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日々是々

電子本のアレコレ

備忘録として現状まとめとく。

電子本のデータの入手

  • Amazon楽天などの電子本ストアで買う
    他にもストアはあるけど、もっぱらこの2カ所使ってる。
  • 自炊
    紙の本などを自力でデジタル化する作業を、自炊と俗称する……
    紙本のページをスキャンして画像ファイルをまとめるか、OCRしてテキストに変換する……けど精度の高いOCRはメンドイのでもっぱら画像ファイル。
    ADF付きスキャナは神器!(複合機の使ってる)
  • 青空文庫などからDLする
    リーダーアプリの中には青空文庫のサーバーから直にデータ落とせるものもある。iOSだとi文庫とか。Windowsならpage oneとか。
    青空文庫はベタテキストなどのzipか、xhtmlで配布してる。
  • 洋書なら、Project Gutenberg もあるよ!
  • 自作
    テキストデータからEPUBやpdfなんかを作るソフトもいくつもある。

データ形式

青空文庫書式 青空文庫

日本語向けのマークアップ言語で、元々は昔の(著作権の切れた)文学作品を電子化するための書式だから、和文を出来るだけ再現するように定められてる。縦書、ルビ、字下げ、字詰、地付、注釈、傍点、挿絵……など。
対応ソフトも多いので、自分で書くときももっぱらこの形式。
Shift-JIS・ベタテキストのtxtファイルが基本で、青空文庫のサイトでは挿絵も含めたzipファイルで配布されてる。

EPUB

電子本データの標準フォーマット。その正体は、htmlや画像データ、管理データなどを、特定のディレクトリ構造に配置してzipでまとめたもの。ナントカ.epubの拡張子をzipに変えると、zipとして閲覧出来る。
本文はhtml、レイアウトはcssで記述されてる。
html+cssなんて緩い規格なので、作り手によってかなりhtmlの構造が違って面白い。
HTMLなのでリフロー可。表示環境で文字サイズやフォントも変えられる。
少ない欠点としては、固定レイアウトじゃないから、「何ページ目」という位置の指定がない。何パーセント、とか、総ページいくらの何ページ目、という表示に。
EPUB3になって、縦書きとルビに対応したんだけど、ほとんど日本語・和文のための規格だから海外のビューワーはロクに対応してない。縦書き表示出来ない、出来ても表示がオカシイ、ページめくりが逆になる……ナドナド。
EPUBデータの中のCSSなどを書き換えれば解決することも、ある。
和文の縦書き表示をするには、文字の並び(上→下)、行の並び(右→左)、ページ送り(右→左)、縦書きフォントの使用って、4つの指定が要るんだけど、(海外の)ビューワー、その全てにきっちり対応してないのが多かったりする。

cbz

画像データをまとめたzipファイルの拡張子を変えただけ。漫画の自炊データ向け。ただのzipだから、コメントとか栞の機能はないけども。多くの画像ビューワーでcbz拡張子のまま読める。

PDF

固定レイアウトなので、文章主体の本には向かないんだよなあ。
漫画のような画像主体の電子本には向いてる。

使用アプリ

リーダー以外の、データを作ったり編集したりどーにかしたりするアプリ。
私はWindowsユーザーなのでWindowsのソフトしか知らないんだけどね。

Calibre 「calibre」インポート・変換機能や検索機能が充実した電子書籍管理ソフト - 窓の杜ライブラリ

電子本管理ソフト。対応フォーマット多い。
kobo機をつなぐと認識してライブラリを送ってくれる。
が、このソフトの真価は、KindlekoboのデータをEPUBやpdfやその他の形式に変換できること。ただしいくつかの管理データが抜け落ちるので、栞機能が巧く働かなくなったりすることも。
海外ソフトなので、内蔵ビューワーは縦書きにはマトモに対応してない。

