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日々是々

金神11巻の感想 下 (105~110話) #ゴールデンカムイ

金神11巻の感想 上(101~104話) - day * day

の続き。

第105話「夏の虫」

杉元一行、相変わらず尾形一人で涼しい顔。
アシパさんの語るウエペケレがちゃんと枕になってる。

夏太郎と亀蔵、やっぱザコだな……
稲妻強盗坂本慶一郎&お銀と、役者が違いすぎる。

鶴見、暖簾かき分けて登場して見得を切るとか、なにこの歌舞伎。
いよっ待ってました!
狂言なら大向こうがかかるところ。「よっ爾霊屋!」*1

鶴見と稲妻の遣り取り、さすがの大貫禄同士だわ。
この作品、基本的に善人とか正義の味方はいないで、みんな、自分の目的のために殺しあってる。
全員ヴィランのバトルロイヤル。
数少ない女性キャラたちも、みな、か弱い庇護者じゃない。

亀蔵、案の定、あっさり死んだ。
鶴見隊は、坂本のような脱獄囚をターゲットに釣り店仕掛けたんであって、夏太郎達が土方の一味だとは知らないんだよな。
たぶん稲妻の手下か仲間なんかだと思ってると見た。
稲妻のアクション、真っ先にアサシンクリードが浮かんでしまった私はゲーム脳
この機動力、白石といい勝負だ。

そして、安定のドジっ子鯉登。
鯉登カワイイよ鯉登。

第106話「弾より速く」

今回はもー全員がカッコイイ。みんなに見せ場作ってニクイ。
全員主役のバトルシーン。

強盗達も鶴見隊も凶暴同士で! ひたすらアクションが熱い! 
屋内縦横無尽に飛び回って大立ち回り! 
二階堂の仕込銃が炸裂! 月島、拳固でぶん殴って銃剣で追い打ち、ってのがいかにも武骨な彼らしい。
ショットガン相手に突っ込んでくとかね。そりゃー203高地で機関銃相手に突撃してったこと思えばこんなのはお遊戯だろうよ。
鯉登、ナニゲに身体能力高い……そういや飛行船にも飛び移ってたっけ。
サーベルさげて拳銃撃ちながらフリーランニングって、どこのアサシンかと。
若いし鍛えてるしマッチョだし、やるときはやるんだよ。
無防備なまでの忠誠心といい、鶴見にとっては便利なコマだよな。

これだけ人数集めて3人を取り押さえられないとか、稲妻と蝮とおまけに夏の字もやるなあ。
夏の字が唯一の一般人代表だ。亀蔵の死を嘆いてるあたりもやっぱりフツー。(なんか、人の死を悲しまないヤツばかりだし)

第107話「眠り」

そして真打鶴見登場。
機関銃とか、いかにも悪の首領の貫禄だ。
このシーンで鶴見が右手の指ピンと伸ばしてるのがポイント。なんだか粘ついた彼の言い回しも、芝居がかってて、わざわざ悪役をもって任じてるみたいで、実に彼らしい。
髄液漏れてる……っ

街中で機関銃ぶちまける鶴見ぇ……
さすがに胴体の刺青避けて下半身に当ててる。さもないとジグソーパズルする羽目になりそう。
鶴見の「汁」って脳髄液だと思ってたけど、他の汁も出てたりするんですかね。

で、この距離から躊躇なく抜打ちする鯉登。
一刀で完全にお銀の首落としてるから、切っ先から鶴見までの距離数センチだ。
相当に手練れだよなあ、使う、ってレベルじゃないぞ。自分の剣の腕知り尽くしてる。
もしかして、戦場の経験ないけど人は斬ったことあるのかな?
相変わらず何言ってるかわからんけど。
こんなときはカッコイイやね。

鯉登に助けられたことより、お銀の執念に感激してるのが、すごーく鶴見らしい。
「首が飛んでも動いてみせるわ」っていったら『東海道四谷怪談』の伊右衛門の台詞だけど、この手の伝説は世界各地にあるのだよね。
有名所で聖ドニ(→パリのディオニュシウス - Wikipedia)とか。
小泉八雲『怪談』にもある(→かけひき - Wikipedia
ガストンルルーも書いてた。(『恐怖夜話』の中の「ビロードの首飾りの女」)
首無し鶏マイクもいるぞぉ。(首なし鶏マイク - Wikipedia
斬首が「最も確実な死刑」とされたゆえに、逆に、斯様な伝説が出来るのかもなーと。
*2

