day * day

日々是々

22巻の感想。 ゴールデンカムイ

表紙はアシパさん。
2巻→11巻→22巻ときて、どんどん表情に余裕がなくなってくのが辛。


紙本特典の装束図鑑は、チンチリ(チヂリ)。
黒地に刺子した木綿衣。

第212話『怒り毛』

会話主体のドラマが続いたので!
ひさしぶりに血みどろバトル回ですよ!

これまでスチェンカとかサーカスとか映画撮影とか、和気藹々と楽しくやってたのに。
飯を一緒に食おうが、同じ敵を相手に共闘しようが、一瞬後に誰と誰が殺し合ってるかわからない、って、このドライさ、殺伐もまた、『ゴールデンカムイ』って作品の油断のならなさ――コワさ――魅力でもある。

「アシパさんを取り戻す」って目標で先遣隊の皆が一致団結してたのに、アシパさんと合流したら喧嘩別れ。カノジョのせいで解散、って、どこのグループだ。
みんな、アシパさんの向こうに、それぞれ、別のものを見てる。

谷垣が言うとおり、アシパさんは村に戻れない。
というかコタンの人たちを、鶴見がどうするのかわかったものじゃない。

杉元、強え……
アシパさん絡むとね。

杉元、どのキャラともいきなり殺し合い。尾形、白石、二階堂s、鯉登、谷垣も。で、殴り合って仲良くなるかと思えば、ちっともそうならない。

杉元に銃突付けて、月島、ちょっと、間を置いた。
杉元が降伏すれば撃たないつもりだった、このへん、月島、ぎりぎりのとこで良心がある。
でも杉元は逃走を選ぶし、月島も躊躇なく撃つ。

不用意に近付く、鯉登……これ、140話でクズリに襲われたときと同じパターンだし、204話の稲葉もそうだし、そもそも、第1話で杉元がアシパさんに助けられたときにも出てくるし。
戦場で実戦経験のある月島と、ない鯉登の違い。

鯉登「逃げればこうなることはわかっていたはずだ」
杉元が撃たれること、だけでなくって、杉元がまた人を殺すことも予兆させてる。
もちろん鯉登にはそんな意識はなくて、杉元がもう行動不能状態だと思ってるんだけど。
アシパさんは、杉元の「怒り毛」に気付く。

そして。

杉元「俺は不死身の杉元だ!!」
この台詞!!
荒々しい筆致、1ページぶち抜きの大ゴマで。
この「ゴールデンカムイ」って作品を象徴する台詞ったら、これでしょう!!
アニメ2期でも最後の台詞だったし。

何発も撃たれてるのに。
三八式が三〇年式から引続き殺傷力弱めとはいえ至近距離だし、かすり傷ってわけにはいかない。咄嗟に、致命傷にならないように身体丸めて体幹部など急所を守ってる。

大暴れして、また、アシパさんを怯えさせてる、杉元。
アシパさん、自分が自我を貫こうとすれば、杉元をなお地獄に追いやることになる、って。

杉元、躊躇なく鯉登の胸刺して、貫通してる。
鯉登……心臓は逸れたけど――というか杉元、正確に狙ってる余裕なかったろうけど――予断は許さない。
剣を振う余裕もない。

これ、第98話「薩摩隼人」で杉元が鯉登に撃たれたのと同じ場所か。杉元は貫通してない、盲貫銃創。鯉登の二六年式拳銃より、杉元の銃剣のほうが貫通力あるっていう。

月島「いつも感情的になって突っ走るなと注意していたでしょう…」
月島のこの台詞は過去の自分自身に言ってるように聞こえる。
自分が感情に走ると、いつだって、後戻りできない、より破滅的な道に堕ちてしまうと、身に染みてるので、鯉登にはその轍を踏んで欲しくなかった。
月島、鯉登の兄・平之丞とほぼ同い年。この二人の間に、疑似兄弟のような交流があったのは確かだろう。
月島は、ベテランの軍曹として、新品少尉の鯉登を指導・補佐すると同時に、監視役でもあった。

月島(昨日は素直に聞いてくれたのに…)
月島は、心のどこかで、自分が鯉登を殺したかった、あるいは、自分が殺すことになるだろうと思ってたのではないだろうか?
「早く鶴見中尉に会いたい」ってはしゃぐ鯉登を見る月島の微妙な表情が気になった。
もし、昨日、素直に聞いてくれてなかったら、少将にバラされる前に、月島は鯉登を殺さざるをえなかった。
その一方で、いつかは、鯉登が鶴見に背いてくれることを願ってるんではないか?
月島は自己肯定感が低いから、本心では鶴見は間違ってると思ってるんだけど、自分から鶴見に逆らうことはできない、ただ観客として「鶴見劇場」を見物するしかない。
自分では出来ない、鶴見への叛逆を、ひそかに鯉登に託してた。
だけど、自分の使命として、鯉登が鶴見に背いたら、自分が手を下すしかないとも思ってた。
自分の希望を託す相手を殺さねばならない、と決意することで、自分の忠誠心を再確認していた。
希望と忠誠心の二律背反ガチバトル
このまま鯉登が死んでくれれば、自分が手を下さなくてもよくなる。
月島の希望が潰えていく、同時に、彼の矛盾が解消される、カタルシスがここにある。

