day * day

日々是々

金神14巻の感想 ゴールデンカムイ

ずっとオフビートな冒険譚が続いてたけど、本格的なバトル、というよりかコンバット、それも大乱戦に、空気が変わる。
みんな、いつもと表情違う。
今回は大きな転換点、物語全体の前半の終り、という感じ。

紙本版購入特典その1のカバー裏表紙は(誰もが想像したとおり)犬童。
紙本特典その2の本体表紙は、カパラミプ。

杉元一行のカラー口絵は、ヤングジャンプ1837号(ゴールデンカムイ129話掲載)の表紙を飾った絵ですね。
その時は文字などでかなり隠れてたけど、今回はフルに近い絵で掲載されて ≡ΦwΦ≡
カラー表紙といってスカした立ちポーズとかでなくて、こういう野郎ばかりの濃ゆい絵になるのが、ゴールデンカムイという漫画。
単にデザイン的に構成されてるんじゃなくて、ちゃんと立体物として絡み合ってる。
まず牛山が尾形をリフティングしてて、その上に杉元が乗って左腕に尾形がしがみついてる。尾形、肌、白っ。彼の外套がハッキリ黄土色になってるのも意外。8巻の表紙だと白っぽかった。ウエメセは彼の十八番だし、それにこのポーズなんだか猫だ。
杉元は白石を小脇に抱え込んでて、キロランケが杉元に首に腕を回してる、キロの袖を白石が摘まんでるし、土方が杉元の肩を掴んでる。みんなやけにキメ顔だ。白石までこんな顔してるの珍しいw
よく見ると土方のうしろにアシリパさんが。
谷垣は他の人たちに絡んでなくて、右端のゲートルは谷垣の足で、で、ここで谷垣が脱ぎだして、グラビアに、と。
……なったんだけど、マタギのグラビアは袋綴お蔵入りになった模様。

第131話「破壊欲」

異変に騒然とする網走監獄。

舎房に釘付けにされる杉元と白石。
門倉は足止め役。
杉元達をオトリにして、アシリパさんと真のっぺら坊の奪回の機会を稼ぐ。
土方達は、鶴見の侵攻を知らなかったはずだから、彼らへのオトリではない。
鶴見隊が来なければ、密かにアシリパさんと真のっぺら坊を会わせれば済んだ。
鶴見が、軍艦まで持ち出して本格的な軍事作戦展開することまで、土方は予想してたのかどうか。

サブタイの「破壊欲」って、鶴見の本質なのかなあ。
しかし鶴見はマキャベリストなだけで、あくまで、新国家建設の目的に向かってるはずなのだ。
でもなあ、史実からしても、鶴見の計画は壮大すぎて実現不可能にも思える。
どう鯉登少将を巻き込んだか知れないけど、ホントに、鯉登少将は鶴見の計画に賛同してるのか。
有坂もだけど。

インカラマッ「杉元さんたちは失敗しました」 の判断早過ぎない? どうして、この時点で杉元達が失敗したと、知ってるのか?
インカラマッの真意は那辺なのか。谷垣が純朴すぎる。
鶴見が、アシリパさんとウイルク確保したら、そっちに合流するつもりだったようで。

鶴見、鯉登少将に船を出させるのは何日も前から計画してるはずで、杉元や土方がどう動こうと、網走監獄へのカチコミは元々の予定のはず。
杉元=土方組が網走監獄へ侵入しようとした時点で「失敗」と見做してるのか。
鶴見達は、杉元と土方の合同チームの侵入の日時を正確に把握していて、それに合わせて、侵攻してきた。
新月の日に決行するのは予想できたし。

雷型駆逐艦。8cm砲×2、6cm砲×4だそうですよ。
排水305t、吃水1.6mの船の艦砲射撃なんて、数十年後に太平洋で飛び交う鉄の雨に比べたらささやかなものだけど。*1
これでも日露戦争で活躍してるんだよなあ。
いくら頑強とはいえ、煉瓦塀なんかひとたまりもないわ。

砲撃にイッちゃうトリガーハッピーな鶴見www
脳に響くのが快感なんですかね……
彼がポンプ式のショットガン構えてるのがちょっと意外。
彼は登場の度に得物が違う。
……でも最強の武器は弁舌だ。

ちゃんと報告まで考えてる策士鶴見。
115話の飛蝗が伏線だったとは。ラッコ鍋だけじゃなかった。
飛蝗のニュースを聞いて、作戦立てたのか。
そういや作中の出来事が何月なのかハッキリ書かれたのは珍しい。
ラッコ鍋は8月の出来事だと。

彼の意図をようやく理解して青ざめる月島は、やっぱり鶴見隊の良心だ。
鶴見は、月島の疑問自体が理解出来ないかも知れない。
鶴見の目が死んでる……死神のスイッチが入ってしまった模様。

彼は半神半人のデミゴッドだ。
面従腹背な月島、純粋な崇拝者の鯉登、情熱に浮かされスティグマを甘受する宇佐美、復讐のために付き従ってる二階堂。
そして、祝福を不要と斬り捨てる背教者の尾形。
信仰よりもっと大事なものがあると気付いちゃった転向者の谷垣。
杉元が、鶴見の誘いにちょっと心動かされながらも乗らなかったのは、先に、アシリパさんって希望に出会っているからだろうな。

刑務官達の徽章は五角形の旭日章、陸軍は五芒星。
太陽と星の激突。

第132話「蹂躙」

谷垣とインカラマッのロマンス……結局助けるのは牛山なのね。
瓦礫に潰される*2なんてオヤクソクの展開すらひっくり返す、牛山、スゲエw

艦砲射撃、照明弾、投擲弾……
容赦ない武力制圧始めちゃった鶴見隊。
ゴロツキでない本物の刑務官だとしても、戦場で死線を掻い潜って来た兵士達にはかなわない。
とりわけ精神面。

殺戮の場面が増えた――っ!