AozoraEpub3 AozoraEpub3 - 青空文庫ePub3変換 - AozoraEpub3 Wiki - アットウィキ

Javaアプリ。青空文庫書式のzipやtxtをEPUB3に変換してくれる。青空文庫内の作品のURL指定して直接、EPUBを吐く機能も。
直にKobo用のkepubにも変換してくれる。

pdf Exchange Tracker Software Products :: PDF Creation Software, Free PDF Editor, FREE OCR, Voted Best PDF Reader !

pdf編集ソフト。ただし一部の変態pdfはマトモに開けないこともある。
一部機能、目次データのエキスポート・インポートなんかが有料。自炊するときに使うので有料版買ってしまった。
acrobatよりかは安いしね。

Wz editor WZ EDITOR 9 [プログラム HTML Emmet 小説 PDF出力 Windows タブ テキストエディタ]

長年御世話になってるテキストエディタDOSのVzの時代から。
青空文庫書式を解釈してpdfファイルを出力も出来る。
……んだけど、これで縦書きのpdf作ると、上記のExchangeではマトモに読めないのだ。まあwzの出力を、他のアプリで編集することもないんだけども。
PDF出力はいろいろと不具合?も多くて、定型以外の紙型だったりトンボ入れようとするとヒドイことになる……

Sigil Sigilの使い方

EPUB編集作成ソフト。EPUBの面倒くさいディレクトリ構造や管理データを作ってくれるのは有難いけど、……うーん、テキストから自作するなら、AozoraEpub3で青空文庫書式から変換したほうが手っ取り早くて。
これもほとんど使ってないけど、縦書きできるのかな?

威沙 FrontPage - 威沙

青空文庫書式のテキストからレイアウトを指定してPDF作ってくれる……らしい。
ちっとも使ってない。
Izunaと読むようですよ?

読む環境

kobo glo HD

電子本リーダー機。さすがに電子ペーパーは読みやすい! 「紙のように白い」とは言うけど、バックライトなしだと、ちょうど、藁半紙の色だ。……って藁半紙って死語ですかそーですか……
300dpi電子ペーパーだけあって、ピクセルが目に見えない、明朝体のウロコも完璧に表示できるのがさすが。
Amazon Kindleのハードは持ってないので細かい差違は分からないけど、koboのアドバンテージは、EPUBフォーマットがそのまま読めること。PCにつないでEPUBファイル放り込むだけ。(Kindle は変換しなきゃいけなかったはず)
そもそも、koboの専用フォーマット自体がEPUB。kepub.epub て複合拡張子がkobo用。同じEPUBファイルでも、koboで開くと、EPUBとkepub.epubでは挙動が違ったりもする。
対応形式が多い。pdfでもhtmlでも画像ファイルでも表示できる。が、重い。
デフォルトのストレージ4Gは小説主体でも頼りないけど。数あるkobo機の中で、この、glo HDはストレージがmicroSDカードって手抜き仕様なので、ガワ開けて交換すれば容量32Gまで増やせる(64Gは無理だった。書き込んだデータにアクセス出来なくなるので、32Gとしても使えない)。
ただし、Wi-Fiの通信が限定的で、電子本データを無線でダウンロードできないのだ……PocketってブクマアプリはWi-Fi対応してるのに。
だから、PCに有線のUSBでつないで取りこまないといけないのが面倒くさい。
ネットワークストレージとかから直にデータ読めたら最強なんだが。
あと、ハードが非力。6インチの画面は漫画にはキツい。が、画像の拡大縮小も死ぬほど重い。だからほとんど文章専用端末。
たまーに電子本の中に、文章主体なのに、紙本のページそのままスキャンしただけの本とかあって、泣ける。
楽天koboデスクトップを経由するとストアで買ったデータのみしか扱えない。
Calibre 使うと、Calibre独自のライブラリで、PDFやその他のデータをやり取り出来る。
単純にUSBストレージとして、エクスプローラーなんかで表示されるので、どこのディレクトリでもいいから放り込むだけでもいいけど。

iPhone

漫画データ読むのに軽快だしキレイだし。
Kindleのアプリも入れてある。
公式のiBooksも、対応フォーマット多くてよい。
i文庫ってアプリ、いつの間にか角川に買収されてる。青空文庫リーダー。青空文庫のサーバーから直にダウンロードして読める。

