、的な。

*2:まあ石炭の採掘ってのも、再生不可能な天然資源の収奪って意味では同じだけど、石炭を直に食べるわけじゃなくて、それをエネルギー源として工業を興したり、あるいは石炭自体を交易品として他所から食料等を買うことが出来る。そういう高度な社会経済を構築するには、自給自足に近い少数民族の人口密度では無理。

*3:f:id:faomao:20200709135212j:plain
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*4:「一握の砂」読むと、啄木のヤバさがひしひしと伝わってくる。啄木の歌、感傷的で繊細に思えるけども、本人はものすごく傍迷惑な人物だったので、『ゴールデンカムイ』で描かれる人物像もそう遠くはないのかも知れない。啄木(や太宰治も)は、人格異常者なんだろうけど、本人、それを自覚して文章で表現しちゃうのが、スゴいしヤバイ。

*5:f:id:faomao:20200731011211j:plain
Jack the Ripper - Wikipedia
ドイツの空襲で、ビクトリア朝時代とは、だいぶ、街路も変わってしまったそうだけど。
ちなみに、ビクトリア朝ロンドンを体験するなら、「アサシンクリード・シンジケート」(→アサシン クリード シンジケート - Assassin's Creed Syndicate | Ubisoft)がオススメ。本篇の舞台は1860年代だけど、追加シナリオでまんま「Jack the Ripper」もあるしねっ。 「ホワイトチャペル」の地名の由来になったのは、今回出てくるセント・ボトルフ教会ではなくて、セント・メアリー・マトフェロン。
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*6:元ネタの海賊房次郎、まあ、講談の主人公のオヤクソクとして、美形ってことになってるけどさ。

*7:こないだちょっと考えた→ウイルクとか。 - min.t (ミント)

*8:ジャック・ザ・リッパーについて、割と新しい知見含めて概要まとまってて有難い。著者はコスミンスキー説だけど。

*9:恐怖の都・ロンドン (ちくま文庫)」の著者も、元々、この手のロンドン・ダークツアーのツアー会社を運営してて、そのガイドブックとして書いたのがこの本。

*10:横光利一の「蝿」とかね。「歌っているのは誰?」や「マグノリア」みたいに映画でもある。

*11:子供のころ飼い犬を親に殺された、というのは、上エ地の元ネタであるウェイン・ゲイシーにあるエピソード。子供に限らず虐待のパターンで、相手のペットや大事にしてるものを殺したり壊したりてのはよく聞く。相手を絶望させて、自立心を殺ぎ、支配しようとするのだ。

*12:
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*13:この歩兵小銃、銃剣付ければ手槍になるし、銃身握れば鈍器に、そしてもちろん飛び道具にもなるって、いろいろ考えられてるんだと感心した。