そんな中で、ひたすらオタオタしてるだけの杉元と白石 c/w のっぺら坊(偽)。

都丹「門倉看守部長は」って。
あ、これ、連載時は、「7年も」って書かれてたのが、「何年」ってぼかされてる。
のっぺら坊がアイヌ惨殺事件で逮捕、収監されたのは物語の最初のほうで「5年前」となってる。前後半年まで幅見て、さらに物語開始から半年以上経ってるとして、ぎりぎり7年でもおかしくはないと思ったんだけど。

おそらく鶴見は宇佐美を通じて地上ののっぺら坊が偽者だと知ってたはず。舎房に来たのは囚人達を皆殺しにするため。

第133話「700人の凶悪犯」

相変わらず老獪な土方……こいつもちっとも信用出来ない。
策士な点では鶴見と良い勝負。

確かに杉元は、アシリパさんを父親に会わせたいはずだけど!

鶴見の手下、63名……ホントに?
最初は100人ほどって言ってた、ここ以外で活動してる員数もまだいるけど、既に数十人か死んでて、2名は逃亡中のはず。*3

この鶴見がまたイイ顔してるんだ。
その背後で鯉登が小銃構えてるのも珍しい。(小銃は歩兵の装備だから将校は基本は使わないそうで。とはいえ士官学校の学生時代にはまだ下士官だから小銃も習うはずだけど)

二階堂はもう復讐のことしか考えてない。

杉元一行も土方一味も、鶴見隊の侵攻は想定してなかったはず。
犬童は、鶴見、というか第7師団の攻撃は予想してたけど、しかし杉元や土方グループの侵入は想定外。

鶴見は、谷垣の電報やインカラマッから、杉元一行の行動を把握していたようだ。

偽のっぺら坊、あっさり死亡……

門倉に気づいておっかける宇佐美くん。
……なんで執着してるのよ? ウサ門まで公式になるとは……
宇佐美くんてキモかわいいw
宇佐美「首を狙ったんですけど…」ってのは、もしかして、『モンティ・パイソン・アンド・ザ・ホーリーグレイル』のkiller bunnyですかね……? 殺人ウサミ……*4

開房装置って、鈴川の脱走事件のときにちょこっと話題に出てきたやつ。

杉元達3人vs鶴見隊64人vs凶悪犯700人。
この鶴見のポーズは『スカーフェイス』のアルパチーノが元ネタ。
*5
このときの台詞、「Say Hello to My Little Friend!」は136話で採用されてる。

乱闘のドサクサに紛れて床下に逃げ出した杉元と白石……
二階堂は、のっぺら坊は眼中にない。

こっそり地下通路を掘って侵入、だとか、騒ぎを起こして隠した物に案内させる、だとか、なんだかシャーロック・ホームズみたいだ。

杉元「いつか 俺が邪魔になるはずだから…」 杉元は、土方とは相容れないと思ってたわけだ。
土方は最初っから杉元も捨て駒にするつもりだったようで。
杉元が刺青人皮を後生大事に携行してるにせよ、どっかに隠してるにせよ、のっぺら坊とアシリパさんが揃えば、もう、刺青人皮は不要だしね。
牛山や白石なんかはただカネが欲しいだけ。
キロランケは大義のために金塊を狙ってる。
家永は……成り行きで土方一味に入ってるだけか。こいつもカネに興味ないんだよね。自己研鑽だけが目的。

アイヌや大陸のパルチザンと組んでロシア革命に呼応して、日本からも帝政ロシアからも独立して、樺太・千島・北海道で自治州作る構想ってのが、土方にしても鶴見にしても一番、「ありえそう」ではあるんだが。
……でもレーニンの革命はもうちょっと先の話なのだ。
今のままだと土方一味ってただのギャング団。

通風口から脱出する白石……白石しか出来んて。
杉元、片腕しか出てないじゃないですか……
その白石にアシリパさん託すって、杉元、白石のことは信用してるんだ。
白石は何事にも衝動的だけど、なんだかんだで杉元のことは裏切れないような。恐怖と人情で。

第134話「教誨堂」

艦砲射撃に照明弾。
そりゃあ、聴覚に特化してる都丹にはキツかろう……

鶴見隊vs囚人達の死闘の見開き、まるごと追加されてら。
そりゃあ日露戦争の戦場体験した彼ら*6にとっては、徒手空拳の囚人共なんて物の数ではないのかもだが。
鯉登君、ちゃんと軍刀に持ち替えてる。

杉元の救出。
全体、切迫した状況のはずなのに、いまいち緊張感にかける……。
不死身だし主人公特権で、どうせ死なないってわかってるしな!