赤ん坊見つけて凍り付く鯉登。
まさかの子連れギャング。
あんな状況に、赤ん坊連れ回してたお銀さん。よく弾当たらなかったものだ……軍人共が凍り付くのも当然。ヒドイ親; ホントに愛はあったのかしら。

前半の殺伐とした暴力のドラマが、後半、一転、やさしい世界になりましたよ……
軍人ども4人で額集めて赤ん坊あやしてるなんてすっげーシュールな絵。
それぞれの浮かべてる表情が意外だ。こういうキャラなんだなあ。

二階堂って実は弟妹多くて赤ん坊の世話に慣れてそう、とか、月島は家庭を顧みないタイプなのか、とか、鯉登は完全に戸惑っててなにもできないあたりが末っ子っぽいとか。
でも一番は、鶴見が優しすぎること。機関銃撃ってるときとのこの差!

鶴見が赤ん坊抱いてるなんて、似合わん……けど……
鶴見は、過去の体験と脳への障害に起因する怒りの衝動を抱えててたまに凶暴になるけど、邪悪な人物ではないのかな。手段を選ばないマキャベリストなだけで。
「子供は親を選べない」てのは、103話を受けてるんだろうけど。
彼の、部下や江渡貝くんなんかに見せた優しさって、思いのほか、偽善でなくて本心なのかもね。
なんとなく彼、映画『二百三高地』のあおい輝彦の中尉さん思わせる。彼が重傷負いながらも生還してたら、こんな感じになったのかなあ、と。
鶴見はいろいろ背負いすぎてるのかも知れないと思うと、不憫に思えてきた。本来は高潔で情深い人なのかも。単なる恐怖だけじゃ人はついていかないよね。

ちなみに4コマ目の4人の元ネタはブグローの「天使達の歌」。

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Song of the Angels (部分)
ウィリアム・アドルフ・ブグロー - Wikipedia

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ゴールデンカムイ11巻)

上のコマでアシパさんが描かれてるのは、彼女もまた、ことあるごとに「神の子」になぞらえられてるからだよね。
例えば、81話の食卓のシーンもだし、「神の子」というならのっぺらぼうとの関係も北欧神話オーディンワルキューレの父娘を思い出させるじゃん?
今回の幼な子もまた、稲妻と蛇の神の子供だしね。
そういや、尾形もまた、花沢将軍という軍神、神の子であったんだ。

だけど、鶴見が聖母、て。やっぱシュールでシャレきっついですわ;
だって尾形にはその実父殺させてるのにさあ? 今になって親子だの愛だの言い出されても。
鶴見達、「信頼のできる人間」ってフチしかいないんか!
部下達にも妻子持ちいないんですかね。*3

子守唄のシーン、そういや、この物語って主要キャラほとんど母親亡くしてるんだよなあ。
白石は家族のこと語ってないけど、家族いたとしても、当分、家の敷居跨げないだろな。
尾形が家族のこと悔いてるとは思えんけど――というかむしろ私の希望的観測として悔いて欲しくないのだが。
ああやっぱ尾形、銃抱えて寝てるー。

そしてまた、新たな犯罪者が……

第108話「大湿原」

成り行きからして舞台は釧路湿原なのかな。

タンチョウって不味いのか……
江戸の鶴といえば、広重の名所江戸百景にも書かれてたりする。→箕輪金杉三河島]

金塊探しの理由、杉元、アシパさんに、ここで初めて話すのが意外。今まで尾形にしか話してなかったんだ。
尾形、憶えてた!*4
「惚れた女のため」なんて懐かしいネタを! 2年半も前の、1巻の会話じゃないすか。

尾形が他人のプライベートに興味持つように思えないので、これって悪意とまでいかなくても嫌がらせか、からかい半分だよな。
わざわざ斜に構えて言っちゃうの、台詞は第104話以来だってのに、久々に口きくとこれだ。
杉元にもアシパさんにも寸鉄刺さってますわよ。

