金神動画#19感想 ゴールデンカムイ アニメ
■ カムイホプニレ
チカパシにしろアシリパさんにしろ、いつどこで「ヒモ」なんて言葉憶えたのよ……もしかして杉元以前に、変な日本語教える和人に出会ってない?*1
釧路のアイヌ達と行き会う一行。
姉畑篇がカットされたおかげで、なんて平和で穏当な出会いになったんだwww
原作の、谷垣が皆から虐められる流れもすごく好きだったんだけどな(笑)
特に尾形に散々イジメられてるけど、ナニゲに、杉元や、作者にまで弄られてるし?
キラウシ、意外と声が低くて、青年ってよりか中年に近い歳なのかなあと。
二瓶との話は、「ゴールデンカムイ」のルーツのひとつとして作者氏が挙げられてる「銀狼王」*2が元ネタのようで。
主人公の猟師二瓶とアイヌの青年の交流が出てくる。
尾形と谷垣、「一等卒」「上等兵」って階級付けて呼び合ってるのが、なんだか新鮮で、萌え。ガチに殺し合いまでしてるんだけどね。
フチの夢の話……アシリパさんの母親が描かれるのは、原作中でも、このシーンだけ。
まるで熊たちが、彼等の儀式で、彼女を送っているような。
この「熊たちが死にゆく者を囲んで送る」って、そういや、宮沢賢治にも出てくるので*3、由緒ある伝承なんだろうか?
姉畑篇で杉元の小銃壊れる→尾形に嫌味言われる、の下りもなくなった……
*4
CMを挟んで、小樽の鶴見隊。
原作では101話と103話に相当する話。
なんだかお笑い成分高めなんだけど、やってることは結構ヒドいwww
あれ、鶴見、冬服着てる。
(原作は白服。鯉登みたいな黄土色でなくて真っ白)
鯉登のクソコラ、とうとうヤングジャプ本誌の特別付録にまでなったし……
ちなみに明治末頃、名刺大の写真1枚に50~80銭だそうで*5、焼増しはその半額としても、現代の価格で1枚数千円かかるのだ。
後々出てくるクソコラ、1枚つくるのに14枚も自分の写真焼増ししてるんだ、鯉登……
稲妻篇がないと、ただのアホの子みたいじゃないか……
そこがかわいいんだけどね☆
鈴川の皮のシャツを着込んで鶴見に披露する鯉登。
これ、鯉登が嬉々としながら鈴川の死体から皮剥いでるとこ想像すると、ゾクゾクするわぁ。
きっと、「中尉殿喜んでくれるかな☆」「中尉殿が誉めてくれるかも☆」「似合うって言ってくれるかも☆」なんて、頭ん中一面花畑にしながら作業してたんだぜ……
鶴見にシャツめくられて、「ん~~~」なんてっ喘いでる……
感情爆発させてる鯉登に対して、月島がひたすら淡々と、棒読み口調になってるのが可笑しいwww
そして、尾形の話題に。
話が前後したけど、なるほど、こういう流れも自然だ。
原作でも、時間的にはこういう流れのはずだよね。
鯉登が、父親の話になって姿勢を正してるのが◎
いかにも、良い家庭できっちり躾けられたお坊ちゃま然としてる。
ボンボンだのなんだのと尾形や杉元にはからかわれるけど、やっぱり、育ちがいいし、真っ直ぐなんだよなあ。
あんこう鍋。
今まで過去回がカットされたりしてたし、いろいろ懸念してたけども。
尾形の回想、原作に忠実に長尺割いてくだすって、ありがとうございます。
この話について、今まで何度も書いてしまったので今更なにを書くかって。
2017年1月12日発売のヤングジャンプ、正月明け最初の本誌でしょっぱなこんなハナシ喰らってからずっと、この尾形の物語について考えてて、目下、だいたい以下のように解釈してる。
まあ人によって他の解釈もあるだろうけど、当分、私は自分の解釈変わらないと思う。
まずは尾形本人の特性、人殺しへの本能的な罪悪感がないって生来の冷血漢を理解するのが大前提。*6
それ故に、親殺しは、悲劇ではなく、むしろ愛と希望の物語なのではないか、と。
尾形自身、「親殺しは巣立ちのための通過儀礼」(「ゴールデンカムイ」6巻)というように、フツーなら象徴的な意味での親殺しは一概に悲劇ではなく、子供時代から卒業するための儀式なんだけども、彼の場合は実際に親を殺して、だけど罪の意識を感じることがない故に悲劇にはなりえない。こういうタフさがなにより羨ましい。
私はこういうナチュラルボーンキラーなキャラが大好きなので、殊更、彼を悲劇の主人公だと見做したくない。ウエメセで断罪や救済するのでなしに、あるがままの彼を納得したいのだ。
父親の末期のセリフ、「呪われろ」というのはなんだか旧約聖書のカインの物語を髣髴とさせるし、父の呪いこそが息子には解放なのかも知れない。祝福を請い願うという呪縛からの。
わざわざ弟殺しの真相を告げて、父に呪いの言葉を吐かせてる。
これがもし逆に、父の言葉が「お前を許す」とか「愛する」とかだったら、父に囚われることになったのかもよ?
