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日々是々

金神113「さよなら姉畑先生」 ゴールデンカムイ

ひとまず大団円……なのかしら???

金神12巻の感想 ゴールデンカムイ - day * day

あれだけ引っ張って、……腹上死?
「さよなら□□先生」って定番のネタだけど、最悪の先生かも知れない……

結局、姉畑は、谷垣ファミリー以外とは出会ってない、杉元達の存在も知らなかった。人間には興味ないんだな……

谷垣、なぜそこでボタンがちぎれる。

杉元はなぜに姉畑先生なんだ? わざわざ先生つけてるなんて。
自分の悲恋を重ね合わせてるのかな? 

なんかこのへんの会話が妙に違和感ある……*1
杉「恋は成就せず」……いや姉畑、やることはやったけど。
ヒグマに殺されたわけじゃないから、ヒグマと結婚できなかった、と?
姉畑はヒグマに殺されるのを望んでいたんだろか。

杉元ってタナトフィリアの気があるんだよな……死に場所を探し求めてるというか。*2
(てかさああああ、親友にあれだけ頼まれたのに梅ちゃんほっぽりだして音信不通でなにやってんだよ? 金塊探しって梅ちゃんに会いたくないイイワケに思えてくる。だから尾形にもからかわれるし)

情熱に殉じること、パッション。
性愛と死が渾然一体としてるのは本作全体通じてのフレーバーだけどさ。特に男性キャラみんなそう。現実世界だから生き返ったり死者からのメッセージもないし。一回限りの、生から死までの道程を躊躇いつつ辿ってる。*3
エロスの褥からタナトスの御許までが一期って、みんな、諦観しちゃってる。
だからこそ、エロスでなくアガペー、神の祝福と希望の象徴みたいなアシリパさんの存在が救いになるわけよ?
(いっぽうで、鶴見って、エロスとタナトスに溢れた現実への誘惑者もいるのだ)

アシリパさんが姉畑に憤るのはごくアタリマエ。
それが愛ならなぜ殺すのか、と。それは愛でなくただの性衝動に過ぎない。
LOVE&アガペーのアシリパさんには、姉畑の暗い情熱は理解できなかろう。

性(に限らず本能的な)衝動は理性じゃ抑えるのムズカシーよねー。*4
ア「よく考えなかったのか」って無理じゃね……事前には理性が働かないんだよおお。
杉元、同意求められても困っちゃう。杉元も暗くて淫靡な衝動を理解しちゃってるから。
アシリパさんが純真なだけに、こういう話題はツラいね……
と思うと尾形w 「男ってのは」……そういや彼も愛のない性行動の結果*5に苦悩してましたっけ。そして父親を凌辱して事後の賢者モードで延々と長広舌ふるってたあね。いつも色気も下ネタもない彼の、唯一の性行為に類する場面がアレだ。*6
杉元が止めなかったら、延々と男子の生理機能について説明しだしたかも知んない。それもちょっと歪んだのを……
あ、彼が毛繕いしてるのは109話以来だな。

杉元が、アシリパさんに、性的な話を聞かせたくないのは、アシリパさんに自身の純真さを仮託して、庇護すべき異性として見てる気持ちがあるから、かねえ。

杉「勃ったまま」――についてはツッコむ気も失せた……笑うしかねーわ。*7

ヒグマの毛皮の剥がし方、ああ、これが、110話の谷垣の。
猫がいたり子熊がいたり。……あ、狐も小鳥もいるわ。

杉元、あの三〇年式はどうしたんだ。
修理できなくて放り出した?
谷垣の村田銃、そういやリュウが咥えてるわ。湯たんぽてヒドス。
村田銃、三〇年式、三八式、って、3世代の陸軍制式歩兵銃が揃うことになるぞ、このパーティ。

アイヌの祭。
カムイ達も結構、俗だ。(仏教の極楽も金銀宝玉に飾られてるので、俗物って意味ではいずこもみんな同じ)
アイヌにとって、金ってどういう価値があるんだろ。

飲まされて紅潮してる谷垣やアイヌたち、全然顔色変わらない杉元と尾形。アシリパさん今回は飲んでないのね、てかアシリパさん、酒癖悪いヨネ。絡み酒。

アシリパさん、蛇触った勇気を誉めてほしいのかな。
わざわざ指のにおい嗅がせるとか、無邪気にこういうことしちゃう。

尾形、相変わらず、含みのある笑顔だ。こいつぜってー“戦友”に特別な感情なんか持ってないって。自分では実感しないけど、他人がどう感じてるかは知り尽くしてるのが、賢しくて、手に負えないとこ。
谷垣のことはあくまで“谷垣源次郎”てフルネームなん。
一転して、瞳が細くなって猫にwww*8(猫の時は目が光るんだな……)
すっかりアシリパさんに飼い慣らされてますよ?
この顔ってフレーメン反応……?
尾形にこういう表情させたくて、指のニオイ嗅がさせたんですかね?

尾形を猫と見ると、アシリパさんにすんなり感情移入出来るんだよな……
このくだり、尾形とアシリパさんが、すっかり、猫と飼い主になってて*9、昔ウチにいた猫思い出してしまった。喧嘩好きのおっさん猫で、可愛くない、素っ気ない、でも気が置けない。頼りになる。
猫尾形、飼いてえ……

熊が死者を送る、って、そういや宮沢賢治*10も書いてるけど、そういう言い伝えがあるのかな。
アシリパさん一行、みんな、母親亡くしてるんだよなあ。
アシリパさん、杉元、谷垣、尾形、チカパシ。谷垣以外は父親もいない。

アシリパさんの決意、なんか、すんなり来ない。
うーん、杉元、そういうこというの?
そもそものっぺらぼうの真の目的も謎だったりするし。アシリパさんはそれを知りたいのだよね?
アシリパさん、父親から聞かされて、杉元にも教えてないこともあるよね?
アシリパさんは金塊を探したいわけじゃなくて、最初は父の敵討ちが目的だったけど、のっぺらぼうこそが父だと聞いて真相を知りたいんだよね?

あれ、白石、チカパシ、インカラマッの3人はどこ行ったんだろ。
はぐれてる? .
.
.
.

今週の猫上等兵。これがフレーメン反応に見えてしかたない。
(公式のツイ拝借。まさか公式アナウンスでこのコマ持ってくるとは……)

*1:本作で違和感を感じる部分はちゃんと言外に意味があったりするのだ。

*2:だから、「我々の仲間になれ」って誘った鶴見は人を見る目が確かだし、「人たらし」なんだ。戦場での勇姿と短い会見から杉元の死への情熱を見抜いて味方に引き入れようとした。

*3:しかし皆、カタチあるものでなく、もっと抽象的ななにかに向かってるあたりが心地よいというか、“間違ってない”ってカンジ。

*4:だからストゥがあるのだ。

*5:当人自身として。

*6:最初この台詞見て、アレ、今まで彼が性行為に関する話題を口にしたことあるっけ?と引っ掛かったけど、いや、ここでこの台詞が出て来るなら、103話て露骨に、父親を凌辱する話と解釈して良いんじゃん、と思えた。

*7:実際、腹上死すると、死後も勃起は継続するそうですが。

*8:猫飼いなら知ってる……猫って鼻先に指でも持ってくと熱心にニオイ嗅ぐんだよ、ちょーどこんな顔して。

*9:それなら杉元は、猫に嫉妬する飼い犬だな……

*10:なめとこ山の熊