二人の横を通り過ぎる鶴見。
一瞥くれただけ、っていう。

月島 嘘でも心配したらどうですか
これは単行本で追加された台詞。

鯉登「行け月島 私はいいから…」
ってのは、鶴見が自分を介抱してくれると思っていたのかも知れない。
「そんなに必要とされていた」のだから。
だけどそれは錯誤だと、鯉登は気付くかな?
鶴見にとって部下たちなんてその程度。
鶴見は忠誠に値しない人物なんだって。

月島も、自身は鶴見劇場の観客のつもりでいたんだけど、実はタダの小道具に過ぎないと気付いたろうか?
小道具が観客になることはできない。
鶴見が語る、戦死者たちに報いるという言葉も、疑わしくなってきた。
鶴見にとって部下たちなんて捨て駒にしか過ぎないんじゃないだろうか?

日清戦争後にロシアによって建設が始まったので、鶴見と月島が軍刑務所で出会ったときにはまだ、満鉄は影も形もない。
その時点で鶴見の目的はなんだったのか。満州に自分の国を作ろうと、考えていたのかどうか。
鯉登が鶴見と出会ったときも、まだ、満鉄に日本は関係ない。日清戦争であの辺の利権を手に入れたはずだけど、三国干渉で、ロシアに横取りされてしまった。
日本が満州に本格的に進出するのは日露戦争の後、南満州鉄道の利権を獲得してから。
「戦友たちに報いる」って言い出したのは日露戦争以降のはずなので、戦前から鶴見についてる月島や尾形、菊田なんかは、それ以前の鶴見の目的を知ってるはずなんだけど、それはなんだったのか。
もしかすると、花沢将軍が、満鉄経営にノリノリだった可能性もあって、それだと鶴見が花沢将軍を謀殺する必要はなくて、むしろ花沢勇作を取り込んで花沢将軍を操ろうとしたかも知れない。
黄金を手に入れることがひとまずの目的であるのは確かなようで、それはなんのための資金なんだろう?
アイヌの黄金の話を知ったのはいつなのか。5年前のアイヌ殺害事件より前に知っていたのでは?
奉天会戦のときには、鶴見は既に刺青の囚人たちのことを知ってる。

結局、鶴見の「すべての最終的な目的」ってなんなのだろう?
月島は、鶴見の最終的な目的がなんであれ、「彼について行けば救われる」といってるけど、実は、月島自身、それすら疑ってるのではないか?
210話の会話は、なんだか、白々しい。「~はずだ」っていうのは自分のココロを偽って無理やり納得しようとしてるように聞こえる。
月島だって、尾形が、「父を殺させてやる」だけで鶴見に従うとは思わないだろうし。
現に尾形は早々に見切りをつけて離脱した――まあ彼はもっと目的がわからないんだけど! 真にアナーキストで、トリックスターなだけなのかもだし?
作中で、もっとも理性的・合理的な人物として書かれてるアシパさんも尾形も揃って、鶴見を見限ったって意味は大きい。

第213話『樺太脱出』

ヴァシリがレギュラー入りしてウレシイ。
私の趣味にピッタリの絵に描いたような美形(っぽい)キャラではございますが。
アシパさん、鶴見はちっとも信用しないけど、ヴァシリのことは信用したらしい。
二度も襲撃されてるのにね。
ヴァシリ、尾形ほどは重い過去背負ってなさそうだけど。
彼は、ひたすら、尾形に片想いしてるだけなんだろうか。
凄腕スナイパーで寡黙どころか喋らないよ……
ヴァシリは喋れない、書けるのはロシア語だけ。
杉元一行に、ロシア語出来る人いない。
そもそもヴァシリって名前自体、3人とも知らないんじゃないか?
意思の疎通はかれるのっ。

ちゃっかり合流する白石。
けど谷垣は乗れない――物理的にも精神的にも。
谷垣、自分は杉元たちの仲間だと思ってる、でも、一緒にはいられない。

菊田に質問されて、谷垣。
一瞬躊躇した挙句、鶴見の部下の一等卒であることを放棄した。
もう戻れない。
谷垣「マタギの谷垣です」の言葉は重い。
鶴見を裏切ってしまった。
鶴見がそれを絶対に許さないとわかってるのに。
耳鼻削ぎどころか生きたまま皮を剥がれかねないぞ……
インカラマッだってなにをされることか。
すがすがしく、目をキラッキラさせて、覚悟を決めた。

杉元「俺たちだけで」から始まるコマ、台詞が一つ消えて、ビックリ。
22巻で、連載時から最大の変更に思う。
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連載時と大きく意味が変わる。
それを受けてのアシパさんの顔も変わった。
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「アシパさんの人を殺したくない信念」のせいで、周囲の男たちは殺し合うことになる。その台詞が消えたことで、アシパさんの不安と決意が強調された感じ。
杉元は、やっぱりどうしても、アシリパさんを無垢な小娘と見て、理想を重ね合わせてるんだ、だから彼女を穢したくないと。
だけどアシリパさんは、そう見られたくない。杉元と同等のパートナーでいたい。