照明弾で敵に気がついて、瞬時に対応しちゃうの流石。
一コマで切り替わるとかスゲエかっこいい。
二階堂との再会……!
二階堂、杉元を探してずっとここらをうろついてたようだ。
杉元と二階堂、直に顔合わせるのって、3巻以降、初めてだ。9巻では結局顔合わせてないし。

あああ杉元の傷が増えた。
貫通してるよ!
痛いよ!
でも多分本人はハイになってるので痛み感じてないんだろうな。

教誨堂の地下には立派な地下牢。
いつの間にこんなの作ったんだ。看守部長の門倉にもナイショで。
気付かなかった門倉、やっぱり昼行灯なんでは。

のっぺら坊が網走監獄来たのは最大でも5年前だよね?
門倉は7年前からここに居るので。
なんで気付かなかったんだ。

都丹は犬童に恨み骨髄。
都丹「両目をぶち抜いてやる」ってこういう台詞も、死亡フラグだよな……
案の定、犬童の鉄球の一撃。

ようやく、真のっぺら坊の登場。
のっぺら坊と、土方の思惑が一致してるのかはナゾ。

そして犬童と土方の、手錠デスマッチ……!
んー犬童は、ここまで、土方(や杉元、とにかく第7師団以外)の侵入は知らなかったんだよね。

第135話「鎖デスマッチ」

杉元と二階堂の死闘から。
二階堂、意外と強い。しかしトドメ刺す前に余計なコト喋って機を逸するのは、いかにもヒール。
杉元はこの手の無駄口叩かないあたり、強い。

二階堂の仕込み銃のメカニズムがよくわからない。
どこにトリガーあるんだろ?

二階堂、今度は右手喪失。彼がどんどん目減りしてくのが切ない。
でもこいつ最後まで生き残りそう……

土方と犬童のチェーンデスマッチ。
榎本武揚がまだ生きてるってことは、どうやら、「今」は1908年以前。
(史実で)蝦夷共和国の幹部で戦死したのは土方歳三だけなので、ほんとに、土方は貧乏クジとしか。
榎本武揚、維新後は各種大臣、要職を転々としてる。
もとから優秀な人ではあったんだし、それこそ土方みたいな田舎の農民出身の剣客とは違う、エリートなんだ……

このやり取り、客観的には犬童のほうが正しいこと言ってるわけですよ。
徳川幕府の終焉は必然だったし、すっかり老朽化した幕藩体制に胡座かいてた老頭児は滅びるしかないのだけど。
忠義に価しない旧体制への忠義なんて絶望より、榎本武揚のように新しい社会の礎となるほうが、人間的にも社会的にも歴史的にも大きな意義があるのは確か。

ただし犬童は、忠義と大義の衝突なんてデカい話でなく。
個人的な復讐と支配欲でしかないのが、ケツの穴が小せえ。
それを土方に喝破されちゃう。
新政府もまた、真の意味での革命にはほど遠く、内発的な改革の意識ではなくって、外圧への対抗策としてその場しのぎな体制転換ゆえに、旧弊なシステムや付け焼き刃な輸入のシステムで代用せざるを得なかった。その矛盾や欺瞞が御一新から70年かかって社会に歪みを溜め込んでった。
犬童に正論を喋らせ、それから土方に欺瞞を暴かせる……ってこの下りが、面倒くさい政治論争に終始するんじゃなくて、あくまで剣戟の演出でしかないっていうのが巧妙だ。

犬童「毎朝 私の靴を磨き ご機嫌をとれ!!」――って、門倉さん、そういうことやらされてたんですかね……

土方と犬童、40年も連れ添ったんだよ……!
本作中のカップルでも一番、長い付き合いになるんじゃないですか。
この二人の40年の来し方がちょっと泣ける。
まるで披露宴で流されるビデオみたい。
最後に鎖で繋がれて殺し合い、なんて。
泥沼離婚調停じゃん……
それが今回のカバーだよ!

そして、犬童四郎助、GAME OVER。

土方「生け捕りに出来るほど まだ老いちゃいない」
って、
くーーー〰〰〰〰〰〰〰_(*_ _)ノ彡☆バンバン!!

(血で視界が黒く染まる……って演出、そういや、前作『スピナマラダ!』の源間兄ちょっと思い出した。)

第136話「最後の侍」

アシリパさん達、合流。
キロランケはしっかりアシリパさん守ろうとする。

土方が犬童に介錯
ひと太刀で首を落としてるのは、さすがですわ。

杉元と、のっぺら坊の遭遇。
アシリパさんはなぜ、父の名前を誰にも伝えないのだ。
「ウイルク」の名前を口にしてるのって、インカラマッだけ。

のっぺら坊も青い目の一族……
ウイルクは、どこで日本語憶えたんだろな。
司法機関ごまかせるくらいには日本語できるはずなので。
大陸の言葉、もしかするとポーランド語、ロシア語、アイヌ語、それに日本語も。語学の天才なのか。
ちなみにポーランドは情報数学、暗号学の国でもあるんだ(厄介な強国に挟まれてるので外交通信の暗号解読には国の存亡が懸ってる)*7

杉元がジャンヌ・ダルクを知っていることについては、先生のツイートが。

とすると、リアルタイムは07年の春以降?
杉元は06年11月に除隊して北海道に来た? 帰還して梅ちゃんに会いに行ったのは06年春なのか。

血と殺戮に酔ってる鶴見。
鶴見「有坂閣下の「坊や」に挨拶しろ!!」は、『スカーフェイス』のアルパチーノの台詞「Say Hello to My Little Friend!」が元ネタ。

