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日々是々

金神245話「再会の街」感想 ゴールデンカムイ

扉と本文のテンションが違いすぎる……

例の子供は無事だった模様。
デカ乳にあっさりつられるチンポ先生~
しかし、シメるなら投げるよりも組み討ちにして首の骨折る方が早くない?

上エ地「お前だけじゃつまんねえよッ」
……はなんだろう、他の見物客も欲しいんだろか?

6巻の洋食屋さん、まだ営業してた! 作中時間で1年ぶり。*1
……なんか、椅子に座ってクロスのかかったテーブルについてる食事風景なんて、『ゴールデンカムイ』では珍しすぎて……
房太郎、食事のときは髪をちゃんと結んでるんだね、
というか、あれくらいの長髪結ばないで、カレーだのラーメンだの食おうとすると、酷い目に遭うからな!(経験者)
ヴァシリの顎の傷、そんなに酷くないようでよかった、骨が砕けて流動食とかウォッカが食事代わりとかじゃないかと危惧してたけど。右頬の射入孔より左頬の射出孔のほうが傷が大きいの、生々しい……
彼がオーバーコート脱いでるのも初めてだ。シャツ、左前なんだ?
スプーン使い慣れてるヴァシリと、慣れてなさげな房太郎の持ち方の違いも、細かい!
これだけの大騒動の中、平然とカレー食ってる房さん、さすが。

ちなみに、ヴァシリも房さんも、純粋にビジュアルが、私の趣味なので、二人が並んでるのがダブルで眼福ですよ。

そして、顔合わせて即殺し合いになる、杉元と土方w
杉元が土方を恨むのはわかるけど、なんでww 土方のほうからwww
この爺さん、血の気多すぎるwwwww
年の差50近くあるはずだけど、若い杉元と互角に戦ってる土方、相変らずスゲエよ。
銃剣が貫通してるんだけど! 年とると傷の治り遅いのに、って、ちょっと心配になる。

猛獣たちがいきなりガチバトル始めちゃったので、小動物たちはかわすのに必死。

アシリパ「いったん話し合え!!」
アシリパさんの目的が、民族運動だったなら、ウイルクの遺志を継いだはずの土方と敵対する必要はないんだし。
あれ、そもそも、キロランケとウイルクはなんで袂を分かったのだ。

キロランケはソフィアと組もうとしてたけど、ソフィアとその一派、むしろロシア帝国自体をひっくり返そうって革命軍だよね?
ウイルクは、(現ロシア内のいくつかの自治州のように)民族自立が果せれば、帝国自体はどうでもよかった、キロランケやソフィアは国家体制ごと変えようとした、と。

杉元は、アシリパさんを、武力闘争に巻き込みたくなくて、土方と離叛したはずなんだけど、アシリパさんはその殺伐とした戦いに自ら加わることを、決意しちゃったっぽいし?
ただし、アシリパさんの目指すものがなにかは、まだ、明らかにされてない。

白石・房太郎・牛山・土方・都丹がこの場にいて、さらに上エ地・〝ジャック・ザ・リッパー〟って、現在判明してる23人刺青の脱獄囚たちのうち、岩息以外の生存者が全員、札幌にいるんだけど?
なんて濃いいい同窓会なんだよ……

この場に尾形と、鶴見隊がやってきたら、更なる大混戦のヨカン。
まあ尾形は近寄らないだろうけど~
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さて、月曜に公式サイトに上がってから話題沸騰だったカラー扉。

鶴見のスタイルからして、宗教画が元ネタなのだろうと予想する。
TWITTERで教えを請うと*2、どうやら「無原罪の御宿り」の画題ではないかと。
antiquesanastasia.com
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この絵の構図が近いけど、これそのものが元ネタとは限らない。

鶴見が聖母マリアに擬えられるのは、ブグローの絵に続いて3回目。*3

鶴見が(最近はやけに筋肉マシマシでマチズモ強調してるけど)どことなく女性的なイメージがあるのは確かで、二次創作界隈でも鶴見受が少なくないしね。
彼が、権威だの大義だのって共同体の規律よりも、「愛」って個人間なキズナを多く利用するからか?
あるいは、愛と恐怖で我が子(=部下たち)を支配するバッドマザーのように描かれるせいかも知れない。鶴見の人心掌握は、父権主義というよりも母性的だ。

「御身はすべてが美しくあり給う」"TOTA PULCHRA ES"のキャッチフレーズは典雅ではあるのだけども。

しかし、「無原罪の御宿り」がテーマだとすると、結構、違和感がある。*4
宗教画なら上の二人は真ん中のマリアを祝福するはずだけど、二人は鶴見に離叛しようとしている。
マリアの周囲のオブジェクトは処女性を示すもののはずであるのに、鶴見を囲むそれは銃だし。
なにより、鶴見がなにかを胚胎するのだとしても、それは無原罪なのか?
鶴見が、救世主(イエス=無原罪)たろうとしてるのかも知れないが。

有古と菊田は、サブタイになってる映画「再会の街で」のポスターが元ネタかも知れない。
ciatr.jp
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よく見ると鶴見の周囲にあるのは三十年式小銃だ(遊底棹の形状や、ダストカバーの無いところから)。
つまりこれは、今現在の鶴見の部下たちの象徴ではなく、日露戦争で死んだ兵士たちの墓標なのだ。
天上から射した光によって、鶴見は墓から甦ったようにも見える。
今回の扉絵は、205話の扉、〝赤鶴見〟と対になってるように思う。*6
20巻の口絵でも使われてるけども、本誌連載時は205話の扉だった。それからちょうど40号目、ほぼ1年ぶりの、鶴見と銃。
1年前にはこんなこと書いてました。〝肋骨服と機関銃〟について。

銃といっても、ほとんど機関銃だと気付いた。 機関銃、サブでない固定式のマシンガンってのは、本来は防御のための武器なんだ。 一番守りたかったはずの妻子を守れなかった。といっても、スパイなんてやってたらそんな悲劇は織り込み済みのはず。 長谷川一家を殺したのは鶴見自身とも言える。 本来は防御のための最強の武力を、稲妻&蝮篇でも、網走篇でも、彼は攻撃のために使ってるっていう。もう守るものがないんだろか。 長谷川さんが妻子もろとも死んで、残ったのはアンデッドの怪物なのかもね?

金神205話「シネマトグラフ」感想 ゴールデンカムイ - day * day

機関銃の巣に横たわる死人の鶴見が、小銃の墓場から甦ったということだろか?

そう考えると、鶴見は、単に妻子の死を日露両帝国に復讐するというだけではなく、それも兼ねて、兵士たちに報いるために、満洲自治国家を作ろうとしているのかもね?
単なる復讐だと、後ろ向きで、つまんないんだよな……

*1:f:id:faomao:20200625184005j:plain

*2:https://twitter.com/mikamajina/status/1275038878408142848

*3:f:id:faomao:20200625134835j:plain
107話では稲妻&蝮の子供だったけど、同じ構図が179話でも繰り返される。
179話の時は、死んだ我が子を抱くピエタの絵になってる。
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*4:マリアが、神の子を宿らせたから無原罪なのではなく、彼女自身が最初から原罪(アダムとエヴァの犯した全人類に科された罪)から逃れてる、というのが、カソリックの教義であるらしい。正教会プロテスタントなんかは認めてない。

*5:
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*6:
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