第214話『雷型駆逐艦VS樺太連絡船』

船長さん、意外と血の気多かった。
海の男だなあ。

鶴見が化け物じみて、鯉登パパ、すっかり取り憑かれてるしwww
大事な息子傷付けられた私怨も大きかろう。
鯉登パパが将軍らしいところも初めて。

俯角-10度で25m先を撃てるってことは、砲台の高さは海面から4.4メートル?*1
意外と低いような、でも小型の駆逐艦だとそんなものかも知れない。

鶴見「ゆっくりと話したいことがあったんだがな…」
前回、アシパさんと鶴見の対立が決定的になったと思えたけど、鶴見の側は意外とそうでもないらしい。
先刻までの、鯉登パパ操ってたときの悪魔じみた顔から一変して真顔になってるし。
アシパさんが知りたいことの多くは恐らく鶴見が知ってる。5年前の事件の真相とかもね? きっと。
鶴見は、アシパさんがウイルクの娘だと知ってる。
アシパさんは気付いてないけど、鶴見との縁は深い。そりゃー鶴見からしたらいろいろ積もる話もあるだろう。
てか、なんで汁が出てるの。

流氷ってそんなに信頼できるものなんか。

ヴァシリ、あっさり溶け込んでて、網走篇までの尾形のポジションになってる?
彼も脱走兵なのか……尾形もだけど、狙撃手って脱走するのが常なのっ?
単独行動が得意だから?*2

クリオネ、懐かしいwww
20年くらい前、流行った。
バッカルコーン
もう当時から、クリオネ、知られてたんだってのが意外。

アイヌ語クリオネを表わす名前がないというのは、実は深いハナシかも知れない。
アシパさんも、今までに何度かクリオネを見ていたはずで、でも、食べないものには関心を持たなかった。
アイヌの)物質世界は、恐らく、目に見えるものは、役に立つ物/害になる物/どちらでもない物、で分類されてて、最後の毒にも薬にもならない物は名前をつけないのだろう。カムイの概念にも通じる。
名前がないということは、関心がないってこと。役に立つ物は獲る、害になる物は排除する、どっちでもない物は触れないでおく、って知恵かも知れない。直接に害にはならないけど、後々、なにかの役に立つかも知れないし。

一方で。
白石「可愛いんだからつけてあげて~?」
「可愛い」って精神的な利益があるのだから、名付ける意味もあるんだろうか?
名を呼ぶことは相手を所有し、支配することでもある。だから世界各地の多くの文化で、個人の「真の名前」は隠して悪意を向けられないようにする。*3
近代以降の学者たちが世界中のあらゆる生物に名前を付けて分類したがるのも、すごい情熱で。自分の日常生活には一生関わりのない、地球の裏側の生き物にまで、学名をつけようとする。根底には、神の創造した世界の全容を知りたいって、宗教的な傲慢さがあるんだろうけども。

ちなみに、クリオネについて。

「家庭での飼育は難しい」。一方、エサは水族館でもほとんど与えることができないという意外な事実が判明した。
クリオネ瓶詰めは一般家庭で飼育できるの? 専門家の見解は | ハフポスト

可愛いからと名前を付けて分類し大勢に存在を知らしめると、それを手に入れようとしたりする人たちが出てくる、生物種にとっては悪夢だ。
クリオネはまだ数が多いからマシだけど、斯様にして、絶滅していく生物は少なくない。*4
関心を持たない、ということは、相手にとって幸いなことかも知れない。

第215話『流氷の天使』

扉、ああ、先生、クリオネ好きそうだよなーって思った。
特にバッカルコーン

菊田さん、(鶴見隊の中では)良識派だった。
使い捨てされる一等卒、キレ者ばかりの上等兵と、頭オカシイ将校たちに挟まれて、月島と菊田の下士官たち、苦労が絶えなさそうだ。
宇佐美の提案を受けて、鶴見に対して意見できるのは貴重かも知れない。

杉元一行の会話。
なんかこのところ、ずっと、状況整理の会話が多い。
終盤に向けての助走だろうか?

