月島が主役の回のはずだが、どうしても鶴見の存在感のほうが目立ってしまう(贔屓目)
和やかに一行に別れを告げる、岩息。
だから、俺より強い奴に会いにいく。は、スト2のCMコピー。
このパーティ、やっぱりリーダーは月島なのね。
階級は鯉登のほうが上だけど!
このアイテム刺青リスト、んー鶴見隊の分だけか。
結局、杉元も、土方一味、土方や牛山、「茨戸」の刺青のコピーは貰ってない。
あ、家永が抜けてる。
家永、外科医として優秀だから、鶴見も、さっさと殺して皮剥いだりしないよね、きっと。
月島「いつか取り返しのつかないことになる」って、もしかして、次回に続くのか。
舞台は唐突に、明治29年(1896年)に。
月島が鶴見の腹心になった経緯。
鶴見、このとき少尉さんだから30は行ってないはずだ。
鶴見第1形態ってすっげえイケメンだと思うのです。*1
私が金神のキャラで一番好きなのは尾形だけど、一番セクシ~だとか二枚目だと思うのは、鶴見。あの性格も含めて(クールなマキャベリストって大好き。横山光輝「三国志」の曹操以来)
月島が佐渡の出身ってのは単行本でなんとなく明かされてたけど、鶴見も新潟出身でしたとは。
ようやく月島の下の名前が。
「基ちゃん」
わざわざフォントの級数とウェイト上げてるのは、月島クラスタへのサービスですかね。
なにげに2巻から登場していきなり和田大尉射殺してたりするのに、「月島」って名前が出て来たのは8巻が最初だし、今回149話になってやっと下の名前……これ15巻に収録されるハズ。
ところで月島、喧嘩に明け暮れて、鼻の軟骨折っちゃったりしたんでしょうか。
恋人の話。
彼女のくせっ毛が、なんだか、ミシャの絵っぽく。
ここで、あえて彼女の顔や名前を出さないのも、きっとファンサービス。ドリームSSみたいな。
新発田の第2師団ってことは、歩兵第16聯隊。
入隊してすぐに日清戦争(1894年)とあるので、月島が志願兵なのか徴兵なのか不明だけど徴兵として21で入隊したとすると、月島は1873年前後の生まれってことになりますかね。
鶴見が陸士出たての少尉として日清戦争に従軍したとすると、1894年に23才、1871年あたりの生まれ?
陸士でなくて一般の大学卒からだったりするともうちょっと上かも知れない。
ゴールデンカムイの劇中のリアルタイムが06年なら、30代半ばから40行くかどうか。
(アニメの声優さん、大塚芳忠氏だと、ちょっと渋すぎの気がしないでもない)
月島もまた、親殺しの凶状持ちだった。
「親殺しは巣立ちのための通過儀礼」というのなら、月島が巣立ったのは、抑圧され搾取される一方の被害者としての自分。
月島の殺意はワカリヤスイ。
社会(といっても狭い地元地域でしかないけど)からは悪童と排斥され、ろくでもない父親に人生を牛耳られて全ての希望を失われたすえの、ルサンチマンの爆発。
そこまで絶望してようやく父親を殺すことが出来たのなら、月島はやっぱり「普通の人」だ。*2
結果として、死刑囚となり、国家という父親よりも大きな権威によって生命を奪われることになったとしても。
そんなクソ親父の下に生まれついた自分はクソ親父を殺すことが自分の生だとして、それを果したので、人生を終わったと思ったわけだ。
だけど、全てを失ったと思っていた月島は、鶴見によって、彼女が生きているという希望を胸に点す。
二度と彼女に会うことはないとしても、クソ親父に付随することだけが自分の人生ではなかったと。
つくづく、鶴見って、メフィストフェレスなんだよなああああ。
現世に絶望した者の前に現れて、希望を囁く。
「この世はまだ捨てたものではない」と。
しかしだ。
鶴見「「えご草ちゃん」は」って、あくまで、「えご草ちゃん」。月島のいう「いご草」じゃなく。
鶴見は実のところ、(ゲーテの書いたファウスト博士に対するメフィストフェレスのような)月島自身の心の中で絶望に抗う半身なんかじゃないんだな。
鶴見自身の目的を持った利己的な存在だし、そのためにあらゆる手段を使うマキャベリストだし、胡散臭いデミゴッドだ。
*3
言葉巧みに月島を籠絡する鶴見。
この鶴見の弁舌が素晴らしすぎるwwww
策謀家の本領発揮。
今までの人生をフォーマットして、自分の道具としての人生を与えてやると。
そういや、ここで鶴見の一人称、「おれ」になってら(ほとんど「私」だけど、たまに「俺」になってるシーンもある)。
え、ここから牢内でロシア語勉強して、少なくとも日常会話出来るくらいまでになったのか!