目に見えて動揺するアシパさん。目が死んでるんですが。
いつも漢前なアシパさんが、杉元と女性の話になると急に女の子になるのがオカシイやね。*5
で、尾形には見透かされてる……(尾形ってたまにメタになるんだよな……杉元の理由も知ってるし、鶴見の裏事情も知ってる)

ここでインカラマッ&チカパシと合流。
谷垣が同行してると聞いて顔色の変わる尾形。

そして新たな変態さんいらっしゃい。15人目の刺青の男。鈴川の言ってた「釧路の男」。
だが、見開きでコレ描くとかwwwwww

第109話「カムイノミ」

最初のアイヌ達との会話。
「十年以上前」って言ってる。二瓶が殺人で収監される前の話かな。
二瓶、収監される前も脱獄後も、同じ銃使い続けてたようだ。

二瓶という名の猟師が主役の『銀狼王』(銀狼王 (集英社文庫)*6が、日清戦争のころを舞台にしてて、アイヌの青年と交流する下りがある。彼がキラウシの元ネタなんだろか。

前回登場の変態さん、元ネタはアーネスト・シートンかよwww

はははははは、私の世代だと『シートン動物記』(と『ファーブル昆虫記』)は幼少期から刷り込まれてるのよ。子供のいる家庭には必ず置かれてたくらいだ(たぶん)。今のトトロのDVDみたいなものだね。
だから、ヤマネコというと真っ先に思い出すのは、宮沢賢治とドングリではなく、シートン兄弟が食い殺されかけたハナシなのだ。
山猫こえええ。

尾形が寝てるときも銃抱いてるのはちゃんと理由があるのだね。
そもそも谷垣の三〇年式のボルト奪って使えなくしたの尾形じゃん。
杉元、獲物見つけてなんか嬉しそうだw

姉畑、ナチュラリストが暴走してる……ズーフィリアですらなかった……orz
樹木相手ってのもレベルたけえなオイ*7
家畜殺しで死刑判決って相当じゃね。
チカパシは見る目がないのか、姉畑は悪意のない本気の変態さんなのか。

「自然を愛する」って意味では、アイヌや日本なんかのアニミズムも、姉畑もおんなじなのに、なんだろう、この違いは……谷垣や二瓶もまた自然を愛してる。
あれも愛これも愛たぶん愛きっと愛。
アニミズム大自然への敬意だが、姉畑の場合は性衝動になっちゃう。二瓶のアレはなんだ。自己と自然の同一化か。*8
信仰心にしろ性衝動にしろ、脳が作る本能的な感情なのだ。
意外と深いハナシの気がしてきた。単なるエロネタじゃないぞコレ(たぶん
神事としての性行為も各地にあるし?
教会の聖人の逸話によくある宗教的な法悦だって、性的なものと見分けつかない。

同じアイヌにも「変わった子供」って言われちゃうアシパさん。
女性が狩りをするってのはごくごく例外的なことであるらしいし?

ウコチャヌ……
アシパさんに変なこと教えないでっ! まだ早いよ! もうちょっと大人になってから。
杉元も訊かれても困ると思うの。
しつこいよウコチャヌ

谷垣の泳ぎ方、古式泳法ってやつだね。
なんですかこの胸筋のボリューム。
なんだか近頃、作者氏の谷垣(の筋肉と胸毛)推しが激しい。

しかしこの回。
最後に山猫が全部持ってった――!
谷垣のピンチに、尾形が颯爽と登場!
わざわざミエ切ってポーズつけてる! 尾形はやっぱ、こういうウエメセが似合う……!
(6巻のころと比べても絵が変わった……二の線にシフトした……)
……でも冷静になってみると、決して、谷垣を助けに来たわけじゃないんだよね、これ。

そもそも、5巻で谷垣と尾形がやりあったのは、谷垣が玉井伍長達を殺したって誤解されたせいだった。
また獣殺しとしてアイヌに追われるとか、谷垣ってばよくよく、濡衣着せられやすい体質なのか、間が悪いのか……と思ったら、ほんとに、濡れた服着てるわ……
ほら、谷垣、朴訥であんまり喋らないタイプだから、誤解されやすいんだね、きっと。