この機関銃は、126話で有坂さんが持ってきた「試作品」、将来の三年式機関銃。
13巻の表紙のは、稲妻強盗を仕留めるのに使った、三八式機関銃。

杉元にとって、というか、多くのキャラにとって、アシリパさんはただの小娘じゃなくて、希望、救世主なんだよな。
彼女自身がホントはなにを望んでるのか――のっぺら坊の目指すアイヌ独立運動なのかそれとも杉元の望む平穏な生活なのか、それって、のっぺら坊も杉元も、知らない。
アシリパさん本人の意志は、誰も知らないどころか、気にもしてない。
杉元も、のっぺら坊も、自分の希望を、彼女に託してるだけだ。
彼らは絶望を経験して、そこから救いを求めて無垢な少女にすがろうとする。
そこが、一人の人間ではなく、救世主であることを期待されちゃった人物の辛いとこ。

杉元、アシリパさんをリスペクトしてるようで、過保護になってたりもする。
尾形が「男ってのは」って言ったのを慌てて止めようとしたり。
少女への気遣いではあるんだが、パターナリズムに陥りそうで不安だ。
アイヌのコタンでの殺戮でもそうだけどさ。
杉元は生のアシリパさんじゃなくって、自身の理想化された魂を投影しちゃってるんだよなあ。
*8

しかしアシリパさん自身には、なにがあるのか?
孤高って意味では、尾形とすごーく似てる。
なにが目的なのかもないし、誰かにすがろうともしない(でも助けられる)
遠距離射手って、他人と距離を取ろうとするのも共通点だし。

のっぺら坊がアシリパさんを救世主に仕立てようとするのって、鶴見が尾形を軍神の遺児として担ごうとしたのと丸被り。
この場に尾形いないで良かった(笑)
いたら、ブチ切れてのっぺら坊殺してるかもですよ?

……なんて書いたら後段、あの展開ですよ!!

途端にのっぺらぼうが胡散臭くなってきた。
そもそも、「北海道独立!」ていうなら、鶴見と目的が同じなんだし、手を組めるはずなのに。

第137話「呼応」

親子の思い出。
ウイルクが収監されたのって5年以上前だから、アシリパさんもせいぜい5~7才くらい。1巻で12・3才って見られてたのは、数え年のはずなので、満年齢だともうちょい下。
ウイルクもウイルクで、そんな年端もいかない娘にソロでヒグマ狩らせるとか。
でも、そんなうちからヒグマ殺してるアシリパさんもスゲエよ。
どんな幼女だよ。

キロランケからも「ウイルク」の名前が。なにげにインカラマッ以外がこの名を口にするのは初めて。
親子の呼応。
ようやく、アシリパ父=のっぺら坊=ウイルクが確定。

そこへ飛び込む銃弾。

……ウカツに冗談も書けねえよ。
「この場に」いなくても、油断出来なかった。
遠距離狙撃手ナメてました。

そろそろ登場してもいいんじゃないかなーどんなカタチで割り込んでくるんだろうなーと思うと、14巻で最初の登場シーンがこれですよ?
そういうやつだと思ってたよ!
みんなと馴れ合ったりしてる姿もそれはそれでカワイイかも知れないが、やっぱり、こいつの本性はこういう冷酷非情さだ。
こいつに人並みの人情があるなんて思っちゃダメだ。

だが、そこがイイ。

ワタクシのようなやさぐれた山猫ファンが、なにを彼に期待してるかっていったら、甘々なメロドラマなんて望んじゃいないんですよ。
この冷血っぷり、こういう展開こそ「彼らしい」し、期待以上だ。
しかも、見開きぶち抜きで登場なんて、ファンサービスにも程があるだろと。
最初のコマで静謐な表情してるのがイイよな。
そして、他のキャラたちすべてどころか、読者をも見下すような冷たい視線がステキ。
作者氏のドヤ顔が目に浮かぶようですよ?(顔知らないけど)

尾形の登場っていつもこのパターン。挨拶代わりに銃弾が飛んでくる。
便利なトリックスターで、人間らしい言動を期待されないから、なにやらかしても「有り得る」。メロウでルーティーンな展開をぶち壊して強引に物語を転換させることが出来る。
まるでデウス・エクス・マキナ、というか、リンクス・エクス・マキナ Lynx Ex Machina、「機械仕掛けのオオヤマネコ」。
ほらっ、彼の非人情っぷりって、まるで機械っぽいし?

連載時にはよくわからなかったけど、単行本見たら、杉元とのっぺら坊が出会ったのは、正門の真ん前だったのだね。

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5年前ったら、日露の開戦直前なんだ。
日清戦争が終わっても三国干渉だの義和団の乱だのと火種は燻ってて、特に日露の関係は不穏になる一方で、政府でも非戦か開戦かでモメてた時期。
開戦するにしても戦費の調達に四苦八苦してて、2万貫の金塊は日本政府にしても喉から手が出るほど欲しかったはずだし*9、中央の廻し者がいたりするんですかね。
師団長の花沢中将が金塊のことを知っていたのかも気になってる。知ってたなら、誰かに命じて調べさせてたろうし、鶴見こそその役割に相応しいんじゃね。