アシパさんに答えて白石が述べてるキロランケの戦う理由……
あ、白石がキロランケから聞いたことになってる。
これ、連載時は、白石の想像に過ぎなかった。

白石「「帝政ロシアと戦い続けよう…」」「「ロシア人を殺してやろう」って」
ロシア兵には少数民族出身者も少なくない。キロランケが故郷の人たちと敵対する可能性を考えないわけもないんじゃ?
だから、これが、キロランケの本心とは思いにくいんだけどな……

「戦わない困難」、「武力の安易さ」。
武力闘争を選んだウイルクもキロランケも、結局は、目的果せずに横死してる。しかもウイルクは内ゲバで総括された。
杉元 アシパさんの選ぼうとしてる道の方が
しかし、アシパさん、具体的になにをしようとしてるって?
武力に依らないで独立運動するなら、政治や文筆、メディアを通じてってことになる。

尾形!
200話で去ってから単行本一巻以上空いてるか。
その間、描下ろしで回想シーンに出て来たり、なにかと話題になったり、作品の外だけでなく中でも人気者ですなあ。
尾形「この銃だって…自分がブッ壊れるまで人を撃ちたいはずだ」
久々の登場で、1ページぶち抜きにカトキ立ちして、決め台詞。
トレードマークのチシャ猫のような薄笑いまで浮べてのこういう台詞に痺れる。
彼が言ってるのは銃のことではない。
彼は、天性のハンターで、キルマシーンであることに、自分のアイデンティティを置いてるようだ。
考えてみると、彼の母も弟も父も、彼のそのアイデンティティを否定したゆえに殺されてる。
彼が望むのは、失われたものを補う救済なんかじゃなく、「おまえは特別だ」という承認、祝福ではなかろか?

この衣服は、囚人か街の人から奪ったんですかね。
公式のコメ。

ここで手に入れたのは鶴見の部下の一等卒のほぼフル装備。三八式弾薬も弾薬盒に満充填で揃ってるはず。

月島「服も靴も荷物もぜ~んぶ…化け猫が食べたか」
山猫からとうとう、化け猫にされてしまった。

尾形の再登場につづく、杉元一行のシーケンス。
杉元もアシパさんも、以前の尾形の台詞を繰返してるのが面白い。
尾形は、作中で最も理知的な人物として書かれてて、感情や人情に流されないだけ、彼は最短距離で合理的判断を下す。
彼の言うことはある意味、正しいのだ。

今まで、杉元は金塊を、アシパさんは真実を、ってそれぞれ自分のためだったのが、お互いを思いやってそれが目的に変わってる。

アシパ 一緒に地獄へ落ちる覚悟だ
ああアシパさんの瞳から光が減った。

目元に影が入ってるのがまるで戦化粧のようでもある。

尾形「清い人間なんてこの世にいるはずがない」
尾形「お前達のような奴らがいて良いはずがないんだ」
ゴールデンカムイ』19巻187話「生きる」

尾形の言葉を受けて、さらに杉元やヴァシリが彼女のために敵と殺しあう様を間近で見て、自分の我がままに気付いちゃったアシパさん。

父親のカタキである尾形を殺せなかったアシパさんが、誰かを殺すことになるとしたら、杉元を守ってのことのはず。
もし杉元を守るために金塊を諦めなければならなくなったら、アシパさんは杉元を救うことを選ぶだろう。

そして、クマ――――!
一行が白布でカモフラージュしたのと同様に、雪原で白い動物は視認しづらい。

第216話『謎の白い熊』

「ヒグマの胆嚢だ」「生薬としてとても高く売れる」
(『ゴールデンカムイ』1巻)
「鷲の羽根 思ったより高く売れたぜ」
(『ゴールデンカムイ』4巻)
「麝香といって漢方として高く売れるんだ」
(『ゴールデンカムイ』16巻)
「黒貂だっけ? あの毛皮すっごい高く売れたよね」
(『ゴールデンカムイ』16巻)
「オオヤマネコを獲った」「毛皮がものすごく高く売れたな」
(『ゴールデンカムイ』17巻)
「ホイヌ(貂)」「毛皮高く売れマス」
(『ゴールデンカムイ』18巻)

なんか、特に樺太篇以降、「高く売れる」ってハナシが増えたような。
アシパさんにとっては、ヒグマは、凶暴で危険な猛獣ではなく、狩りの獲物で、高価な商品であるらしい。

きっと今までの道中、紙面で語られなかった部分でも、ずっと、金策についてこんなやりとりしてきたんだろうなあ。
現金収入大事。*5
彼らはけして無人の荒野でサバイバルしてるわけじゃなくって、商売相手のいる人間の世界で旅してる。

杉元「クチはクチでも」「下のクチだッッ!!」
いや真剣な場面なんだけど!
……どうにもエロマンガでオナジミの台詞だけに、つい失笑。
白石「やった!!杉元の野郎 やってのけやがった!!」
これは姉畑篇のリフレイン。*6
アニメでは絶対に不可といわれた――と思ったら単行本特典になっちゃいましたよ!?*7――姉畑篇のリベンジかも知れない……

杉元が使ってるのは、尾形が病院から抜け出したときに持っていった三〇年式。
谷垣、三島、前山、その他鶴見の部下や第七師団の兵士たち撃ってるし、茨戸でも活躍した個体。
自由と、それを手に入れるための暴力、組織の論理に対立する個人のエゴイズムを象徴するアイテムでもある。それが陸軍の制式の歩兵小銃であるって皮肉。
この銃、いずれ、尾形の手に戻ったりするんだろうか。そんな展開があったりすると、ちょっとエモい。
この銃のカムイは誰を選ぶのか?って。
――でも、尾形は、カムイなんか頓着しそうにないんだよな……彼はめちゃくちゃプライド高いから、カムイなんて無責任に外部に転写した自分の感情に頼るより、良い道具の性能とそれを活かす自分の腕だけを信じてそうで。*8

満身創痍の杉元に、我に返るアシパさん。
いやほんと、熱いシーンなんだけど!

