ヒグマ男編について
第217話~のヒグマ男編、チャプリンの「黄金狂時代」が元ネタの一つなのかも知れない。
ファイル:The Gold Rush (1925).webm - Wikipedia.webm)
チャールズ・チャップリン ~ 黄金狂時代 | The Gold Rush 1925年 ‧ ドラマ/自主映画
ゴールドラッシュ、熊、カニバリズム、って、ナルホドな、と。
平太の話が、陰惨な割になんだかブラックコメディめいてるのは、チャプリンが元ネタのせいだろか……
序盤、森の中からひょっと現れた熊が、チャプリンの後をつけてく。
淀川長治氏は白い熊って記憶してたようだけど、正しくはクロクマ。
黄金狂時代 | IVC
熊は途中で道を違えて別の方へ行っちゃう。
熊が、人間誰でも持ってる暴力性の象徴、ってことかな?
主人公のチャプリンも、いろいろ危うかったけど、他人に殺されたり、他人を殺したりしないで済んだしね。
山小屋で同居するハメになる男たち(一人はお尋ね者)がまた揃ってクマみたいにデカいし。
この映画、靴を喰うとか、人がニワトリに見えてくるとか、ブラックコメディの印象が強いせいか、後半の話を全然知らなかったけど、見てみたら、え、いきなりヒロイン出てきてハッピーエンドになるん……
もしかして、空腹のあまりに、いっしょにサバイバルしてる仲間が鳥に見えてきて食おうとする、って下りは、第228話「シマエナガ」につながってる??
「黄金狂時代」の脚本。
* The Gold Rush Movie Script
* The Gold Rush Movie Script(PDF)
チャプリンの映画は、アルフレッド・パッカー事件と、ドナー隊事件が元ネタとも言われてる。
アルフレッド・パッカー事件>金鉱掘りのガイドの男が、山の中で5人を殺して喰ったという事件。
ドナー隊事件>移民者の一行が山の中で遭難した事件。
ヒグマ男編、最初読んだとき思い浮かんだのは、アルフレッド・パッカー事件と、映画「ラビナス」(→ラビナス (1999年の映画) - Wikipedia))だった。これも、アルフレッド・パッカーとドナー隊が元ネタとして挙げられてる。更に、現地のウィンディゴ伝説も引用されてるし。
更には、ヒグマ男編、石狩沼田幌新事件も元ネタの一つかも知れない。
雨竜川付近・5人死亡、というあたり。
この事件については、7巻で言及されてたりもする。
もう一つ。
第220話「毛皮」の、やけに印象的な平太の顔の熊、どこかで見た様な、て思ったら、姉畑篇の熊の絵だった。陰影がほぼ同じなので、恐らく、姉畑篇の絵のデータをやや横長にして、線を追加したものと思われる。
たぶん、野田先生自前の熊の写真を元にしたのだろなー。
このヒグマ男編、残酷さとお笑い要素と、熊の正体や平太の心理とか、象徴性とか、いろいろと深読みできて、結構好きなエピソードなんだ。