正直、ウイルクの死は予想の範囲ではある。だってウイルクとアシリパさんが一緒になったら、もう、刺青人皮集める必要ないしね。
刺青人皮にストーリーを戻すなら、のっぺら坊がウイルクではないか、ウイルクが死ぬか、しかないわけで。

第138話「喪失」

すっかり取り乱すアシリパさん。
こうなると誰も信用出来なくなってくる。
なんか白石まで挙動不審だ。

網走の全景が。
尾形の居場所、もっと森の中のほうかと思ってたけど、門の近くの監視塔なのかな。
風が強いから、あまり離れると銃弾が流されちゃう。

尾形「もう少し左か?」
尾形「マタギ野郎が邪魔をするな」

杉元にトドメ差しにかかる尾形。
いいぞお、こういう冷酷さ。

腕撃ち抜かれながら懸命に二人を救助する谷垣。
杉元とウイルク引きずって、ってスゲエよ、谷垣。

インカラマッ「キロランケがどこかに合図していました」
この(インカラマッのいう中の)キロランケ、前々のコマからして、監獄の外、正門に向かって右後方を向いてるのだよね。

鶴見隊に確保される谷垣達。
鶴見のすぐ後ろに、鯉登、宇佐美、月島がちゃんと揃ってる。

アシリパさんグループ。
白石、キロランケ、尾形、って、いちばん信用出来ない3人が。
白石はもっとも人間的なゆえに弱くて、だから、杉元やらツワモノ共みたいな強さの期待を負わせちゃ酷だ。
キロや尾形は真意が掴めん。

尾形「近づいて確認したが ふたりとも死んでいた」 って、でも、二人の死を確認してない。谷垣もろとも鶴見が確保してるのまで見てるのに。
アシリパさんに杉元のことを諦めさせるために、その場しのぎに嘘ついたんだろうけど。
狙撃のことは知らないフリ……でも谷垣や杉元にはバレバレだ。他に、動機がありそうで、しかも狙撃の腕のある奴いないじゃん。

倒れるアシリパさんを受け止めてるのは白石。
尾形はそういう気遣い全くしない。

戦い済んだ網走監獄……ほんとに監獄側の生き残りゼロなの……
ちなみに、ホントに、1909(明治42)年、網走監獄は火事で全焼してるのだ。
監獄秘話 建物の歴史 | 博物館 網走監獄 *10

夜が明けて。

案の定、杉元生きてるし。
カケトモってwww
鶴見はそもそも杉元を味方に引き入れたいんだった、強力な戦士だから。

杉元、谷垣、家永、インカラマッ、チカパシ、リュウは鶴見の傘下に。
家永「驚異的な回復力の杉元さんだから助かったのですけれど…」ってことは、ウイルクは助からなかったのかな。

月島、また、面倒くさい人の世話役ぅ? つくづく苦労人だ……
家永が初めて医者っぽいぞ。顔は妙齢の女性なのに首から下がすっかりおっさんになってるし。
家永カノ、本名は親延《チカノブ》って明かされてたけど*11、元ネタは、HHホームズと、ハンニバル“カンニバル”レクター。
家永「ズズズズッ ズチャッチャッ」ってのは、『羊たちの沈黙』のレクター教授。脳を喰う話は小説や映画『ハンニバル』のラストのほうに出て来るw*12
生姜醤油……美味いかなあ。

杉元、ホントに脳に被弾したんだ。
余計なモノが見えるようになっちゃったりしませんかね……

舞台は樺太へ。
今後、世界史上では、辛亥革命ロシア革命第一次世界大戦~シベリア出兵ってイベントが連続してる。
満州にはもう関東総督府南満州鉄道社もあるし。

アシリパさんに声掛ける尾形……どーみても胡散臭い。
こいつが他人を思い遣る言葉を吐くなんて、心底からとは思えない*13
他人に手を差し延べるってことも絶対にしない。流れとしてはそうしても不自然じゃないのに、アシリパさんに手を差し出してない。
網走から退避するときも、倒れたアシリパさんを助けたのは白石だ。
尾形は、杉元みたいにアシリパさんを相互に思い遣る相手とは見てないんだよね。*14
行く手を指し示す星のように見てるのかも知れないけど。(→金神121話「暗中」金神11巻の感想 上(101~104話)

尾形が87話で捕まえようとした蝶*15は、小蝶辺明日子ことアシリパさんの寓意って考えるのが妥当なんだろか?
尾形が他人に関心を持つなんて希有だけど、ここにきて、なにか執着があるように思えてくる。
でもそれって、いわゆる愛情ではないのだよね……だって彼女に手を差し伸べるとか、人同士の親愛の情を示すことは一切しないのだから。

尾形「行こう アシリパ…」のコマ、よく見ると尾形の瞳に光が入ってる。これって1巻のほとんど別人のとき以来だ。彼が人の心に気付き始めたってことなんですかね……逆に恐いけど! 今まで冷血故にある種の公平さを保ってたのに、人情で動くと余計に被害者多くなりそうで。
キロランケの目的もよくわからない。ウイルクと共に独立運動からロシア革命目指してたのなら、尾形もそこに誘ったの?
てかキロランケ、小樽に妻子残してるのに。
まさか、戦時中から、尾形とキロが知り合い?

