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金神285話「最終決戦」感想 ゴールデンカムイ

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いよいよ最終章。*1

従前、300話行くかどうかって予測はしてたので、そろそろ終わることはわかっていたけど、はっきり宣言されてしまうと、やはり寂しい。
彼らがそれぞれどんなゴールに辿り着くのか、そこからどんな景色が見えるのか。

鶴見「土方歳三たちの肉片をどかして」
って言葉からして、鶴見にとってのラスボスって土方なんだ。
杉元やアシリパさんはもうどうでもいい。ソフィアたちも物の数ではないと。

土方は網走で生ける屍のようだったけど、ウイルクによって死の天使として地上(シャバ)に復帰した。
鶴見はやはりウイルクによって、長谷川さんの仮面から、悪魔的な本性を取り戻した。
天使と悪魔と双方を生み出したウイルク、やっぱり神に擬えられる存在だ。

しかしこれ、函館五稜郭なんて、海に近いところだから斯様な武力侵攻できたけど、もっと内陸部だったら、鶴見、どういう作戦立てたのだろか。
それこそ支笏湖とか。

白石「金塊をひと目見るまで死んでも死にきれねえよ」
それは読者も同じだと思う……w
「マルタの鷹」じゃないんだから。*2
この白石の真剣な顔は久々だ。

永倉「鶴見中尉と話したい」
そういえば、「戦意のないことを表わす」ための白旗っていつから出来た習慣なのか。
白旗 - Wikipedia
……見ると、割と古代から世界各地にあったらしい。
戦時国際法で正式に決まったのは、1899年なのかな。→ハーグ陸戦条約 - Wikipedia

ところで永倉、鶴見の前に立ってるときは、褌、はいてるんだろか……

黄金の半分、1万貫。
囚人たちへの報酬分も謎だけど、そういや、蝦夷共和国政府が受け取った分も謎なのですね。
土地の権利書を買うにしても、黄金そのものは無くならないから、蝦夷共和国から明治政府が没収した後、どうしたのか。
明治の産業の原資になったのか、華族銀行なんかの資金になったのか。
日清日露の戦争はとにかく資金に苦労したという……日露戦争の借金、全額返済終わったのは第二次大戦中って言うよね。交戦国に対して延々と借金の返済。

土地の権利書って、なんだか、「花殺し月の殺人」思い出させて不安もある……*3
先住民の資産が、後から来た帝国人たちに食い荒らされるというケース。

そういえば、鶴見は1866年あたり生まれであるらしい。彼は江戸時代の生まれだし、3-4才のころに版籍奉還で藩が無くなるまでは、長岡藩士の一員だった。
長岡藩は戊辰戦争では旧幕府側だし、その意味では新撰組に近い出自なんだよな。

土下座してみせる永倉は老獪だし、それを見抜いて声を一転させる鶴見はお茶目。
さて、永倉は、鶴見の捕虜になるのかな。

そういえば、ヴァシリはどうしたんだ。
列車では鶴見の隊に便乗してたようだけど、さすがに船には乗れないよね。
室蘭から、ふたたび列車に乗るのか、内浦湾を泳いでくるのか。
尾形はソフィアたちと一緒に来たはずだが……

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今週の質問コーナーで、眉月じゅん氏が「チリンのすず」*4挙げられてて、嬉しい。
さいころに絵本読んでかなり衝撃受けて、たぶん、今の自分を作った大きな要素の一つだ……
かわいい子羊の表紙にだまされるけど、中身はハードな……
私にとって、やなせたかしというと、アンパンマンではなくて、チリンなのだ。

*1:峠から下りが無いのならば。

*2:黄金製の鷹の像を巡ってみんなが右往左往して人が次々死んでくのに結局、最後まで、“黄金の鷹”は登場しないっていう……

*3:

*4: