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日々是々

金神201「あばよロシア」感想 ゴールデンカムイ

別れを言うには早過ぎた。

扉のチビキャラ達カワイイ、んだけど、右眼のある尾形の絵は切ない……

今回から21巻分。(たぶん

お婆ちゃんの口噛み団子、
うーむ、美味しいのか……
どうやら中毒性があるようだ……
唾液で澱粉を糖化させるのかな。糖類の貴重な地域では、甘味は得難いだろうな。

鯉登の疑念。
前回、よく見たら、黒帽子が去って二人きりになってから、白帽子、「Барчонок」って言ってるんだ。
鯉登、気付いちゃった?

第159話のカラー扉で、鯉登に「崇拝」って語句が当てられてるのがちょっと気になってて。*1
「崇拝」とは、「自分に足りないものを相手に見いだして憧れる感情」だという。
鯉登は、鶴見の中の何に憧れてるのだろう?

尾形は、忠誠に値しない人物を崇拝してる鯉登を嘲ってるようでもあるんだけど、
鯉登に、拉致事件の真相、というか鶴見の正体を教えたかったのだろうか? 鶴見が忠誠に値しない人物だと。
鶴見は、尾形が鯉登に事件の真相を教えることを想定していないんだろうか? 教えたとしても鯉登が信じるわけがないと?

鯉登の鶴見への崇拝はすごく危ういところにあるように思えて。
いつかその関係は致命的な破局を迎えるのではないか、なにが切掛でどんな風に終るのかがすごーく気になってる。
Twitterより)

鯉登の弱さが、父権、父なる者への敬愛に依るなら、結局は、鯉登も(象徴的な意味での)父殺しを必要とするのか? 鶴見を崇拝するが故に鶴見を少なくとも自分の中では殺さなければいけなくなる

— 華猫 (@FaoMao) 2018年5月24日

鶴見が誰かに殺されるとしたら、月島だと思ってたけど、鯉登もアリなのか

— 華猫 (@FaoMao) 2018年5月24日

鯉登は理想化された鶴見を崇拝してるみたいだから、鶴見の陰謀をすべて知ったら最後には裏切りそうな気がする。
「中尉殿はそんなこと言わない!」て解釈違いに絶叫するタイプ。

— 華猫 (@FaoMao) 2018年9月30日

いつか鶴見にすべて騙されていたことを知って、衝動的に剣をふるうんだけど、生首見て正気に帰って、生首抱えて泣いてる

…て図が浮かんだ

— 華猫 (@FaoMao) 2018年11月10日

今回がその鯉登の忠誠の終わりの始まりで、その切掛が尾形の言葉なのだとしたら、ひどく象徴的だ。
鯉登が鶴見に心酔する一端も、拉致事件にあって、それも尾形が直に関わってるんだから。
尾形、メインストーリーの金塊探しだの革命だのにはちっとも関心示さないくせに、他のキャラ達の心に深い傷を与えてドラマを引っかき回す、トリックスターだ。

静香の街。

……杉元、味噌のこと「出た」とか言わない!
これあくまで、杉元が妄想するアシリパさんの言葉だからね?

突然狙撃される一行。
鯉登、戦場経験ない割にすごく冷静だ。
基本的な戦術は一通り知ってる模様。
指揮官らしく振る舞ってる。
この旅の間に確実に成長してる。

やっぱり手鏡持ち歩くのは男子の嗜み。

「尾形がもう戻ってきた」
谷垣も月島も杉元も、尾形に撃たれてるので、狙撃手尾形に対しては本能的な恐怖感があるのだろう。

相互安全保障って考え。
通常、人は、見知らぬ他人にいきなり暴力を振われないことを大前提にして日常を暮らしてる。
「私はあなたを害するつもりはないので、あなたも私を害しないで下さい」という無言の契約がお互いにあって、それが都市を、ひいては人間社会を成り立たせてる。*2
その暗黙の了解事項を一方的に破られてしまうと、人間社会そのものへの不信と不安が募って、実際の被害の大小に関わらず、非常な恐怖を伴い、PTSDをも引き起こす。
戦場でも、敵の姿が見えないところでいきなり銃弾が飛んでくるなんて、目の前の敵と対峙したときとは別の恐怖があって。
だから長距離狙撃手なんて、怖れられるし嫌われるわけで。

だけど、今回ばかりは尾形、濡れ衣。

おおお、ヴァシリ!*3

ヴァシリの初登場が2018年6月7日発売号の第161話「カムイ レンカイネ」だったのですよ。(単行本ではその前の16巻第160話「国境」に前倒しになった)
ちょうど1年目にして再登場。

尾形、ヴァシリにトドメ差さなかったのか。
熱でへろへろになっててそれどこじゃなかった。

……え、ヴァシリ、日本領でなにしてるん……
もしかして密入国
彼が国境の向こうからずっと一行を追って来たとは思えない。
それならもっと以前に襲撃するチャンスあった。
だからこの静香の街に来て、一行を見つけたことになる。

一行の中でヴァシリが知ってるのは、白石とアシリパさんだけ。
だけど、白石もアシリパさんも、ヴァシリの顔も名前も知らない。
尾形もキロランケももういないし、彼らだってヴァシリのことをほとんど知らない。

ヴァシリはあれからどうやって復帰したんだ。
ロシア兵に救助されたのか、
日本人や現地人に救われたのか。

相手をよく知らないのはヴァシリも同じで。
よく白石やアシリパさんを認識できたな。

そもそもなんで一行を襲撃したんだ。
個人的な恨みがあるのか。
でも誰に対してだ。尾形もキロランケもいないのに。
日本兵と見ると殺したくなるのか。
それとも誰かの命令なのか。

この一行にいちばん関わりがあるとしたら尾形だけど。
ヴァシリが尾形と組んでるとしても、尾形が一行を先回りすることって出来る?
なにか別の目的があってヴァシリは静香にいて、たまたま、白石やアシリパさんを見掛けたので襲撃したんじゃ?
尾形が彼らを襲撃する理由は……いやこいつの行動原理はまっっっったくわからんw

杉元「あたまカチ割ってこの味噌突っ込んでやるッ」
……って誰に向って言ってるんだろ?
尾形に向けていいそうだけど、襲撃のこと、もう知ってるの、杉元。

あばよ、といいながら、まだロシア(人)と別れられない一行。

*1:
f:id:faomao:20190606164132p:plainヤングジャンプVol.1875より
17巻の口絵ではこれらの文字は消されてる。

*2:それを態度で表明するのが礼儀作法、マナーってやつ。

*3:ヴァシリの元ネタは、どうやら『スターリングラード』のジュードロウ演じる狙撃手ヴァシリらしい。作画のモデルもジュードロウなん?? うーん。……先生のデフォルメ巧すぎてよくわからん……