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金神289話「五稜郭攻囲戦」感想 ゴールデンカムイ

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箱館戦争のリベンジしたい土方、旅順攻囲戦を再現したい鶴見。

P13の号令する鶴見は、恐らく1巻冒頭のシーンを引いてる。*1

このへん見ると、鶴見、当初から言うように、戦死者たちに報いるってのが真の目的にも思えるんだけどな……
未だにわからない。
月島にしろ鯉登にしろ、いろいろ回り道してるけど、結局は、最初に登場したときの通りに動いてる。月島は鶴見の腹心として、鯉登は崇拝者として。

騎馬は鶴見だけ。
騎馬を狙撃出来そうな人材が土方組にいないのが巧妙なんだよねー。
鶴見も充分それをわかってる。どうせ尾形は土方たちに与しない。ヴァシリがたぶん近くにいるはずだけど、彼は尾形にしか興味ないし、誰も彼のこと念頭にないだろ……

アシリパさんグループと土方組+ソフィアたち。
彼らはカムイの御加護ではなくて、あくまで自力と仲間たちのおかげで黄金に辿り着いた。
どうにも「イイ子」ばかり、なのは、結局、信用出来ない「悪い子」は脱落していったから。
アニミズム的な超自然のカムイではなく、人と人との繋がりで、今があるっていう。
そして黄金を手に入れるための最大最後の障害もまた、鶴見っていう人間。

努力・友情・勝利ってオチだとしたら、ジャンプの王道ど真ん中なんだけど!
……このマンガ、全体としては単純でストレートな展開なのに、細部のドラマの作りがスゴいんだよな、と改めて。

*1:

ところでこのシーン、杉元が第1聯隊だから、旗を持ってるのは、猪熊敬一郎ってことになる。彼の従軍記は「鉄血」って題名で出てる。→『鉄血』猪熊敬一郎 #読んだ - day * day