結局、白い熊の正体は謎のまま。
個体数と地理的に考えると、これ、白いヒグマだと思うけど。
千島からやってきたのか、シベリアにも白い個体群がいるのか。
ホッキョクグマ、北極圏の生き物なんだしなあ。宗谷岬なんて、パリよりも南なんだし、ホッキョクグマの行動圏からはあまりに懸け離れてるように思える。
明治24(1891)年に捕まった白い子熊、その場で殺されないで、上野動物園で飼育されて命拾いしたことに。

鯉登の音之進、入院してた。
人目を憚るお父さん。
お父さんにとっては息子が生きてればそれでいいと。一人亡くしてるだけに。
しかし、音之進は、拉致監禁事件の真相を知ってしまった。
それを、父は知らないということも知ってる。
最後のコマが月島ってのが意味深だ。
音之進は、父に真相を話すのだろうか?
父を敬愛してるけど、鶴見がその父を軽んじて陥れたことについてはどう見るのか?
鶴見の一味として父を欺く側に回るのか?
敬愛してるはずの父を裏切ること、それもまた、「親殺しの通過儀礼」だし、その切掛が尾形(の言葉)だというのも、因縁めいてる。
尾形はつくづく他人の人生を引っ掻き回すトリックスターなのであるらしい。

第217話『北海道にて』

尾形、やっぱり、アシパさん目当なの?
その棒鱈、どこでかっぱらってきたんだ。
終戦が1905年秋、第七師団が北海道に帰還したのが06年春、作中のリアルタイムがそろそろ08年の初頭だから、2年以上も樺太で療養してたって設定なのだね。
船長さんも船員さんも、2年も寝たきりだった兵士が、三十年式でなく三八式持ってることに違和感ないんだろうか。

熊狩の一行。
カムイの考えかたからすると、狩猟民と言っても、やはり動物を殺すことに多少の罪悪感はあるのだな、と思う。
それは、アイヌでない、現代の和人のワタシでも共通した、殺しへの禁忌の本能だろう。
植物よりは魚、魚よりは獣、獣よりは人間、見知らぬ人間よりは知人、てという風に、物理的や心理的な距離によって、親近感、「同朋」への共感が沸くし、相手を自分の一部と感じて、自己防衛本能が部分的に働く。
それでも生活のために獣を殺さなくちゃいけないので、そこで生じる罪悪感を軽減するために、カムイの信仰があるのだろうと。
逆に、ヒトという種にこういう本能がないと、過剰殺戮になって資源の枯渇を招く。

ちなみに、この狩りに使われるアイヌ犬たちも、獲物を獲れなかったり狩りが下手だと、殺されて喰われるんだそうで――カムイの国へ帰って他のカムイを呼んでこいと――、淘汰されて、狩りの巧い血筋が残っていくっていう。

アシパ「戻ってこれたな」「北海道に…」
と言いつつ浮かない顔。
実はアシパさんは戻って来れてない。
出会う前の彼女じゃない。
黄金探しが決着するまでフチの待つコタンには戻れないけど、単に地理的なものだけでなく精神的に。
網走行から樺太の旅路、作中の時間では半年ほどのはずだけど、その間の経験が彼女を変えてしまった。
キロランケに過酷な現状を見せ付けられ、父の決意を聞かされ、さらに尾形と対峙したことで、キロの闘志やウイルクの大義、尾形の凶気、それにもちろん杉元の覚悟に、感染したとも言える。
彼女は周囲の人たちを救いつつ、同時に彼らから、今まで考えもしなかった意志を受取ってる。彼女にとってそれは救いでは有り得ないし、教育というより、堕落、汚染かも知れない。
黄金や神を求める心が、人を変えてしまう、それもより悪いほうへ、っていうのは、この物語全体に共通したテーマであるらしい。
カネが欲しいだけの牛山や白石が比較的善良で、大義を抱えた者達が大量殺戮さえ辞さないテロリスト、って、皮肉。

ウェンカムイとか、砂金採りとか、ピンと来なかったのに、50円って具体的な金額に目の色変わる、白石と杉元。
内心の声まで裏返ってるし!?