ここで第一部・完のようだ。

第139話「樺太へ」

土方一味は教誨堂の地下に隠れてる模様。
門倉も都丹もまだ生きてる!
夏太郎、喰われそう(笑)
牛山、家永に感化されてる……
ひかりごけ」かっ*16
……やっぱりこのメンツだと一番美味そうなのは夏太郎くんだ。

犬童のヒミツのコレクション部屋。土方尽くし。
「門倉タヌキ」ってのもポイント。
右端の、「十二號」ってあるので土方の囚人服だ。
土方の肖像まで飾ってるし、犬童、ベタ惚れだったのねえ。ストーカーですよ、まるで。
その土方に、介錯してもらえたんだから、ある意味、本望だったのかしら。
ここにも奇妙なカタチの情愛関係が。

杉元「あんな狙撃が出来るのは」 杉元、さすがよくわかってる(笑)
杉元「あいつを感じた」て、なにか通じてるっぽいですよ。
ずっと、尾形のことを疑ってた、気を置いてたってこと。

その尾形のほうは。
尾形「金塊の在り処か…アシリパしか知らない暗号を解く鍵か…あるいはアンタのことか」
って、杉元のことをわかってない。すごーく即物的というか、アシリパさんを思い遣る杉元の心を理解してない。

尾形「杉元は撃たれる瞬間~身体の中心を隠した」 
杉元のヌードをよく見ると確かに、身体の中心線には貫通創や大きな傷を負ってない。「不死身」の理由には、とっさに躱すだけ身軽なのと、運が良いのともあるようだ。

やさぐれた野心家っぽい尾形が再び。
カワイイよ野良猫尾形カワイイ。

尾形とキロランケの同盟。
いつからこの二人が組んでるのかわからん。
12巻の追加修正見ると、釧路の時点では既に尾形とキロは密かに組んでるっぽい。尾形は、インカラマッの提示したキロへの疑念を逸らそうとしてる。
土方とは別口でキロはキロでパルチザンとして戦略立ててるのか。どっちにしても尾形が大きな目的の立案者とは思えない。

尾形、今はやはり三十年式実包装備してるようだ。
三八式はまだ市販されてないのかな。

尾形「怒り狂ってるかもな」
杉元「ぶっ殺してやる」
なんだかなあ、このラブラブっぷり(笑)
こういうときは、相思相愛になる二人。
きっと殺し愛。
尾形が他人の感情を慮ってるのも滅多にないし、仕留め損なってるかもってむしろ嬉しそう。
また撃てるしね!

杉元の持ってた皮はすべて鶴見に。
鶴見が着てる「鎬」って、二瓶じゃないのさコレ。杉元から取り上げて早速仕立てて着込んでるとか、鶴見ってば。
「目」は辺見和雄、「皿」は若山輝一郎。「絽」は姉畑。
よく見るとちゃんと襦袢の上に皮シャツ着てる。敏感肌

鶴見は、囚人全員の身元は知ってるはず。
家永もそういや刺青の囚人でした。

インカラマッとキロランケのやり取り。
……あくまでインカラマッの証言なんだ。

鶴見の考えでは、のっぺら坊とキロランケはあくまで、樺太アイヌや大陸の反帝国のパルチザン一派だと。
キロランケが「自分は北海道のアイヌのために」と言ってたのはウソだと、鶴見・インカラマッは考えてるわけだね。
谷垣はすっかりインカラマッに絆されてるけど……

杉元、200円って初志回帰。
アイヌパルチザンなんかどうでもいいんだよね、最初から。途中で網走へ、なんて大きな寄り道してたけど。
金塊が見つかったら……アシリパさんとはどうするんだろう。
「ぶっ殺してやる」の台詞が衝動から発せられたにせよ、キロランケや尾形を殺すってことは、キロ達の独立運動は阻止する、結果的には鶴見の北海道独立作戦に協力することになる。鶴見の目的にはアシリパさんは不要だから、アシリパさんをジャンヌ・ダルクに仕立てたい土方やキロより、鶴見のほうが、杉元には都合がいいのかもだ。

杉元「つまみ食いしただろ」ってわかりにくい。
家永が手術の最中に杉元の脳ミソつまみ食いして、杉元の感情が乗り移って、それで、家永「アシリパさんを絶対に」って執着してる、ってことだよね。

杉元が持ってる銃……三十年式だな。鶴見に三八式貰わなかったんだ。
この三十年式、尾形が病院から逃げ出したときに持ってたヤツだ。それから谷垣、三島、前山、その他、第七師団の連中撃ちまくってる、茨戸でも活躍して日泥父も仕留めてる銃だ。
*17

鯉登少将、あの息子の父親にしては、大人物っぽい。

鯉登少尉、やっと下の名前が!
音之進くん
鯉登少将「いずれ指揮官に」って。
彼は恐らく陸士16期卒、日露戦争に従軍経験のない最初の世代と思われる。彼から下の、戦場の現実を知らない世代が30年後に昭和陸軍の幹部なわけで、鯉登パパが不安がるのも宜なるかな
なんですかグンニャッって!
正統派の美形なのに、端々に見えるキモ可愛さ。

花沢中将から鯉登少将への手紙、いつ、花沢が書いたの? 尾形が書かせたとは思えないので、鶴見が書かせたのか?
それとももっと前に書いたのか?
花沢中将の肖像、目の周りが尾形ソックリで笑えるくらい。
勇作君の顔も見てみたいよなあ。