原作でのこの回について書いた事。(このほかにもあちこち書いてるけど)
弟君については、樺太篇で物語が変わったんだけども。
尾形と勇作君の兄弟がまた、ヲトメ心にクリティカルヒットなんだ……
あれ、勇作君、もうちょっと背が高いはずなんだけどな。
165話で兄弟で抱き合ってるシーンからしても。
尾形、特に明記されてないけど、せいぜい中背、当時の平均身長からして160cmあるかないかで、一方で勇作君は聯隊旗手務めるくらいだから長身のはずなんだ。
尾形のセリフも動きも原作まんま。
迂闊に弄れないよね。
百之助少年が鳥を持帰って来てからちょとカットが追加されてるのと。
あと、花沢パパの表情が詳細になってるのと。
……やっぱ腹切られてるんだから凄絶な苦痛の筈だしな。
この場面では表情が歪んでるけど、肖像を見ると、花沢パパ、尾形にそっくりなんだwww 特に眼の周り。
勇作君、聯隊で初対面でも迷わなかったろうなあww
花沢パパこと花沢幸次郎中将を演じるのは宝亀克寿氏。
原作で喋ってるのはこのシーンのみなのに、強烈な存在感を残す。
末期の父親を前にほとんど独白のように喋ってる尾形。
彼が長広舌振るうのも珍しいけど、父の息の根が止まるのを待つ間、やっぱり喋らずにいられなかったようだ。父親というよりはこの場にいない何者かに向って語ってるようでもあり。
外で待っている鶴見。
鶴見がヤらしいwww
芳忠氏の演技で、イヤらしさ300%UPしましたよ?
尾形=津田健次郎氏の演技がやっぱり素晴らしい。
淡々として、ちょっと投遣りな感じ。
後々樺太篇で語られるけど、日露戦争前から鶴見はなんらかの陰謀を巡らせていて、尾形はその腹心の工作員だった。鶴見の陰謀に最も深く関わっていた。
将軍殺しの一件で、二人の離叛が決定的になったようにも見えるけども。
尾形はとっくに鶴見を見限っていて――忠誠に値しない人物だと――それが、「たらしめが」の嘲りさえ篭めた台詞にも出てるようだ。
このイントネーションは津田氏の解釈なんだそうで、ああやっぱりなあという感じ。
サブタイの“カムイホプニレ”、アイヌ達がヒグマを神として送る儀式なんだけども。
これ、尾形が父を屠ることも含めてるわけで。
尾形が、瀕死の父親にしゃがみ込んでる絵は、本誌連載時にはなくて単行本で追加されたコマなんだけど、なんだか、狩人が仕留めた獲物を前にしてるようにも見えて、それが明確にされた。
アイヌ達がヒグマをカムイとしておくる儀式をしてる、一方で尾形もまた、父を軍神として祀りあげるための儀式――工作――をしてる。*7
この二つが、1話にまとめられてるのが、アニメオリジナルの構成で、すごく巧い。
原作だと103話と113話って、だいぶ間が開いてるので、関連性が薄かったのだけど。
しかし将軍殺しを企図したのは鶴見なので、所詮はニセの軍神なのだ。
Twitter上で、監督の難波日登志氏からレス頂きました。
指摘してもらえた!そうなんですが 誰も気づいてなさそうで~ちょっと安心しました
— 難波日登志(三條なみみ) (@namimi_sanjyo) 2018年11月20日
。腹の中も敵の中と鹿の中。阿仁根っ子も谷垣だけでなく賢吉やフミのことでもあるんですよね。
あああ、#17の杉元、#18の谷垣の回にも仕込んであったとは……!(いやほら、私、尾形と他のキャラとで熱量変わるから……)
しかも、18「阿仁根っ子」の回、声優さん達まで秋田県出身の方々で固められてるっていう。
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原作との違い。
■ しいたけ。
アニメ、あんこう鍋の中に、しいたけ入ってるんだけどっ?
原作には「尾形はしいたけが嫌い」って設定があって。*8
母ちゃんの作るあんこう鍋にはしいたけが入ってないのだ。
(「ゴールデンカムイ」11巻)
母ちゃん、少しは息子のこと考えてたのか、それとも幸次郎がしいたけが嫌い(で百之助もその体質を遺伝してる)だったのか、ちょっと気になってる。
■ 父の末期のセリフを受けての尾形……瞳が揺るぐ絵がトリミングされて、笑う口元だけになった。
なんとなくぎこちない笑みだったのが、もっとハッキリと冷笑になったというか。
尾形、わざわざ、弟殺しの真相を告げて、父に呪いの言葉を吐かせてるのだ。
■ 百之助少年のラストのカット。
原作だと、夕暮れのように描かれてて、すると、季節と方角からして百之助少年は太陽から目を背けて北天――恐らく北極星――を見上げてることになる。それが、受動的に祝福や救済を求めるのではなく、自ら星を道標に希望を追及するって主体的能動的な物語であることの象徴のように思えたのだけど。
過去の車内から暗転、海辺でみんながはしゃいでる中、一人硬い表情の尾形のアップから、エンディングテーマのイントロが流れ出す……
今シーズンで一番に重いエンディングになった。
来週は、「青い眼」……ラッコ鍋wwww
今回のあんこう鍋とはまた全然別のベクトルで、すげえ楽しみだわwwwwwwww
第二十話 青い眼
*2:→
*4:(ゴールデンカムイ12巻)
この渾身のウエメセの絵、大好きなんだけどなwww
*5:
*6:グロスマンの挙げる「生れながらの戦士」、サイコパスとかモンスターとか言われる人間じゃないかってこと。アリガチな、「不幸な生立ち故に心を閉ざしてるけれども本来は優しい普通の人」なんてキャラにはウンザリ。そんなキャラしか作れない作家達にも飽き飽きだ。
*7:やまとの言葉では、カムハブリ「神屠り」「神葬り」。「神として殺す」の意味。殺すことで神となる、って考えは世界中にあるよね。