day * day

日々是々

金神308話「似た者同士」感想 ゴールデンカムイ

faomao.hateblo.jp

最後のページは見なかったことにする。

今回、尾形と鶴見があっさり復縁したのが意外だ。
304話の後、鶴見は尾形の提案を受容れたのか? 受容れたフリをしただけなのか? あるいは、さらにまた別の案で双方が合意したのか?
鶴見の部下で名前の付いた者たち、鯉登と月島には逃げられたし、宇佐美や菊田や二階堂は既に死んでるし、もはや、尾形しかいないせいだろか?
おそらくモブの兵士一人一人にも、鶴見との、1対1の思い出――忠誠があるのだろうけどね。

鶴見「私を囮に狙撃しろ」
何気ないこういうセリフに垣間見える、二人の関係性がたまらなく好きだ。
今迄にも作戦上でそんな場面が何度もあったのかもね。
鶴見にとって尾形はまだ、腹心の部下で優秀な戦士なのであろうし。
尾形にとって鶴見は自分の野望を叶えるための唯一の道具なのであろうよ。
似た者同士が互いにあくまで利己的に相手を利用し合う、二人の絆は強いんだけど、けして、信用はしていない。お互いのことをよく知ってるから、信用しない。信用していないけど互いの力量は信頼している、というような。*1
所詮はサイコパスマキャベリストだし。

土方。
彼はいままで死すべき時を告げる「死の天使」*2のように振る舞ってきた。
用一郎、犬童、関谷、彼らは満足しきって土方に斬られた。
なのに、土方本人は、全然、今死ぬことにちっとも納得していないって、皮肉。
箱館戦争のあと40年も監獄に幽閉されてたので、気分的には30代のままなのかも知れない。
兼定を杉元に継がせる。

土方「義に命をかける似たもの同士」
杉元、そもそも黄金探しは、寅次への信義のためだった。梅ちゃんのことを思ってるなら、見込みの低い黄金探しより、梅ちゃんと結婚すればよかったのに。彼女の親が許さないっても、駆け落ちするなり、手はあるだろうに。寅次に砂金採りに誘われたから、黄金に拘ってたわけでしょう。
そして今はアシリパさんのために命を掛けてる。
一方で、杉元は、勇作さんのような綺麗事では生きていけない、と、身に染みてる。忠義心と堕落論を共に抱えているのだな。

杉元の、帽子は菊田さんの弟の形見、小銃は尾形が持ってたもの、長靴は上官のものだし、それは彼らからなにかを受け継いでるのか……?
そして元は尾形のものだった銃剣で尾形が刺される、って皮肉。*3
ここでもし尾形が死んだとしたら、尾形と鶴見の過去のエピソードがまるっきりすっ飛ばされそうなので、不満である。

.
.
.
.
.
.
今週の質問……ラムちゃん??
先生もラムちゃんの人でしたか。
やっぱり304話の尾形、ラムのラブソング引いてるよねえ……

*1:このへん、アニメージュ2022年3月号の津田健次郎氏のインタビューで語られてる。氏の、尾形(と鶴見)の解釈は私もほぼ同意。

*2:死神ではない……人の生死を決めるのは全能の神の御業であって、死の天使は本人にその死を告げるだけ。

*3:いや正確には剣のほうは杉元が元から持ってたものだろうけど。