すごいよハジメちゃん。
その才能も見抜いたのか、鶴見。
鶴見「第七師団に転属になった」
屯田兵を改組して、第七師団が編成されたのはちょうどこの年、1896年なのだよね。
月寒に、ていってる。
第七師団、この頃はまだ、札幌にあったようで。
特務機関はわからんけど、屯田兵にしろ、そもそもがロシアを牽制するために置かれたんだから(他の師団が、元々は鎮守=地方の反乱・内憂を抑えるために設けられた軍に端を発するのに対して、屯田兵は最初からロシアって外敵に備えるために作られた組織)、情報機関があっても不思議じゃない。
一気に時間が飛んで、1905年の奉天郊外。
「何でここにいる?」と問われて、
月島「……さあな」
モブ兵士はそんなに深い意味はなく、死刑囚のはずの月島がなんでここにいるんだ、って訊きたいんだろうけど。
月島はもう、自身の理由なんかなくて鶴見に付き従ってるだけ。
ずっと鶴見に騙されてたことを知ってしまった、月島。
9年間、確認しなかったのね……
じゃああの髪の毛はなんだったんだ。
きっと月島、あの髪の毛に頬ずりしたり下着ん中に入れたりしてそうだし?
……誰の毛なんだよ……
「綺麗な嘘」で相手を籠絡するのって鶴見の常套手段だ。
鯉登は親子して引っかかってるようだ。
尾形が騙されなかったのは、彼には、そういう「綺麗さ」を享受する心がないからだろう……
杉元は、ちょっと心動かされてたけど、もっと純粋で綺麗な希望に先に出会ってるから。
月島が鶴見に向って怒ってるなんて初めてだ。
そして多分これが最後。
どんな「取り返しの付かないこと」になったのか、と。
月島の腹の傷と鶴見の頭の傷と関係してたりするんですかね。
月島が、鶴見に対して新たな負い目持つことになったり。
こんなところで1週休載、て、なんてクリフハンガー。
気をもたせるじゃあないですか。
にしても休載理由、春闘てwww
いやたしかに奉天会戦って3月だけど!
意味違う!
(マジに労使交渉のために休載するんだったらちょっと尊敬する)
*1:全く勝手に独断に個人的趣味で、鶴見って、実写だと、伊勢谷友介のイメージ。
*2:多数派の人間は殺人という本能的なタブーを犯すって心理的な壁を越えるには大きな動機付けが必要なのだけど、少数派の、「普通じゃない人」にとってはその壁はごく低いか、全くないか、なのだ。尾形はその意味で少数派、「普通じゃない人」の側のようだ。
*3:この、房内での鶴見と月島の対話って、8巻の鶴見と谷垣の対話をなぞってるし、また、11巻の、尾形と花沢の対話にも擬えられてるのは確かだよね。
尾形は花沢との後で鶴見とも顔合わせてるけど対話してない。しかも、月島や谷垣が、鶴見とちゃんと対話してるのに対して、尾形は死にかけた花沢パパ前に一方的に告解するだけ。そのへん、尾形の孤高、それも杉元みたいな自責の念から結果的に一匹狼になってしまうんじゃなくって、ハナから対話の相手を求めてないって猫科っぽい孤高さなんだ。