ちなみに、今回のサブタイ「カムイノミ」、アイヌ語で神への祈りのことだけど。
上代日本語で祈ることを「のむ」というのだと。「カムイ」も日本語の「かみ」が語源。
日本語ではすっかり廃れた言葉が、アイヌ語に残ってるってのも面白いよね。

第110話「支遁動物記」

尾形がチンピラっぽい。なのに弱点は婆ちゃんなんて田舎のヤンキーっすか。
80話からこっち、尾形がまるでクールでスマートなナイスガイだったのが、ヤンチャな彼が戻ってきたぞお。*9
谷垣からは、まだ尾形上等兵なんだなあ。

尾形、やっぱ皆殺しにする気だったん。でも遠くからいきなり射殺しないでひとまず事情訊いてるあたり、慎重になったよう。
谷垣の返答次第で、どっちを撃つか、決めるつもりだったのかな。
尾形「鶴見中尉の命令で」って台詞、103話の尾形と鶴見の因縁があるとないとではかなり意味合いが違ってくる。
鶴見はなんとしてでも尾形殺して口封じしたいはずだし、尾形もそれ知ってるから、谷垣がもし鶴見の手先だったら殺す気だよね。でも、谷垣が嘘がつけない性格だとも知ってるから、谷垣の言葉聞いて助けることにした。婆ちゃんとか言われたら弱いねえ。

尾形「頼めよ」 谷垣「あんたの助ける方法なんて」――このへん、お互いの性格知り尽くしてるよなあ。
なにこのDom/Subプレイ。
尾形、親しくない相手には返事もしないし知り合いには嗜虐的だし、親しい相手でも躊躇なく殺そうとするって、ホントにイヤな奴だ――大好きだけどね、そういう冷血っぷりが。
このへんの尾形と谷垣のやりとりが緊張感溢れてて、好い。谷垣は殺気立ってるアイヌ達より、親しいはずの尾形のほうを恐れてる。アイヌは話せばわかってくれるかも知れないが、尾形はわかった上で手が出る。
尾形が笑ってるよう。彼が笑ってたり饒舌になってたりするのは大概、ロクな場面じゃない。人を撃つ口実が出来るとスゲエ嬉しそうに笑うの。こういうサディストっぷりも堪らんわっ。
「殺すぞ?」って凄んでるのも珍しい。本気だったら言う前に殺してるよね。そもそもいままさに彼等に対して銃向けようとしてるんだから。
威嚇で1発撃ってるから装填は残弾4発のはず。アイヌ達もみんな銃持ってて、1対4なのに、尾形、やる気満々で、スゴい自信家。やっぱり人殺したことないアイヌ達と、人殺しのプロの差かね。
素人なんか物の数に入らないと。

もしかして、谷垣と阿吽の呼吸で示し合わせて、アイヌ達を威嚇したんだろか? 双方無傷で収めるために。
谷垣がわざわざ「皆殺し」て口にしたのも、アイヌ達を牽制したのかもって気がしてきた。尾形はマジでやりかねないヤベーやつだからここは退いてくれ、と。

そしてひとまず舞台はコタンに。

尾形、コタンまでついてきたのに、なにやってるんだ。いっさい弁護も救出もしてない。姉畑を狩りに行くでもないし。
谷垣が熊の毛皮みたいに磔にされるの、ずっと高みの見物してただけだ。
コタンの人達が谷垣の処遇決めるまでに杉元達来なかったらどうするつもりよ?

