尾形の銃について。 ゴールデンカムイ
(私はミリオタでもガンマニアでもなくて、只の尾形ファンなので、いくつかの文献やWEBサイトで調べただけなので、訂正個所などあればお知らせ下さい。)
アニメの監督の難波氏が斯様なことを呟かれてまして。
アニメ「ゴールデンカムイ」最終回をご覧になった方から質問で、尾形は動かない杉元を撃ちそこなうような腕ではないのでは?と頂きました。
— 難波日登志(三條なみみ) (@namimi_sanjyo) 2018年12月26日
原作からこうでした。杉元を隠している のっぺらぼうの体を弾丸が通る時に角度が変わってしまうためです。
尾形の銃について、このブログへの検索ワードにも上がってたし(→2018年11月のアクセス解析 - day * day)、補足しておくと。
- 1巻4話:聯隊で支給された三十年式小銃>アシリパさんの罠で巻き上げられる。たぶん杉元がどこかに隠した。
- 5巻43話:鶴見の元からちょろまかした三十年式小銃>この後しばらく使ってる。
- 8巻77話:南部式自動拳銃も標準装備らしい。→南部式自動拳銃 - MEDIAGUN DATABASE
- 10巻99話:杉元が第七師団兵から奪った三八式小銃を、更に尾形が自分の三十年式と無理やり交換した。>これ以降ずっと三八式。
- 16巻159話:ウイルタの人からベルダンM1870借りてる。(163話まで)
- 19巻188話:三八式は間宮海峡にポチャ。
- 22巻215話:ヴァシリに射殺された兵士の死体から、三八式と弾薬など装備一式を奪取。
- 26巻252話:ヴァシリに銃壊される。
- 26巻253話:宇佐美が落としていった三八式を入手。
- 309話:杉元と絡み合ってるうちに三八式は消えて三十年式に。これは99話で杉元に押し付けた個体。
- 310話:その曰く付きの三十年式で自分の左眼を撃つ。
三十年式と三八式の大きな違いの一つは、三十年式実包は弾頭が円くて(=貫通力が低い)、三八式実包は現代のライフル弾同様に尖頭弾ってことのようだ。
(小銃本体は、機関部にダストカバーがついたのと、あとボルトの部品点数が多少減って簡易化されたくらいで、銃そのものの性能はあんまり変わらないと)
更に炸薬が2.07g から2.15 gへ増量、逆に弾頭重量は10.5gから9.0gに減量してて、諸々で初速が700m/sから762 m/s に、1割近く増してる。
三八式小銃は三十年式の実包も使えるけど、逆は無理だそうで。
炸薬のエネルギー増(三十年式の2572.5 から三八式で2613 J に増加)に銃身が耐えられないのか、薬莢の形状が微妙に違うせいなのか、とにかく、三八式は上位互換なのですね。
尾形、225話まで、三八式実包は旭川で最初に装填されてた5発しか持ってなかった。
当時、三八式小銃も実包も最新式で、全師団に配備が終ったくらいの時期だから、三八式の実包が市販されていたのかどうか。
だから、山越え~温泉全裸バトルの間に三八弾は撃ち尽して、網走では三十年式実包を装填してた。
それで、のっぺら坊の体躯を貫通するときに、弾道が逸れて杉元には当らなかった、と。
樺太篇でもずっと三十年式の弾のはず。
ガンマニアな尾形による解説は、以下。
(ゴールデンカムイ12巻)
(ゴールデンカムイ14巻)
■ 参考。