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日々是々

金神177「長谷川写真館」感想 ゴールデンカムイ

4人の過去……?*1

青春とは、狂気と燃ゆる熱の時代である。
って扉のアオリ、出典はFフェヌロン『テレマック』だそうですよ。*2

ウラジオストクが舞台になるのも初めて。
皇帝暗殺(1881年)から10年以上ってあるから、90年代半ばのことらしい。
日清戦争の前後。

狼は、ウイルク(狼)の登場の予兆。
あざとい……w

キロランケとウイルクとソフィア、3人の逃避行、って、なんだか、今まで散々語られてきた、アシリパさん中心とした冒険行を思わせる。
キロランケ、このころはまだユルバルスって名前なのかな。

日本語学ぶってことは、日本に渡る計画があったようだ。
まさか、もうすでに金塊のことを知ってたわけじゃないよね。
日本に潜伏するつもりだったのか。

ウイルクもキロランケも、アイヌの血を継いでるのは確かなんだ。
でもウイルクの名前はポーランド語、キロランケの本名ユルバルスタタール語。
ウイルクはアイヌ名(和名も)持たなかったようだ。
「フィリップ」の語源は「馬を愛する者」だから、キロランケがここで名乗ってる偽名に相応しい。

長谷川「特にグリゴリーさんは…」
ってセリフだけど、ロシア文では「Особенно Вилк.」――「ウイルク」になってる……
orz

なんで縁もゆかりもない日本に渡ろうとしたんだろ。
後々軍隊経験のあるキロはまだしも、ウイルクは北海道来てからもそんなに和人と接触もしてないようだし。
ウイルクの母語ポーランド語かアイヌ語、キロランケはタタール語かロシア語かアイヌ語のはず。
もちろん二人ともロシア語が出来るのは当然としても。
ウイルク、のっぺら坊として、日本の官憲ごまかせるくらいには、日本語出来たはずなんだよな。刺青の漢字はどこから?
アシリパさんの日本語はウイルクに習ったんだろうか? でも読み書きは怪しい。仮名はともかく、アシリパさん、漢字苦手だよね?*3
ウイルクやキロランケはマルチリンガルだし、凄まじく頭が良い。特に言語。
ウイルクが暗号学に長けてるっていうのは、ポーランドがルーツってことと関係してるんだろか。しかし、アシリパさんに諸言語や暗号学を教えてないってのは、本気で運動のリーダーに仕立てる気があったのか、どうか。少なくともアシリパさんが日本語とアイヌ語しか出来ないようなので、樺太や大陸の諸民族と対話することは考えてなかった? それとも補佐する誰かを付けるつもりだったのか。キロランケがその補佐役になるはずだった?

ソフィアの母語はフランス語かもね。
当時のロシアの上流階級はフランス語が公用語だったんだそうで。

日本でも赤化貴族事件なんてあったなあ、などと。
革命を志向するのは大抵、有産階級、上流階級だ。

他のキリスト教圏の国々、例えばカソリックは世俗の長としての諸国王とは別に、教会の長として、ローマ教皇を戴いてた。教皇が「神の代理人」として、「人々の心の中に神の王国を築く」。教会の権威のほうが王より上にある。*4
対して、ロマノフ王朝はその起こりからロシア正教会の権威を利用して、教会を皇帝の管轄下に置いたわけ。
だから、教会の権威=皇帝の権威になる。

19世紀通じて、ロシアで皇帝狙ったテロは頻発してたそうで。
ロシア革命には100年の助走期間があるのだと。
しかし、キロランケ達が殺した皇帝アレクサンドル2世は、歴代では開明派で、少数民族にも温和な政策採ってたってのが皮肉。

白石「キロランケとウイルクは少数民族独立運動のために戦っていたんじゃなかったのか?」
……このへんがよく分からない。
キロランケとウイルクの虎狼コンビ。
最初は、少数民族がロシアからの独立を目指す運動だったのに、ウイルクが途中で変心して北海道アイヌの日本からの独立運動にシフトしてしまったので、反目した、ってことなんだろか?

赤ん坊抱えて嬉しそうなソフィアさん。
彼女も、小さい弟妹とか身近に赤ん坊がいたのかな。

そして、二人の正体に気付いてしまった、長谷川さん。

長谷川夫妻、イヤな予感しかしない……(ラブラブなカップルは決まって悲劇に見舞われるのがこの漫画)
あーこの赤ん坊、アシリパさんとだいたい同い年なのか。
オリガ=「祝福された者」だしなあ。
この子が、アシリパさん本人だったりするん?もっと大きなオチだった。

*1:「4人」てとこは当たってたのだが……

*2:『テレマックの冒険』 - 読書な日々

*3:前に出て来た「漢字なんか」ってアシリパさんのセリフはあくまで、杉元の回想。杉元はアシリパさんに素朴なアイヌであり続けることを願っちゃってるので、それに沿って記憶してるに過ぎない。それがアシリパさんが本当に言ったことなのかは謎。

*4:今でもカソリックは10億の人口を持つ王国でもある。