鯉登少将が語るこの下り。
鯉登少将はイイ話をしてるんだけど、その切っ掛けは虚構なのだ。
花沢中将は切腹したわけじゃないし、勇作君も戦死したわけじゃない。
どっちも手を下したのは尾形だ。
中将の死は鶴見の謀殺で、この手紙の筆者すら怪しい。鯉登少将は完全に鶴見に騙されてるんだ。
花沢中将「愚かな父の面目を」ってのは中将の本心かも知れないけども。

ここから、杉元・谷垣・鯉登・月島・リュウ+チカパシってパーティ編成になる。

第140話「アイヌの女の子」

扉の勢揃い。
谷垣、デカっ。今まで他人と並び立ってる絵があんまりなかったけど。鯉登よりも頭一つデカいの……
(当時の成人男子の体格からして)月島が155cmくらい、杉元160、鯉登165だとしたら、谷垣、180以上ありそうなんですが。
……軍服のサイズあったんだろか。

鯉登の着てる将校用の外套、サーベル通す穴が開いてるんだね。

さっそく鯉登w
可愛いんだけど! 音之進君。
ますますアホの子になってくw

なんだこの荷物。
……チカパシとリュウが入ってたやつ以外のトランク5つに鶴見の写真が詰まってたらどうしよう……

月島「これ以上子守りをする気はないぞ」 デスヨネー
ああ鯉登、自分のこと言われてるってちゃんとわかってるんだな。
意外と繊細なのかも知れない。お坊ちゃま育ちなだけで。
この一行、階級は鯉登が唯一の将校だけど、実質は月島が班長だし、でもリーダーは杉元だ。
月島は慎重すぎてあんまり牽引力がないタイプ。

聞き込みにまわる一行。
なぜに谷垣のブロマイドが。
地元のおっさんまでマタギの魅力にメロメロですわよ。

さっさと茶屋にシケ込んでる鯉登……これだから月島、苦労が絶えないのね。
鶴見やパパがいないところだと、途端に、横柄で傲慢になる鯉登。

杉元、ちゃんとワイン飲み干してからコップ投げてる!
鯉登はへーきで飲物投げるけど、杉元は粗末にしない。

あっさり、鯉登、組み敷かれてる。
杉元、脚のケガ治ってなくて固定装具つけてるのに。
組み合いだと杉元のが絶対に強い。
月島も、そこまで懸命に杉元止めようとしてないので、多少は鯉登を痛い目に遭わして躾けしたいんだろうか。
すぐに殴り合いになるとか、杉元と鯉登は沸点が同じくらいなのかも知れない。(尾形は沸騰せずにいきなり昇華するタイプだ*18
てか、杉元も全方位に敵作るよね。

そしてまた谷垣のブロマイド。

月島「Здравствуйте(こんにちは)」*19 おお、月島、ロシア語出来るんだ。
鶴見が情報将校なんて胡散臭い肩書きなので、月島も情報員だったりするんですかね。
捕虜の尋問したりとかさ。
月島、淡々と捕虜の指切り落としたりとかしそう。死んだ目で。*20

樺太アイヌの少女。
この漫画ではレアな、少女キャラ。

……ねえなんで杉元、谷垣のブロマイド、何種類も持ち歩いてるの……?

そしてヒグマとの遭遇……+α。
行く先々でヒグマに出会う杉元。
鯉登、ヒグマに怯むわけじゃないあたりは、ちゃんと、軍人さん。

鯉登「なんか小さいのが」
杉元「こいつがヒグマを襲っていたのか?」
クズリ、英語名ウルヴァリンwolverine ですよ。
トナカイやヘラジカ襲うこともあるらしいが、さすがにヒグマはどうだろか。よほど飢えてたとかヒグマに襲われて逆襲したとか?

本州・北海道・樺太で、動物相が微妙に違うのってオモシロイ。
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間宮海峡はごく狭くて浅いので、大陸と動物はほぼ同じなのかな?

杉元「リュウは分かるみたいだぜ」
……ナニゲに杉元、鯉登を馬鹿にしてる?
犬以下って。

案の定、不用意に近付いていきなり襲われてる鯉登www

網走篇でずっと夜の陰険な展開が続いてたので、陽気な冒険譚になってちょっとホッとする。
今の杉元チーム、基本的には、明朗としたキャラばかりだ。

今回は参考文献多い!
さらに参考文献と謝辞が合体しちゃった。

その他、目に付いた修正、変更点。

前巻に引き続き、夜のシーンが多くて本誌連載時は潰れちゃってたのが、はっきり見えるようになった。
連載時と比べて、あまり大きな変更がなかったのはちょっと意外。
バトル、死闘と殺戮の絵が増えたくらいだ。

■ 第131話「破壊欲」

  • 最初の1見開き丸ごと。
  • 杉元の顔アップ。
  • 塀の外、谷垣・インカラマッ・夏太郎の3人のシルエット追加。
  • 砲撃のシーン、鶴見の台詞が、「はんうッ…」から「はんッ…」に。なんだこの修正。

■ 第132話「蹂躙」

  • 土方が塀に沿って歩くコマが次の見開きに送られてる。
  • 各監視所で襲われる看守達の見開き。
  • 都丹の台詞「7年も」が「何年も」に。時間がぼかされた。

