day * day

日々是々

あんこう鍋のネタ。

細かいことだけど。「あんこう鍋」の描写がちょっと気になってて。
些細な描写ではあるのだけど、尾形百之助というキャラの解釈に根幹に関わるように思える。

6巻のキャラ説明で尾形の苦手な物に椎茸が挙げられていているのだけど。

そして「あんこう鍋」。

鍋物に椎茸などキノコ類は定番だけど、原作ではキノコ一切入ってない。

  • アニメ・テレビ放映/配信版。

それが、アニメで放映されたときには、椎茸だけでなくシメジっぽいキノコも写ってる。*1
よく見ると奥にエノキも描かれてる。

  • アニメ・ソフト版。

ソフト版では椎茸だけ削除されてる。

百之助が椎茸嫌いだから母親は鍋に入れなかったとすれば、母親は確かに息子を愛してたのだろうし、息子のほうがそれを受け止めきれてなかった。 つまり母親の虐待やネグレクトのせいで尾形がああいう性格になったのではなく、元から百之助のほうにも愛情に対する感受性が低すぎるって素因があったのだろう。
最期に「勇作だけが自分を愛してくれていた」と気付く、でも母親の愛情は無視してるのは、母からの愛情には彼の出世を望むって下心を感じていたからかも知れない。勇作さんだけは無償の愛情を注いでくれていた、と気付いた。ただしこれはあくまで尾形本人の内心であって、ホントは、もっと多くの人たちが彼に愛情を注いでいたのかも知れない。
例えば鶴見からの愛情は打算でありマキャベリストの上司と有能な部下の関係だけど、列車から落ちていく彼の姿を見てその名を呼ぶくらいには、愛情があるように思える。あるいは杉元は尾形と飛ばしながら殴り合ってるし*2アシリパさんも尾形の死に哀悼を見せる。宇佐美だって尾形をオカズにするくらいには一種の性愛を感じていたのでろうよ?

たまに、「あんこう鍋に椎茸が入ってる、母親は息子を愛してなかった、尾形はネグレクトの犠牲者」って言説を見掛けるんだけど、それはあくまでテレビ放映とアマプラなどのWEB配信版だけで、ソフト版では修正されてる。つまり、椎茸が入ってるのは単純な作画ミス。
そもそも原作では最初からキノコ類入ってない。*3

このエピソード、目にするハードルがいちばん低いのはアマプラなんかの見放題なわけで、そこに致命的なミスがあるのは、よろしくないように思う。

*1:ただし、明治中期、ブナシメジの人工栽培はまだ確立されてないから、現代のスーパーで売ってるブナシメジではなく、地元で採れたそれっぽいキノコだろか? 本物のホンシメジかもね?

*2:

*3:もしかすると尾形、キノコ類全般ダメなのかも知れないし、さらにもしかすると、父親がキノコ類ダメでその体質の遺伝かも知れないけどね?