day * day

日々是々

金神動画45話の感想。ゴールデンカムイ

■ 共犯

だいぶこのブログも間が開いてしまいましたが。
いちおうアニメ見てますよ。

(尾形の出番が少ないのでモチベが上がらないんです)
尾形、OPでもEDでも大きな顔してるのに、4期の前半でロクにセリフなかったしね。

(以下、原作のときに書いた文章とも被ってます)

単行本23巻の前半、222~227話までに相当。
いろんなシーケンス詰込んでて忙しい。
樺太の鶴見組、鯉登組、雨竜川の杉元組、支笏湖の房太郎、小樽の土方組、稚内の鶴見たち、新潟、札幌……
今回はOPがない!

尾形の本格復帰が贔屓として嬉しいところ。
アニメだと4年ぶりの土方組合流か……
物語中だと半年は経ってないだろうけども。

原作で222話*1だったせいか尾形がメイン。
「この様だ」などの尾形の台詞カットされた。
珍しく彼が長広舌振るう場面なのに。
どうせ半分は嘘だけど。

土方組だと尾形が最年少なので、なんだか顔も若僧風に描かれる。
……にしては、つだけんさん、声が渋すぎるんだよね……*2

ちなみに火鉢の尾形は、室生犀星の猫のパロディ。
金神箱別館

房太郎も初登場。
いきなり全裸で御披露目なのが、この『ゴールデンカムイ』って作品を象徴してる……(たぶん)
ポスターのセンターでいちばん大きな顔してるし、OPでも謎の裸夫として登場してるし、なのにいままで出番がなかったっていう。
長髪ストレートで切れ長三白眼の美形キャラって、オールドなオタク女はバンコランとか神恭一郎とかクラヴィスとか思い出しちゃう。
ヲトメの妄想詰込んだようなキャラ。
といってもそこは金神なので。

房太郎の元ネタは、大沢房次郎って盗賊。
樺戸に名を残す囚徒列伝/月形町
明治期の事件、新聞記事集めた本にはよく出てくる。 当時はすごく有名だったようで、講談などのフィクションにもされてる。
海賊房次郎 : 探偵実話 前編 - 国立国会図書館デジタルコレクション
小山豊太郎(日清戦争の停戦交渉のときに来日した李鴻章の暗殺未遂犯)の網走の獄中記にも出て来る。たぶんこっちが実態に近いんだろな。
活地獄 - 国立国会図書館デジタルコレクション

札幌で発生した娼婦殺し……!
いよいよジャック・ザ・リッパーですよっ
ジャック・ザ・リッパーといったらシリアルキラーのレジェンド。
この伝説がどうこの作品中に取り込まれるのか、期待大。

啄木、あれ、今ごろ? て思うと、2期では登場しなかった……?
第四期 新キャラクター&キャスト発表 第6弾ッ!! -TVアニメ「ゴールデンカムイ」公式サイト-
ちなみに、石川啄木クズ伝説は、死後50年経っても(最大の被害者である)金田一京助が講義で定番のネタにしてたそうで。

後半は宇佐美の過去編。
鶴見の新潟弁が新鮮……! たぶん鯉登の薩摩弁と同様に、これは明治時代の新潟弁かなー。現代とは多少違うようだ。
松岡禎丞氏の演技が圧巻。

鶴見のいう戦場心理は、デーブ・グロスマンからの引用そのまま。*3
グロスマンが著書中で引用してる文章は、今は、根拠がアヤシイと言われるけど、グロスマン自身も大勢の兵士や法執行官らに聴取してる。

連載時からちょーっと気になってるの。
智春を足蹴にしたとき、宇佐美に殺意はあったのかどうか?
衝動的に足蹴にしただけなのか、それとも、鶴見も巻き込むためにああすれば死ぬとわかってて明確な殺意で智春を殺したのか?
刑事裁判だったら、傷害致死か殺人かで揉めそうな。

わざわざ鶴見に「共犯」て言葉を使って、罪悪感を共有させようとする宇佐美。

宇佐美「ぼくにはわかるんです」
本作、自分のことを語るときは嘘、他人のことを語るときは自分のこと、って法則がある。
原作にあった、ちびうさが馬の死体を見ながらシコシコしてる描写はナシ。*4
えええこれがダメなら、精子探偵、出来るの……?
ついでに、筒とタマ握ってる絵も修正されてる。*5
本来なら弾薬盒、原作の位置にこないでしょ。
これはアニメの描写のほうが正しい。

鶴見「愛らんです」
原作では標準語だったけどアニメでは新潟弁。
結局、鶴見がどうやって尾形をスカウトしたのかは謎のまま。

宇佐美は鶴見💓なようでいて、彼の愛は侵略的・加害的なんだよね。
同じ人間としてではなく、人格のない偶像として見てる。
例えば、鯉登のような台詞は、宇佐美は言いそうにない。*6 鯉登にとっては「愛」は共感のこと。
この「共感」の愛は、勇作さんも共通してる。*7
鶴見だって愛について語るくらいには、愛を理解してる(けど支配や謀略のための道具に使う)
鯉登も勇作さんも鶴見も、育ちの良い将校さんばかりなのが、ちょっと切ない。彼らは恵まれた環境に育ったので、「愛」を直感的にわかってる。

今回はEDもナシ。
新展開でめいっぱい詰込んだー

リアルタイムの呟き。
min.togetter.com

*1:にゃーにゃーにゃー

*2:ワタシ的には尾形、もっと青臭い声のイメージなんである。それこそ昔の塩沢兼人のような。

*3:

*4:


……ちなみにこれ単行本時にわざわざ追加された描写。連載時はこう。

*5:

*6:

*7:「連載が始まる頃には貯金も底をついて…」…野田サトル1万字インタビュー#4 | 集英社オンライン | 毎日が、あたらしい

勇作さんは日常の快を兄様と共有したいのだ。