アイヌの刑罰について。
宮武外骨『刑罰奇談』*10によれば、アイヌでは、鼻削ぎのことはイトラスケ(イト=鼻、ラスケ=切る)というそうな。
清水克之『耳鼻削ぎの日本史』*11にもこのアイヌの刑罰のことが書かれてて、写真まで載っててちょっとビックリだ。鼻梁はまるまる残して小鼻を切り落とすって形式らしい。出血多量で死ぬと困る(アイヌは人を殺すことが大きなタブーなのだね)ので、最低限で済ますようだ。ケースバイケースかも知れないけど。*12
耳鼻削ぎ、和人では江戸時代中期までには廃れた刑罰*13だけど、アイヌでは明治以降、写真のある時代もまだ残ってた。
写真は金田一京助のコレクションらしい。金田一は1906年から北海道でアイヌ研究のフィールドワーク始めたというので、ちょうど金神のリアルタイムなんだよなあ。
ところで、谷垣、サイモニ(探湯。熱湯に手を突っ込んで火傷しなければ無罪って神明裁判の一つ)に処されなくてよかったね。*14

杉元が今回は冷静なのは、アシパさんが無事だから。
この喧嘩のシーンも、すごーくオヤクソクだ。
デカブツに先に数発殴らせて、一撃でノックアウトなんてもーハリウッド映画でお馴染み。
尾形、高みの見物すか。

谷垣、いつのまに、こんな、エロキャラにされてるの……
拘束されて、服脱がされて、言葉責めされて、毛毟られて、喘いでるとか……むちむちマッチョがいたぶられるなんて、ハードゲイの世界だわ。

杉元の脱がせ方がまたエロい。というかワザとそう描いてるよね!? 一気にボタン引きちぎるんじゃなくて2コマもかけてジックリととか。

果たして谷垣の運命や如何に!? ってところで以下続巻。

姉畑……クマと言えば、そーいや、ムツゴロウもいたw

連載当時に書いた分。

この記事は以下の分をもとに書きました。

*1:203高地の異名が爾霊山なので。

*2:世界の各地で、伝統的な部族社会に死刑制度はなくて、神に運命を任せる神判か追放刑だった。「人の生死を決めるのは神の意志」という理屈。見せしめ的な残酷な刑罰の中世を経て、社会の近代化につれ「確実&即死するので人道的な」手法として、斬首刑が流行った。近代フランスのギロチンが有名だけど(断頭台自体はそれ以前からあったけどギロチンは確実性を増すように改良された)、日本でも江戸時代の死刑は打ち首が標準で、それも人道的というのが理由(当時の絞首刑は失敗が多かったし死ぬまで時間掛かったので非人道的とされた)。斬首刑は近代化・民主化の一環だったわけ。ただし、宗教的理由から「死体を傷つける」こと自体を嫌う社会もある(キリスト教は結構多いし、中国も道教由来の祖先崇拝で死体の損壊を嫌う)のでケースバイケースではある。

*3:もしかすると、鶴見は自分の計画が無謀だとわかってて、玉砕覚悟で、敢えて妻子持ちは誘わなかったのかも知れないと思い至って、陰鬱としてしまった……

*4:よく見たら後藤のおっさんには話してないな。尾形には売り言葉に買い言葉で言っただけだし。

*5:インカラマッとの初対面で「スギモト オハウ オロ オソマ オマレ ワ エ」って言ったのは、マッが杉元に粉掛けようとしたので牽制したのだよね。要は、「ワザと汚い名前で呼んで悪霊を避ける」のと同じ心理。で、キロランケに見透かされてニヤニヤされてる。

*6:野田サトル氏も元ネタの一つとして挙げられてる。読んでるとどーしても金神の絵で脳裏に浮かぶ。

*7:ちゃんとデンドロフィリアって名称がある。

*8:エゾオオカミに食い殺された最後の人間てのは彼にとってすごく名誉になるんだろな。

*9:私にとっては5、6巻あたりの冷酷で非情な彼がデフォルトなのだ。

*10:刑罰・賭博奇談 (河出文庫)……ただしこれは吉野孝雄による抜粋編纂。

*11:耳鼻削ぎの日本史 (歴史新書y)

*12:とはいえ、追放された者にはいっさい関わってはいけないんで、実質、死罪に等しい。

*13:主として女性や僧侶への死刑の代わりの刑罰だったのが近代化につれて男性と同じに死罪にする方向になった。平等化、厳罰化の一環。

*14:清水克之『日本神判史』(日本神判史 (中公新書))によると和人の記録では探湯で火傷するのは五分五分らしいので、賭けてみる価値はあるかも。