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日々是々

金神273話「鶴見劇場」感想 ゴールデンカムイ

生存確認。

久々の尾形!
描かれるのは267話以来、作中のリアルタイムだと261話以来ですよ。
他のみんなが暗号の解読やらアシリパさんの奪還やらに躍起になってるのに、尾形とヴァシリは、黄金とは全く関係なく二人だけの世界にいるっていう。
尾形、ヴァシリの名前も知らないんだ。顔も遠くから見ただけ。尾形にとっては何度か撃たれた――全部外してる――射手ってだけ。
ヴァシリも相当に変なヤツで、戦場では戦友も囮にするような冷血漢だけど、一方で一度対決しただけの相手のために、軍も祖国も捨てて一途に追ってくる情熱家。

ヴァシリが常にどこかで監視してると知ってて、消防士に紛れて脱出図る。
ヴァシリ、二度も尾形のデコイに引っかかったことがトラウマになってるようだ。
そんな彼の逡巡などまるで知らないのに、完全にヴァシリを読み切ってる尾形。

私としましてはどちらも死なれたくないのでさっさと切り上げて欲しい気もする。
とはいえ、ヴァシリは尾形を追って全てを捨ててここに来てるので、いまさら辞めたとは言いづらいかもね。
じゃあ尾形はなんでここにいるのかって……アシリパさんのストーカーしてただけ? 菊田さんとの関係も気になるところ。

尾形「茨戸の土方歳三のマネだぜ」
その台詞余計な気がする。
板塀の下をくぐる様はまさに猫。
ところで義眼はどうしたん。

一方でアシリパさん。

アシリパ 私は杉元佐一と一緒に地獄へ落ちる覚悟だ
――『ゴールデンカムイ』22巻

なんて言ってはみたものの。
現実に、知り合いの死に様を目の当たりにしたら、覚悟の甘さを思い知る。
アシリパさん。動物はいくらでも殺すし、何度も脱獄囚と対峙してきたものの、実際に人間の死体にはほとんど触れてない。
今まで杉元が、彼女が直に人死にに触れないように守ってきたから。
杉元のパターナリズムもあるんだよね……
それが、今回は倒れかかる彼女を支えるって形に。
二人の関係性の変化を表してるようにも思える。
杉元は、彼女を忌まわしいものから守るというより、側で支えてる。

前号の扉が、二人の出会いの場面、なんだかウエメセアシリパさんが杉元に手を差し伸べてたのと、対照的だ。

同時に、白石が車のハンドルとってサポートしてる!
3人の連帯感。

ところでソフィアさんは……

有古、生きてた!
えwww だって。至近距離で38式で撃たれたじゃん。
ヴァシリのモシンナガンは、結構な距離で尾形の38式のボルト、貫通してたじゃん。
マキリの構造詳しくわからないけど、鋼のブレード+木製の外装、38式で貫通しないのっ!?

それはともかく、有古イポプテのマキリ、どこかに実物あるのなら拝見したいところ。*1
なにはともあれ、生きててよかった。
ここで死んでたら、父の死の真相も、アイヌの将来も、なにも知らずに死んでいくなんて、無念過ぎる。

鯉登、あれ、また薩摩弁に戻っちゃった。
なんでw 二階堂の耳、そっちなの??
ホントの耳の穴のほうは、耳介なくて音が聞き取りづらいんだろうけども。
……でも顎には聴覚神経ないと思う……いやもしかして二階堂、あるの……?

中尉殿しゅごい、て憧れ新たにして、しかし、月島のこと思いやって戦慄するなんて。
鯉登が月島のことおもんばかるなんて! 成長してるねえ……
すっかり鯉登のほうがお兄さんのようじゃん。
なんだかんだで鯉登はボンボンだから。月島ほどは鶴見に全てを捧げるというわけでもない。
鯉登は、鶴見が、得体の知れない怪人であることを希望してるの??
全ては鶴見劇場の演目だと信じたい?
実は鶴見の楽屋裏には妻子がいて幸せな家庭を送っていたこともあるとは、信じたくないの??

見直してやっとわかった。💧
二階堂のエピソードの意味。
鶴見はビールのにおいで鯉登や月島がそこにいることを知ってた、と、鯉登は気付いたんだ。
それまで、鶴見の語る大義が、あくまでアシリパさん落とすための方便だと思ってたのが、自分たちにも向けた台詞だと気付いた。
自分たちは鶴見劇場の観客のつもりでいたけど、実は舞台上に上げられていたと。
月島はすっかり乗せられてしまった。

なぜに鯉登は、月島のように素直に鶴見の掲げた大義を信じることが出来ないのだろう。
閉じられる扉は象徴的で意味深だ。
鯉登は、鶴見の舞台上から降りるつもりなのか?

そんなところで次号は休載だそうですよ。

単行本の広告……
「大蝦夷捜査網」とかまた懐かしいなっ*2

*1:
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*2:私は小さいころ、婆ちゃん子だったので、よく時代劇見てたものである。はなれに祖母が住んでて、土曜の夜は泊まりに行ったり。「大江戸捜査網」、土曜の夜にやってたような。