雨竜川……例の三毛別も割と近い。*9
もともとこの辺はヒグマが多く出る土地だっていう。
南のコタンの人たち、自力ではくだんのウェンカムイ、獲ろうとしないのね……
人食い熊獲っても食べられないし、自分たちは砂金採りしてないからわざわざヒグマの出る辺りに近づかなければいいし、和人の砂金採りたちが襲われてるだけだから、彼らがヒグマ恐れて逃げ出して商売が出来なくならない限りは、本腰にはならないのかな。

「去年からもう何人も殺されている」
って台詞からして、もう、年は明けたのかな。

ところで白石、見るなー

218話『砂金掘り師たち』

白石「「仲間」ってやつ?」
杉元「烏合の衆」

っていうけど。
白石、危機が迫ったら真先に逃げ出すよね!?
杉元はメンバーを見捨てないのに。尾形でさえ助けようとするのに。
このへん、本心と台詞が裏腹なのが、ゴールデンカムイって漫画なんだよなあ、と。

カネの話に自分見失ってる、杉元と白石。
そういやこいつら二人とも、元々はカネ目当だったんだっけ。

密かに、一番注目してしまったのが、万年筆の話題だったりする。

平太「国産の万年筆を作ろうとした奴がいたんですね」
これが、並木良輔、ナミキ製作所(現PILOT社)の創業者なのですよ。*10 前職は商船学校教授だったのでPILOTってブランド名に。フリクションやハイテックCだけじゃないのだ。
ニワカの万年筆ファンとしてはこういうネタすごく嬉しい。初めて買った金ペンがPILOT CUSTOM74 だったので、PILOT好き。

え、ペンポイントに白金?*11 ……て思ったら、北海道の砂白金、プラチナだけでなくってイリジウムとか白金族が混じってる、天然合金なんだ。
今はペンポイントに使われるのは、イリジウム合金の一種のイリドスミンであるらしい。→エラボーのペン先ができるまで |エラボー誕生秘話 | 特集記事一覧 | PILOT LIBRARY | PILOT

平太「どんどん近づいてきてる 昨日はもっと遠くにいたのに」……って典型的な怪談話のパターンだな。

第219話『平太師匠』

ページ構成のせいでわかりにくいけど、よく見ると、熊の姿を見てるのは平太だけ。

平太「もう何年もです」
1日で50円も稼げる日があるのなら、とっくに資金こしらえて都会へ出ていそうなものだけど。
砂金採り兼業の強盗やってたり?
地元のアイヌは、ウェンカムイは去年からって言ってる。

平太の言うことは信じるな。

第220話『毛皮』

アシパ「わからないことをカムイのせいにして 考えることをやめるのは良くないことだ」
アシパさんがいちばん理性的っていう。

もともとアシパさん、砂金掘りに否定的なんだっけ。
金塊にも興味がない。
杉元と白石は、カネに目が眩んで、ちょっと理性失ってるのだね。

この、『ゴールデンカムイ』って作品全体、神の視点が描かれない、読者にすら神の視点は与えられない。
マンガってメディアの特性から、まるで絶対的客観的視点が存在するように見えるけど、全てのシーンは誰か、作中に存在するキャラの主観で描かれてる。
作中で、「絶対の真実」は存在しないし、「信用出来ない語り手」ばかりなのだ。*12

よく見ると、平太以外の、親父・嵩兄・ノリ子・次郎が、杉元たちと一緒に描かれてるコマはない。
細かいカット割で繋いでるけど。
そういや、ねーちゃんスキーな白石が、ノリ子に全く反応してないしな!
杉元一行が描かれてるコマ以外はすべて、平太の主観であるらしい。

そりゃ、ヴァシリも困っちゃう、おっさんにヌード描いてくれって迫られても……
意外と平太、イイ肉してるな。

というか、連載時に比べて、平太の露出度がアップしてるのがナニゲに衝撃なんですが!?
平太、下半身まで脱いでる!

ノリ子たちが言い争うシーンは、平太以外の目にはどう見えてるんだろう?
平太の一人芝居なのか?
それともそれ自体が平太の脳内で、平太はなにも喋ってないのか?

平太が杉元に抱きつくシーン、よく見ると、杉元と一緒のコマでは顔に血糊が描かれてない。つまり直前にノリ子が襲われた件は、杉元たちの視点では起きてない。
一方で平太だけのコマでは顔に血の汚れが描かれる。

そして、囚人仲間なのに、気付かない白石……
新しい刺青の囚人は、第172話の関谷以来、48話・1年以上ぶりって、かなり間が空いた。
100話までは13人、対して101~220話では7人しか出て来てない。
平太で20人目、全部で24人なので、残るは後4人。

サブタイトルが「毛皮」っていうのが意味深だ。
平太はクマの毛皮を被ってクマになりきってる。
まさに熊憑き、ベルセルクってやつ。(→ベルセルク - Wikipedia

二本足で立つ平太の顔の熊、どこかで見たようなって思ったら、姉畑篇の熊の絵だった。陰影がほぼ同じなので、恐らく、姉畑篇の絵のデータをやや横長にして、線を追加したものと思われる。

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杉元の腕折った――!!
ベルセルク状態だから可能なんだよな……

第221話『ヒグマ男』

お久しぶりの門倉&キラウシ。
門倉の語る平太の話には、被害者としての平太は出てこない。
幼少期の虐待が原因で、解離性同一性障害、いわゆる多重人格のシリアルキラーになった、のだろうか?
あくまで殺人は頭の中のウェンカムイが勝手にやったことだと。

