脚。
https://twitter.com/fujimitsu_kamui/status/828028093763710976
(まだ引用許可いただいてないのでリンクで)
そういや、尾形が下肢に巻いてるレギンスって、なんだ。
私も絵を描きかけて、ここしばらく迷ってた……
これね(面白くない絵でごめん)
追記。色塗ったのをPixivに上げました。
【ゴールデンカムイ】「THE BIG GAME (re」イラスト/華猫 [pixiv]
ざっとWEBで調べると、
・ブーツを覆って保護するのと、下肢を加圧するための装備。
・明治時代の陸軍の軍装で決められたゲートル。脚絆。レギンス。
・日露戦争のあたりで、後年おなじみの巻ゲートルに変更になった。
・馬に乗る人は、乗馬中にほどけるとヒドイことになるので着けない。
尾形はちょっと古参だから巻ゲートルでなくて旧式を愛用してるんだと予測。
よく見ると前山さんとか、レギンスタイプの人は何人もいる。
杉元とか徴兵組はもう巻ゲートルに切り替わってる。
しかし、巻ゲートルはいっぱい出てくるけど、この旧式のレギンスタイプのゲートルはあんまりWEB上に資料がない……
こういうのは専門家に訊くべきだよね。
ってことで、ちょっとドキドキしながら投げてみた。
@cb5130f446ef4c8 突然すみません、お詳しいかたに少々お伺いしたいのですが。
— 華猫 (@FaoMao) 2017年2月5日
金神で尾形なんかが下肢に巻いてるレギンスの素材ってなんでしょう? 絵や写真からすると厚めのウールか、薄めの帆布に見えるのですが
@FaoMao
— サムハラ (@cb5130f446ef4c8) 2017年2月5日
これの事ですか?
自分も実物や複製品を持ってないので詳細は分かりませんが、材質は麻の杉綾織(白というより生成)との事です。ベルトはおそらく無着色の牛革だと思います。
紹介されているサイトを貼っておきます。https://t.co/79gbBCIsf7 pic.twitter.com/0lf2PG5HmB
さすがですわ……っ
紹介のページを参照のこと。
ここで答えはほぼすべて出てしまった。
日本陸軍 明治19年制下士兵卒白脚絆
正式には明治19年制下士兵卒白脚絆というのだねえ。
生成の麻の杉綾織(いわゆるヘリンボーンだね)だとは予想外だ。
柔軟だが伸縮性はないよね。意外と複雑な立体裁断じゃないのさ。
写真だと黄変してるけど、新品はもちょっと白い、いわゆる麻色のはずだ。
ボタン、合成樹脂(か貝)ってあるな。
この時代の合成樹脂だと、ガラリスかセルロイドかなあ。
要は傷みやすいので巻ゲートルに変わった、傷みやすいゆえに現存も少ないと。
ブーツ脱ぐたびにゲートルとらなきゃいけないので、家に上がるときなんかであの数のボタンいちいち外したり留めたりするのって、スゲエめんどくさそう。
きっと慣れると巻ゲートルのほうが速いんだよな。
しかし、尾形のレギンス、あまり脚にフィットしてない、丈も甲までないから、もしかすると制式でなくて私物なのかも知れん、と気付いて。
そういや、旅順攻囲戦で、尾形、巻ゲートルつけてたのを思い出した。
(ゴールデンカムイ8巻 123p)
(軍装なんてけっこう有り合わせだしなあ)
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日露戦争について当時最高の物書きの人がリアルタイムで文章残してくれてる。
小説の発表が1906年1月とあるからおそらく05年10月の凱旋パレードの様子が書かれてる。
将軍のあとに続いてオリーヴ色の新式の軍服を着けた士官が二三人通る。
:中略
服地の色は褪めて、ゲートルの代りには黄な羅紗を畳んでぐるぐると脛へ巻きつけている。
このころはまだまだ巻ゲートルが一般的じゃないようだ。
黄の羅紗ってのはきっと黄土にまみれてるのね。
オリーヴ色?
というかさあ、漱石は従軍してないんだ。
なのに作中に出てくる旅順攻囲戦の描写が今の本や映画『二百三高地』なんかと比べてもあんまり違わないのにオドロキ。ロシアの塹壕、永久堡塁とか。
すでに詳細なリポートが出回ってたようだ。*1
旅順占領の1年後っすよ、この小説発表されたの。
日露戦争は近代から現代の戦争の過渡期、WW1の前哨戦ても言われるくらいで、情報戦がすごかったそうで。
英国の新聞なんか最前線に記者送り込んでた*2つーし、漱石は英字新聞も読んでたろうしなー。
日露戦争の記録と照らし合わせると、作中の「浩さん」は第一師団第二聯隊の小隊長の中尉さんらしい。
鶴見も中尉だし、『二百三高地』のあおい輝彦も中尉さん。いちばん危険でドラマチックな肩書なのだね。
主人公*3の浩さんLOVEが激しくて妄想がはかどる。