■ 第133話「700人の凶悪犯」
■ 第134話「教誨堂」

  • 鶴見隊vs囚人達の肉弾戦の1見開きまるごと追加。鯉登君ちゃんと軍刀に持ち替えてる。

■ 第135話「鎖デスマッチ」

  • 土方と犬童の対決の1見開き追加。このシーケンス全体、コマが大きくなってページが増えてる。

■ 第136話「最後の侍」

  • 最初のページの最後のコマ、白石の台詞追加。
  • 次のページ、キロランケの台詞。
  • ウイルクの言葉遣いが微妙に変ってる。「仕込んだ」という言葉が「育てた」に。
  • ウイルクから杉元への言葉も。「随分と仕込まれたようだな」→「随分と気に入られてるようだな」

■ 第137話「呼応」

  • 尾形の座ってる場所。連載時はもっと森の中に見えたけど、監視搭になってる。
  • 最終ページの鶴見の顔。もっと正面向いてたのが、ちょっと斜めに。

■ 第138話「喪失」

  • 網走監獄の全景の見開き追加。
  • 監視塔の上の尾形。
  • 尾形「もう少し左か?」「マタギ野郎が邪魔をするな」の台詞追加。クソ尾形っぷり↑
  • 尾形の監視搭

■ 第139話「樺太へ」
■ 第140話「アイヌの女の子」

  • 杉元、連載時はワイン入ったコップを鯉登に投げつけてたのだけど、ワインを飲み干すコマが追加。飲物粗末にしない! 酒を注がせるのが点火剤追加に見えるw
  • ラスト2ページ、連載時は、次の141話の冒頭の2ページ。15巻、いきなり鯉登がケダモノに襲われるシーンから始まるとか……

連載時の記事。

第131話「破壊欲」
第132話「蹂躙」
第133話「700人の凶悪犯」
第134話「教誨堂」
第135話「鎖デスマッチ」
第136話「最後の侍」
第137話「呼応」
第138話「喪失」
第139話「樺太へ」
第140話「アイヌの女の子」

*1:現在の自衛隊の艦船だと、ミサイル艦のクラスなのね。

*2:戦闘潮流 - Wikipedia

*3:山猫と小熊。

*4:殺人ウサギ ……とはいえ私にはWizardryの Vorpal Bunny のほうがオナジミだ。ウサギのくせにクリティカルヒット持ってて首刎ねてくる。もちろんこれの元ネタもモンティパイソン。

*5:
ヤングジャンプ vol.1842、『スカーフェイス

*6:鯉登除く。

*7:ドイツの「エニグマ」を最初に解読したのもポーランドの情報部。ただしエニグマ改の解読をするには予算が足りなかった……

*8:この下り、実は、スピルバーグの『宇宙戦争』思い出した。「敵と戦うんだ!」っていきり立つ息子に、父である主人公が「戦うのは勝手だが10才の妹を巻き込むな」ってたしなめる。この主人公の子供二人はウエルズの原作にはなくて、映画オリジナル。で、主人公の内心の二面性を象徴してるわけ。侵略者に対して戦いたいってココロと、それよりももっと大事なことがある、ってココロと。後段、娘を守るために主人公が他の人を殺すことになるのが切ない……

*9:日露戦争の戦費は総額で20億程。当時の国家予算が3億足らず、結局、ほとんど外債で賄ったけど、第二次大戦中まで連合国側の国に対してその返済が続いてたっつー。借金は怖いねえ。

*10:放射状舎房は1912年の再建時に作られた、という記述は見なかったことにする。

*11:

*12:リドリー・スコット監督、ホントにあの原作のシーン映像化するのかよ?って危惧してたけど、ちゃんと撮ってたねえ。原作者のトマス・ハリスが、『羊たちの沈黙』の映画でジョディ・フォスターにベタ惚れして当て書でレクターとの晩餐のシーンを書いたんだけど、ジョディがそのシーン嫌がって降板して、で、ジュリアン・ムーアクラリス役になったという因縁付の。

*13:念為。私は尾形が大好きなのだ。cool で coldblood で clever なクソ尾形が。好きなキャラだからこそいくらでも悪し様に言えるし、彼がむしろ人並みの人情を見せたりするほうが違和感を覚えて、真意を疑ってしまうのだ。
乙女チックなロマンチシズムとしては尾形の心の隅に最後に人情の欠片が残ってることを期待してしまうのだけど、しかし私の中の猫科動物が言うのだよ、「そんな凡庸さなんかクソクラエ」と。

*14:121話でもアシリパさんのすぐそばの敵を撃ってる、よほど銃の腕に自信あるんだろうけど、ちょっと外れたら、或いは彼等が身動きしたらアシリパさんに当たってたかもだし。

*15:金神 9巻 感想 下

*16:ひかりごけ - Wikipedia。これの舞台は羅臼だけど。

*17:ちなみに尾形の持ってる三八式は、飛行船のときに杉元が兵士からぶんどった銃だ。これ、鯉登の打ち込みと杉元の石頭食らってるから、銃身歪んでるんじゃないかって心配……

*18:昇華というか昇天させるというか。

*19:「ズドらーストヴィチェ」って発音するようですよ→かんたん ロシア語 知り合おう! あいさつ 基本表現

*20:日露戦当時はまだジュネーブ条約で捕虜への拷問は禁止されてないからな。たとえ禁止されてても鶴見の命令なら諾々と従うだろうけど。