金神280話「決意の号砲」感想 ゴールデンカムイ
はるばる来たぜ
箱館といったら。
土方にも鯉登にも宿縁の地。
ウイルクは網走来るまで土方歳三が生きてること、というか、土方や新撰組のこと自体、知ってたかどうかも怪しい。
網走に来たときには黄金を隠匿する作業は全て終わってて変更出来ないから、土方終焉の地が、ウイルクの重要拠点なのは偶然。
鶴見たちにしても、音之進拉致監禁事件の舞台が箱館なのは、たまたま鯉登パパの赴任地が箱館だったから。
音之進拉致監禁事件の後に、ウイルクは黄金を隠して鶴見と再会した。
……あれ、なんで五稜郭??
箱館は古くから和人の版図だったし、音之進拉致監禁事件のあった直前まで、五稜郭って、陸軍の駐屯地だったんでは。大規模な工事してそうに思うけどな……
黄金を隠したのは、7人のアイヌ殺害事件のあった支笏湖の付近じゃなかったのか。
大量の黄金を少人数のアイヌだけで運び込めたのかどうか……
もしかして鶴見以外の陸軍の誰かが黄金に関わってたり????
「北海道全域から集められた砂金」と言っても。箱館って蝦夷地の一番端だ……北海道の地理にぜんぜん詳しくないけど、支笏湖ともかなり離れてるんでは。
噴火湾を船で渡ったのかな?
土方も鶴見も、どっちの陣営も、都合に合わせてモブ戦闘員が沸いてくるんだよね。
いったいそれぞれどれくらいの戦力なのか。
ソフィアさんここにいないけど、置いて行かれた?
ソフィアさんの部下たちも後何人残ってるのか。
尾形とヴァシリはっ!?
今どこでなにしてるんだ……
<有っても無くてもいい!!>
門倉さん不要だった問題。
門倉が彫り物で痛い思いしただけ……
というより、おそらく、門倉だから、重複部分で、不要になったんだろうな。
どの部分が揃うかは最後までわからないんだし、これが別の人だったら重複してなかったんだろう。
意図せずともマクスウェルの悪魔的に事象を操作する門倉。
おそらくウイルク、刺青彫る相手を見てパターンを決めたはず……行方不明になる可能性が高い人物は冗長性の大きい部分、土方みたいに意志も能力もある人物は冗長性薄い部分という風に。
んー
中央、とりあえず鶴見に、黄金を手に入れさせたいのだよね……
といっても鶴見たちの状況を逐一監視してるわけじゃなくて、菊田に定期的に報告させていただけ。
菊田からの連絡がなくなったら、黄金のことはさて措いて、いよいよ鶴見を制圧に来る。
とにかく、黄金を手に入れる最短の手段は、網走でアシリパさんとウイルク=のっぺら坊を引き合わせることだったんだし……それなら暗号を解く必要も、刺青人皮を集める必要もなかったんだ。
杉元も土方も鶴見もそれを目的にしてた。
それを妨害したのがキロランケ・尾形たちで、結局、キロランケはソフィアを脱獄させる必要があった、そのために樺太に行く、その間に黄金を誰も手に入れられないように、アシリパさんをさらって樺太に同行させた……としか思えない。
作者氏、菊田さんの顔が難しいと仰るけど、7頁目の彼、晴れ晴れとイイ顔してる!
菊田さんが後を託すのは杉元。
菊田にとって杉元は弟の身代わりなのだしね。
菊田は、なんだかんだ言って、性善なる人で、鶴見のマキャベリズムには付き合いきれなかった。かといって中央に固く忠誠を誓ってたかもかなり怪しい。
彼は日和見主義なエゴイストだっただけかも知れない。*1
その菊田さんを撃ち殺す月島。
晴れ晴れとした菊田に比べて、彼の表情は暗い。
彼も紆余曲折あっても、鶴見への忠誠心に帰ってきた。でももはや、鯉登は一緒にはいない。もしこれから鯉登が明確に鶴見から離叛しようとしたら、月島が鯉登を殺すことになるのかも知れないね。
でもさ、月島は、宇佐美とは違うから、自己の倫理と、鶴見への忠誠との乖離を抱えてるのは確か。鶴見への忠誠心を維持するために、月島には、鶴見の唱える日本のためという大義が必要なんだ。
房太郎、宇佐美、菊田、って、キャラが死んでくのはなんだか大決算処分市みたいな。
単行本4巻までに登場したメインキャラはまだみんな生存してるんだけどね。
特に、1巻に登場した、杉元&アシリパさんは当然として、尾形、白石、土方、鶴見。
彼らがまだ生きてるのって奇跡のようだ。