平太「私の体はバラバラの肉片となって山に飛び散る」
そして冷却期間を経て、また新たな衝動が高まるのを待つ。

多重人格といっても、どんな人格でいようと、その中にある自我は同じ本人自身ではなかろか? インターフェースが変わるだけで、カーネルやハードウェアは同じ。
一般に、幼少期にあまりに辛い体験をして、通常の人格では対処できないときに、対処できるような人格を自ら作ろうとする。発症するのは比較的若年で、成人後の体験が原因で発症するのは稀だとも。

しかし門倉さん、制服姿だとそれなりにカッコいいな。
制服マジック。

キラウシ「ウェンカムイを斃したら肉も毛皮も取らず」
……やっぱキモいよね。
「慟哭の谷」*13んなかで語られてる、学生たちのエピソード思い出す……*14

あ……死刑囚でも私物を監獄側で保管してるのか……なんか妙だな。
他の施設への移送以外、死刑囚が生きて監獄を出ることは想定されてないんだけどね……*15

平太の実際の家族を殺したのは、リアルにヒグマだった。それを導いたのは平太。
平太は自分の復讐心がもたらした結果に錯乱して、ウェンカムイを自分と重ね合わせるようになったのだろうか?
平太は、自分のことを砂金に執着する、欲深いという。

217話から語られる「平太の家族たち」、父親や兄弟、ノリ子さんは、けして、悪人には描かれてない。彼らは平太を搾取する人物には思えない――これは平太の中の理想の家族なのかも知れない。
彼らを死なせてしまった罪悪感から、彼らの悪い姿は思い出さないようにしてる?

このウェンカムイって、虐待をする(子どもに川で砂金採りさせて稼ぎは散財する)ヒドイ家族から自由になりたい平太自身の本心なのかも知れない。
平凡な市民である平太は、殺人に罪悪感を覚えてて、自分を罰するために罰を享受してる。
一方で、ウェンカムイである平太は、脱獄して自由になりたいと思う。
毛皮を身に纏うことで本心をさらけ出す。
砂金に執着する自分を罰したい心、家族に虐げられて彼らを殺したいと思う自分を、彼はウェンカムイと見る。

個人が自由を貫き通そうとすると、ときには社会と相容れないって、尾形や白石などのドラマ通じて『ゴールデンカムイ』で何度も書かれてきた話。

しかし平太は、砂金への執着という心からは自由になれなかったし、それゆえにウェンカムイに罰せられた。

アシパ「正しく伝えることは大切だ」
というのなら、文字こそがその役割なんだけど。
口承では「正しく」伝わらない、伝言ゲーム式に変化していくのが、むしろ口承文化の醍醐味でもあるんだが。
「(表音)文字が、言葉の魔術の陶酔と、血族から個人を解放する」とマクルーハン*16はいう。文字と数字って、離散的記号的合理的なメディアが、人間を断片化し、脱部族化したと。時間と空間、肉体を超えてメッセージを伝えることが出来る。
口承では、目の前にいる人にしか、メッセージを伝えられない。

杉元「砂金への欲望が人生を狂わせたのか…」
って、杉元自身が、そう思ってるってことだよね。
寅次に聞かされた砂金の話から、杉元はこの冒険譚を綴ることになったんだ。

なんだか、ゲルマン神話ファフニールの話を思い出す(→【ファフニール - Wikipedia】)。
ゴールデンカムイ』自体、序盤の呪われた黄金から、ゲルマン神話の黄金伝説思わせるんだけど。
ファフニールは、ドワーフの呪いのせいで、黄金を独占するために、父親を殺してドラゴンになる。
古代の人々は、黄金自体が人を狂わせるのではなく、あくまで、ドワーフの呪いのせいとした。

最後のページの尾形……あれ、結局、こいつも、黄金が目当なの!?
なんのために黄金を欲しがるのか?
ただのゲームとして勝利を収めたいだけなのか??

その他連載時からの変更

(ページ数はデジタル版準拠)

■ 第212話 怒り毛

  • P6 いきなり1ページ追加。
  • P7 軍人たちの動きがアクティブに。
  • P10 鯉登のコマ、杉元・アシパさんのコマ、それぞれ追加。
  • P16 倒れる杉元、血飛沫増量。
  • P21 頬を刺された兵士、目線が変更。
  • P23 1見開き丸ごと追加。
  • P27 月島「嘘でも~」の独白追加。

■ 第213話 樺太脱出

  • P32 谷垣の装備、弾薬盒とベルト追加。前の回は装備してるから、描き忘れだった模様。
  • P41 鶴見の顔が変わった。ちょっと端正に。アシパさんの表情も変更。
  • P42 最後の2コマ、鶴見と馬、微妙に変更。
  • P43 微妙に配置変わった。
  • P45 2コマ目、船の擬音が変化。

■ 第214話 雷型駆逐艦VS樺太連絡船

  • P46 船長の台詞変化。
  • P47 杉元の態度が軟化した……! 連載時は銃突付けて脅迫してたのに。
  • P48 それに沿って船長さんも性格変わった。以下、杉元の台詞が変化してる。

■ 第215話 流氷の天使

  • P71 この見開き、連載時は、あくまで白石がキロランケの気持ちを想像してたに過ぎなかったけど、単行本ではキロから聞いた話になってる。
  • P76 月島「服も靴も~」のコマと台詞追加。
  • P77 杉元「ひょっとして」のコマが前頁から押し出されてきた。
  • P78 3コマ目に背景が。白石ウシロ――!

