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日々是々

金神307話「ちんぽ先生」感想 ゴールデンカムイ

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これだけ内容盛り込んで、このサブタイトル。

さすがに牛山でも、手投弾には敵わなかった。
少女を守って死ぬことが彼の生き方の「完璧」だった。家永の問は自らに架される老いと衰えを踏まえてのものだったけど、牛山にとっては生き様であると。
アシリパさんを守ったことで、彼は死んでも「不敗」を貫いた。そしてもう二度と負けることはない。
アシリパさんが目を逸らさない、白石も彼女を遮らないのがイイよな。
彼女のために死んでく者たちの死から目を背けない、それが彼女なりの責任の取り方なのだろう。

白石、キレイにまとめてんじゃねえよ。

アシリパさん、矢筒を奪われたことで、権利書も、最強の武器も失ってしまった。
その二つが戦いの理由と手段。
それが二つとも鶴見の手に。

一方で鶴見-月島-鯉登。なにこれ、完全に「ファウスト」じゃん。
メフィスト鶴見に誘惑されて大義に殉じようとする月島ファウストを、鯉登のグレートヒェンが救おうとする。
鯉登は月島の解放を訴える。
私のため、とかでなくて、あくまで上官の無茶振りから部下を救おうとする、部下である月島を救うのは鯉登の上官としての責務。
3人の間に立場の差がなかったとしても、鯉登は月島を救おうとしただろうか? 鯉登が月島を救えるのは、鯉登も同じ原罪を背負ったからか。
このあと、鯉登はどうするつもりだろう? 自分が鶴見と共に上に行くのか?

土方、まだ死なない……トドメささなかったあたりが、鯉登がまだまだ未熟な所以。
脳損傷して意識障害起こしてるらしい土方、いわゆるゾンビ状態で思い浮かべるのが京都時代なんだな……
まさに「この世に恨みを残した悪霊」(by鶴見)*1
新撰組の夜回りのとき、先頭に立つ者を「死番」と言うんだそうで。いわゆる斬込みとか、トッコー*2ってポジションみたいなものだな……後ろにいるのは近藤勇沖田総司斎藤一らしい。*3

で。
屋根の上にいるのは鶴見……
尾形はどこへ行ったんだ。
305話で屋根の上がどうなったのかさっぱりわからなかったのだけど、最終的に人影が一人になってる。(→金神305話「迷い」感想 ゴールデンカムイ - day * day
今回のからすると残ったのは鶴見であるらしい。

とすると、結局、

  • 305話 P8
    この絵が正しかったということに。

    3両目の後方に立つのは鶴見。

そこから今回。

  • 307話 P1

    ちんぽ先生。
  • 307話 P9

    月島が鶴見に矢筒を渡す。
  • 307話 P13
    杉元、3両目に戻る。
  • 307話 P14
    土方、3両目に進入。

という次第になるのだが。
ああああ304話の後。尾形と鶴見はいったいなにを話して、尾形はどこへ行ったのだ……

鶴見「今日ここで奴らとケリを付けてやる」
おや、と思ったの。鶴見がこんな苛立ったセリフを吐くのも珍しい。
304話の尾形との対話でもアレ?と思ったのだけど。

鶴見「私が追い詰められるのを待っていたわけか?」――304話「歴史」

鶴見のほうも余裕がなかった。
いつも泰然自若としてるのに尾形に対しては弱音を吐いてる。
虚勢が通じないとわかってる。

そんなところで1週休み。
気を持たせる……

そういや、『ゴールデンカムイ』29巻の発売が決まったようで。
ISBNもついてる。
3月かと思ったら4月。きっと展示会でお忙しいので御座いましょう。

*1:

*2:特攻。暴走族の隊列の先頭を走って、交差点に真っ先に進入して捨て身で交差する道路を塞ぐ役。大学時代の先輩に元ゾクの人がいまして。一人はトッコー、一人は旗持ちだったと。

*3:ゴールデンカムイのこの時期、実は斎藤一はまだ存命だったりする。