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日々是々

金神252話「貯酒室」感想 ゴールデンカムイ

あああ案の定……

酒蔵で大混戦とか、大惨事が目に見えてるじゃないのさwww

アシリパさん、杉元の弾除けになるつもりだけど、……二階堂は杉元殺したいだけだから、アシリパさんじゃ弾除けにならないんだ……
月島がいて助かったけど。
このへん、すんなりと思うようにはならない、焦燥。

皆が皆殺し合いになってるとこに、ビールでみんな酔っ払うとか、……ナニコレ。
ビール塗れとか、洗濯大変だ……
鯉登のお高いオーダーメードの軍衣が! うぇぇぇ……

P11のフラついてる杉元は『酔拳』が元ネタ。*1
でもジャッキー・チェンじゃないから、酔えば酔うほど強くはならない(たぶん

菊田さんは常識人だ。
少女をぶん殴るなりして大人しくさせようとは考えない。
一同で一番冷静だし。
彼は軍中央についたし、今後40年近くは勝ち組なのだ。もっととも彼のついた中央が生き延びるだけで、菊田さん自身がどうなるかはわからないけども。

なぜ、鶴見や菊田は、アイヌ殺害事件を調べていたのか?
アイヌ殺害事件にのっぺら坊かウイルクが関わっているとしたら、鶴見とウイルクは知り合いなのだし、なにか対話があったんじゃ?
ウイルクもキロも日本人の戸籍登録をしたはずなので、鶴見には彼らの行方を追えた。
アイヌ殺しの犯人は、ウイルクでなければ、鶴見か、24人目最後の刺青の囚人なのだろか?

鶴見はそもそも何の為に、宇佐美や月島や鯉登や尾形を、日露戦争前に集めてたのか。そこには戦死者たちに報いる大義はない。
1902年の音之進拉致監禁事件のときには、菊田も尾形も鶴見の部下にいる。
アイヌ殺害事件はこの前後ってことになる。
殺害事件を通して、鶴見が黄金のことを知ったのか、それより以前になにかのルートで鶴見は知ったのか。
ウイルクたちがウラジオストクで語った「ロシア政府からの情報」って、金塊のことではないのか?
連載当初からの謎が、ようやく、種明かしされつつある。

あれ。
尾形「鶴見中尉に渡っちまうな」
ってそれを阻止したいのだとしたら、尾形は菊田とは組んではいないのだね。
尾形の目的わからん……
菊田は、鶴見が金塊を見つけ出すところまでは成功させたいわけだ。
しかし尾形はそれも阻もうとしてる。

ホントに、宇佐美の言ったとおり、鶴見を恨んでるだけ……?

245話のカラー扉をまんま解釈するなら、鶴見はやはり本気で戦死者たちに報いるために満洲国のようなものを作ろうとしているのかも知れない。
しかしそれを尾形が阻止したいのなら、結局は、父親である花沢中将の遺志の通りってことになる。
中央は、鶴見に金塊を見つけ出させて、それを国家予算にするつもりだろう……
満洲地域は今後着々と日本が支配圏を広げて、30年後にはとうとう満洲国なんて傀儡政権の独立国を作るわけで……この満洲国樹立した関東軍板垣征四郎ってちょうど鯉登の世代なのだよね。

今の尾形の立場が、5巻のときから決められてたのだとしたらスゴいんだけど。そうでないとしたら、作者氏にも扱いに困るキャラなのかもね?
尾形の、特に女性への人気は、作者氏には(それに恐らく多くの男性にも)想定外であるらしい。*2
尾形のような、他のどの人物に対しても、同じ人間としての共感や友愛を持たない、物語全体を見下ろしてるのって、読者や作者の立場に一番近い。
だから尾形はたまに第四の壁(誌面)の手前に足を踏出す。
彼は、物語全体を崩壊させるほどの力を持ってる。
その尾形を、作中に引き戻す存在としての、勇作さん。

勇作さんは、目下、尾形にしか見えていないので、それが幽霊のような超自然の存在なのか、尾形の幻覚なのかは、実はどうでもいいことかも知れない。*3
どのみち尾形を通してしか、読者には語られないので。
この作品は、絶対的客観的視点を持つ者がいないので。客観的視点で描かれてるように見えても、必ず、だれか作中のキャラの視点だ。
そして、おそらく尾形は、鶴見と同様に、勇作さんを美化し過ぎてる。

尾形の前に現れた勇作さん。
アシリパさんも、尾形も、読者も、作品そのものも救ったことになる。
勇作さんを殺したことで、勇作さんは尾形の(その他多くの者たちへの)弾除けになってる。

従前。
尾形は徹底したエゴイスト故に、自身の目標を持てないタイプのように思ってるんだけど。
その彼に、外挿的に目標や行動の指針を与えるのが、勇作さんやアシリパさんではないのか、と。

あれれ、アシリパさんの灯す光で尾形が目標を見つけるって下り、この二人の関係を暗示してるとみるのは、穿ちすぎですかね? 尾形、未だに目的がわかんないんだよな。 徹底したエゴイストな尾形には、彼の使い方を充分に知ってて、びしっと方針決めてくれるリーダーが必要なんだ。 尾形とアシリパさんは、理性の2つの面、合理的判断と、倫理観・良心を象徴してるようにも思える。合理性だけではなにもできない、意志の原動力は良心や正義なんだよ。

金神121「暗中」 ゴールデンカムイ - day * day

まるで北極星みたいだなあ、と思ったら、そういや、ここはサッポロビール工場。
サッポロビールのエンブレムって北極星なんだった。

サッポロビールロゴマークであり、 札幌市の名所にも掲げられた星。 実はこれは、 「五稜星」と呼ばれる星なのだ。 五稜星は、北極星をモチーフに、 開拓使のシンボルとして誕生したもの。
1876年の年伝説|サッポロ年伝説|サッポロビール

ヴァシリには、なぜ尾形がそこで躱したかわからないだろう……
そもそも尾形が勇作さんを幻視するようになった原因ってヴァシリとの対決だしね。
樺太篇の決着がまだ着いてなかった。
最後のコマ、視点はヴァシリなのに台詞は尾形。この声がヴァシリに聞こえるとも思えないし、聞こえたとしてもヴァシリには日本語わからないだろうし。
影を感じて仰け反る尾形、彼がこんな顔するのもレアだ。

あれ、ジャック・ザ・リッパーと上エ地と門倉さん、どこ行った……
そして鶴見はどこにいるんだ。

*1:Zui quan (1978)

*2:5、6巻あたりで、ああ尾形って女性に人気が出るだろうな、でもその理由は男性にはわかりづらいだろうな、と思ったものだった。その後の作者氏や津田健次郎氏も、なぜ人気あるのかわからない、ようなこと言ってるので、やっぱりな、と。個人的には、男性が普通思うような女性にモテる男らしさとは対極にいる点が、尾形の人気だと思うけどね。女性が自己同一化しやすいキャラなんだ。熱気ムンムンで汗と汁飛ばし合ってる野郎どもから一歩退いて、全体をクールに俯瞰してるあたりが。それでいて必殺のチカラがある。

*3:17巻の修正部分からして、超自然の存在って線は薄れたけど。