今まで、Google Drive だの Dropbox だのMS OneDrive だのってクラウドストレージ使ってたけど、とうとう、個人向けのNAS導入したので、容量に気兼ねなく電子本データも置けるように!
外出先からでもアクセスできるし。

楽天koboデスクトップ、Amazon Kindle

このへんのベンダー提供のソフトって、専用フォーマットしか読めない、リーダーとして最低限の機能しかないから、ロクに使えない。
さらにkoboデスクトップはテキストのコピーが出来ないてダメ仕様なので、専門書にも向かない。保管に場所を取らない電子本なのに、読み捨てにするような娯楽書籍にしか使えない、て、本末転倒なことに。

Microsoft Edge

IEの時代からMicrosoftのブラウザは使わない方針で、……まあ行儀の悪いソフトはシラッとIE呼び出したりするけど、そういう事故は別として絶対に使いたくなかったんだけども(単に個人的な趣味で、合理的な理由があるわけではない)、先だってのアプデ(Windows 10 Fall Creators Update)で、EdgeがEPUB3にフル対応になった。プラグインも要らない。数少ないEPUB3リーダーアプリ。
そういやMicrosoftのブラウザ、Internet Explorerのころから、HTML・CSSで、いち早く、ルビや縦書きに対応してたんだっけ。
ルビも縦書きも完璧だし、d&dで放り込めるし、検索もコピーも自由だし。
目下、WindowsでEPUB3読むならこれがベストぽい。
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紀伊国屋Kinoppy

紀伊国屋の電子本データのリーダーだけど、汎用のEPUB、それもEPUB3に対応してる……が、ライブラリ式なのでd&d出来ない。EdgeがEPUB3フル対応になったので、もう、私には用はなくなった。
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洋物のEPUBリーダー

Ice cream、Calibre、その他Chromeプラグイン各種など、EPUBリーダーアプリは数多いけど、和文に完全に対応してるのはほとんどないのでアカン。
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Calibre 内蔵ビューワーの例。海外ソフトはこうなるのが多い)

page one PageOne

青空文庫書式リーダー。青空文庫のサーバーから直にデータ読んで閲覧出来るのが便利。
タブレットモードにも対応したり。
画面表示は、うーん、あんまり綺麗ではない気がする。FHDディスプレイのせいか?
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Adobe Reader

本家のPDFリーダー。PDF規格自体はオープンなので無料有料様々なリーダーがあるけど、端々で不具合に遭遇するとイラっとするので、結局、本家のReaderがいちばんマシ。もしこれでマトモに表示されないならそれはデータのほうがオカシイ。

Sumatra PDF

軽量のPDFリーダー。EPUBも読めるけど、縦書きには対応してない。中途半端な対応でなく、完全に縦書きに非対応ってすがすがしさなので、横書きの本としてふつーに読める。縦書きで文字が横転したりしない!
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Honeyview

画像閲覧ソフト。zipやcbzファイルを直に閲覧も出来る。見開き表示も出来たりと、自炊した漫画のデータ読むのに向いてる。ふつーに画像ビューワーとしても軽快で優秀だし、これ単体で画像ファイルのリサイズやフォーマット変換もできたり、閲覧中の画像を指定フォルダにコピーするなど、小技が効いてて便利。

電子本への不満

  • 環境の不備。特にEPUB3リーダー、まともなのが少ない。
  • メーカーの囲い込みビジネスのせいで、規格が乱立してるし、互いに互換性がないってアホらしさ。
  • そもそも読みたい本がない。単に私のチョイスの問題だが。読者が読みたい!と思っても、ベンダー側の都合で一方的に電子化の有無が決められてるのがイラ。
    保存性がウリなのに長く手元に置きたいような本は電子化されてないってのが。
    例えば、高村薫なんかは一切、電子化されてない。多分に著者の意向なんだろうけども。