■ 第216話 謎の白い熊

  • P84、85 全体、台詞が微妙に変化。
  • P87 ヴァシリの扱いがヒドくなった……
  • P89 最後のコマ、アシパさん、白い毛皮の価値に、錯乱してる?
  • P98 「送って」の台詞。連載時はもっと即物的だったのが、我に返って信仰を思い出したらしい。
  • P99 2コマ目アシパさん。「休ませたい」だったのが、「死んでしまう」と、より直截な台詞に。

■ 第217話 北海道にて

  • P105 平太、血糊増量。
  • P111 謎のモブおやじが襲われる1見開き追加。
  • P117 ウェンカムイの被害者。連載時は「5人」だったのが「何人」てボカされてる。

■ 第218話 砂金掘り師たち

  • P124 次郎ニイの顔変化……てか、連載時は三郎って、弟っぽかった。

■ 第219話 平太師匠

  • P143 1コマ目、平太のロングショット追加。
  • P145 2「子供の頃に~」以下3コマ追加。平太の「奇妙な」点が演出されてる。以下、1ページずつページが送られる。
  • P154 嵩ニイのコマが後のページから送られてきた。
  • P156 アマッポの説明と平太のコマ追加。

■ 第220話 毛皮

  • P162 平太の顔、少し変わった。三郎だったのが次郎ニイに。
  • P165 「ノリ子姉ちゃんが」の台詞追加。
  • P169 平太がフルヌードに!露出度アップ!
  • P170 前のページの1/3ほどだったのが1ページ分に拡大。ノリ子増量。
  • P174 平太の台詞が長くなった。

■ 第221話 ヒグマ男

  • P184 門倉の話、1ページ分追加。詳細が長くなった。
  • P188 白石の台詞「この絵を見てッ」追加。
  • P190 杉元と平太のバトルシーン増量。
  • P197 1ページ分追加。平太の家族の分。

本誌連載時に書いた記事

この記事をもとにしました。

*1:tan(10°)×25≒4.41

*2:ヴァシリは尾形探して脱走したようだけど、尾形はそもそも谷垣探して脱走したんだっけ。谷垣仕留めたらしれっと鶴見のもと戻るつもりだったし。

*3:日本でも、江戸時代までは、本名としての諱(いみな、呼ぶことを忌むから)があった。これは親や上司など目上の者しか呼んではいけないので、家臣が「信長様」などと呼んだらお手討ちにされる。

*4:希少な植物の盗掘も多いし、「稀少だから」という理由で薬効を期待されて狩り殺される動物も多い。一方で、生息環境の破壊で、知られないうちに消えてく種類もいる。

*5:伝統的なアイヌ、狩猟民というだけでなしに、交易民としての立場も大きくて、樺太通じて大陸との山丹交易や、あるいは千島やカムチャッカの民や、和人との取引をしてた。例えば鋼や白米、漆器なんか、伝統的なアイヌには生産出来ないので交易で手に入れてた。

*6:
f:id:faomao:20191017123430j:plain

*7:『ゴールデンカムイ』コミックス アニメDVD同梱版 第四弾 発売決定ッ!!! -TVアニメ「ゴールデンカムイ」公式サイト-
……姉畑役、フェニックス一輝の人だもんな……

*8:“カムイ”がモノに対する執着心だとしたら、自分の肉体さえ執着しない尾形は徹底して神やその類を否定する。否定すると同時に、祝福って神の愛を望んでもいて、だからトリックスターとして振る舞うんだろうな。神の定めた運命をぶち壊そうとする。

*9:三毛別羆事件 - Wikipedia

*10:万年筆の歴史創業秘話 船乗りの友情が国産万年筆を生んだ | パイロット100周年記念サイト - PILOT

*11:プラチナじゃ金とそんなに硬度変わらなくて、摩耗しやすい。

*12:だからこそ、史実との齟齬も許されるんだよね。登場人物の主観でストーリーが綴られてるから。歴史はあくまで、現代人が、各種史料から再構成したストーリーだし、フィクションと比べて、「絶対の真実」なんてのがあるわけじゃない。

*13:

*14:大学で剖検に持ち込まれた駆除ヒグマの肉を、何人かの学生たちがこっそり焼いて食った。ところが解剖が進んだら胃の中から食い殺された女性や子どもの死体の残骸が出て来て、クマの肉を食った学生たちは吐いてしまった、と。

*15:「少しでも無罪の可能性があるなら有罪にできない」って建前なので「冤罪はアリエナイ」。再審請求が通りにくい理由でもあるし、公式には冤罪で死刑になった者は存在しないことになってる……(飯塚事件とかねえ)

*16:

メディア論―人間の拡張の諸相

メディア論―人間の拡張の諸相